第9章「交錯しあう気持ちと確認」
「どうして貴様がここにいる?!!」
過去の記憶の所為で最初は間の抜けた返答をしてしまった拙者だったが、
すぐに戦闘態勢に入り、2冊目と対峙した。
過去は親友で仲間だったかもしれないが、拙者とて十二と同じで、
今は2冊目とは敵対関係だ。
馴れ合うつもりはない。あんな夢を見た後だとしても。
「酷い言い方だな。ゼクス。」
2冊目はそう言いながらも、対して傷ついた様子もなく顔は笑っていた。
「部下の報告でゼクスが私のすぐ側に来てると聞いたから、
会いに来たのにな。
やっぱり未だにあれ以降の記憶は思い出せてないようだな。」
「拙者が過去を思い出せないのが、2冊目にはそんなに不都合なのか?」
「不都合だね。ツヴェルフには仲間には戻らないと断言されてしまったし、
フィーアは相変わらず飄々としていて、現在は信用するに至らない。
やっぱり一番信頼出来るのはゼクス、お前だけのようだ。」
「勝手に昔の様に信用されても困る。拙者とて、今は2冊目の仲間になる気はない。」
拙者は親しげに語ってくる2冊目をはっきりと拒んだ。
だが、2冊目はそれも気にもせずに会話を続ける。
「記憶を無くしたはずなのに、9冊目のことを気にするのは相変わらずなんだな。」
「拙者は何も9冊目だけを気にしているのではない。」
「のようだな。まさか私も予想出来なかったが、
9冊目の眷属と恋仲になったようだしな。」
「・・・・・・」
一番知られたくない相手に、拙者とセアとの関係はバレていたらしい。
いやバレてもしょうがないくらいに、拙者もセアと居たのだ。
勘の良い2冊目なら、すぐに気がついてもおかしくないだろう。
今夜だって拙者はセアと今さっきまで居た。
過去の拙者をよく知っている2冊目なら、信じられない光景だったことだろう。
「記憶を無くしたとは言えゼクス。
過去に私とした約束は思い出して貰わないと困るな?」
「2冊目と拙者の約束だと?」
「そうだ。あの約束は今だって有効だ。過去に無効にしてないからな。」
「それはどんな約束だ!」
拙者は2冊目を睨みながら、その約束はどんなものか聞いた。
2冊目はそんな拙者の態度が面白くてしょうがないと言う感じで、
拙者の顔を見て、クスクスと悪魔の様に笑う。
「××××××××××」
「?!!!!!!」
2冊目からその言葉を聞いた瞬間に、拙者はまるで鈍器で頭を殴れたような衝撃を覚え、
その後は目の前が真っ暗になった。
ただただ深い深い海の底に意識が沈むように、
拙者は深い眠りについてしまったのだ。
約束の内容を話した時のあの勝ち誇った2冊目の顔が、今の拙者には忘れられない。
過去の記憶の所為で最初は間の抜けた返答をしてしまった拙者だったが、
すぐに戦闘態勢に入り、2冊目と対峙した。
過去は親友で仲間だったかもしれないが、拙者とて十二と同じで、
今は2冊目とは敵対関係だ。
馴れ合うつもりはない。あんな夢を見た後だとしても。
「酷い言い方だな。ゼクス。」
2冊目はそう言いながらも、対して傷ついた様子もなく顔は笑っていた。
「部下の報告でゼクスが私のすぐ側に来てると聞いたから、
会いに来たのにな。
やっぱり未だにあれ以降の記憶は思い出せてないようだな。」
「拙者が過去を思い出せないのが、2冊目にはそんなに不都合なのか?」
「不都合だね。ツヴェルフには仲間には戻らないと断言されてしまったし、
フィーアは相変わらず飄々としていて、現在は信用するに至らない。
やっぱり一番信頼出来るのはゼクス、お前だけのようだ。」
「勝手に昔の様に信用されても困る。拙者とて、今は2冊目の仲間になる気はない。」
拙者は親しげに語ってくる2冊目をはっきりと拒んだ。
だが、2冊目はそれも気にもせずに会話を続ける。
「記憶を無くしたはずなのに、9冊目のことを気にするのは相変わらずなんだな。」
「拙者は何も9冊目だけを気にしているのではない。」
「のようだな。まさか私も予想出来なかったが、
9冊目の眷属と恋仲になったようだしな。」
「・・・・・・」
一番知られたくない相手に、拙者とセアとの関係はバレていたらしい。
いやバレてもしょうがないくらいに、拙者もセアと居たのだ。
勘の良い2冊目なら、すぐに気がついてもおかしくないだろう。
今夜だって拙者はセアと今さっきまで居た。
過去の拙者をよく知っている2冊目なら、信じられない光景だったことだろう。
「記憶を無くしたとは言えゼクス。
過去に私とした約束は思い出して貰わないと困るな?」
「2冊目と拙者の約束だと?」
「そうだ。あの約束は今だって有効だ。過去に無効にしてないからな。」
「それはどんな約束だ!」
拙者は2冊目を睨みながら、その約束はどんなものか聞いた。
2冊目はそんな拙者の態度が面白くてしょうがないと言う感じで、
拙者の顔を見て、クスクスと悪魔の様に笑う。
「××××××××××」
「?!!!!!!」
2冊目からその言葉を聞いた瞬間に、拙者はまるで鈍器で頭を殴れたような衝撃を覚え、
その後は目の前が真っ暗になった。
ただただ深い深い海の底に意識が沈むように、
拙者は深い眠りについてしまったのだ。
約束の内容を話した時のあの勝ち誇った2冊目の顔が、今の拙者には忘れられない。