第9章「交錯しあう気持ちと確認」
「お願いです!どうか!ナイン様を助けて下さい!」
拙者の情報を聞いて、絶望の淵に立ったノウェムは、藁にも縋る思いで、
拙者に土下座し、9冊目を助けてくれと懇願し始めた。
その姿に、いつも冷静でいた自分も痛いほどに同情出来る姿だった。
しかしその9冊目の最大の敵は拙者であるなど、目の前のこの哀れな眷属は知らない。
「それは出来ぬ。」
「何故ですか?!6冊目なら可能なはずです!!」
冷たく断る拙者に、流石のノウェムも噛みつく。
その目は悲しみから一時的な怒りに変わっていた。
「何か代償が必要と言うことでしょうか?!
でしたら俺の命を差し出します!ナイン様を救って下さるのなら、
何でも6冊目に従います!
ですから!どうか!どうかナイン様を助けて下さい!
お願いします!6冊目!!!」
「うむ・・・・・・・」
その後のノウェムの熱意は凄かった。
拙者が困り黙ってしまっていても、ノウェムはひたすら頭を下げ、
9冊目を救ってくれるのなら、何でもすると言い続けた。
そんなノウェムに我慢しきれず、拙者は口を開く。
「出来ぬものは出来ないのだ。」
「どうしてですか?こんないち眷属の言葉など聞けないと言うことでしょうか?」
「違う。」
「では・・・どうして?」
「余が2冊目の仲間だからだ。」
「?!」
拙者の言葉にノウェムは顔を上げて、目を見開いて拙者を顔を凝視した。
絶句した者の顔を言うのはまさにあれを言うのだろう。
ノウェムは何も言えなくなり、しばし放心状態になった。
「そ・・・それでは、どんなに俺が懇願したとしても無理に決まってますよね・・・」
もう何も希望はないんだと悟ったように、ノウェムは笑ったかと思えば、
次には大粒の涙を零して泣いていた。
自身の不甲斐なさにも泣いているのではないだろうかと拙者は感じた。
ここまで9冊目はこの眷属に思われているのだ。
なのに肝心の9冊目は何も知るまい。
「なら・・・どうして俺に6冊目は接触して来たのですか?
俺を殺す為ですか?」
自分では9冊目を救うことなど出来ないと確信したノウェムは、
死を覚悟した顔で拙者を再度見てくる。
拙者は素直にノウェムに「お前だけは死んで欲しくない」
と告げた。
「ナイン様が死んで、俺だけ生き残っても意味がありません。」
「そこまで慕うと言うのか・・・お前は・・・」
「はい。それが俺の生き甲斐なんです。」
「・・・・・・・」
長年生きてきた拙者も、ここまで意思の強い眷属は見たことがなかった。
話し方によってはツヴァイでさえも興味を持ちそうな眷属だと思う。
本当にここで見殺しにしていいのか?
拙者はこの眷属を前に自分の気持ちと葛藤することになった。
助けてやりたいと。
拙者の情報を聞いて、絶望の淵に立ったノウェムは、藁にも縋る思いで、
拙者に土下座し、9冊目を助けてくれと懇願し始めた。
その姿に、いつも冷静でいた自分も痛いほどに同情出来る姿だった。
しかしその9冊目の最大の敵は拙者であるなど、目の前のこの哀れな眷属は知らない。
「それは出来ぬ。」
「何故ですか?!6冊目なら可能なはずです!!」
冷たく断る拙者に、流石のノウェムも噛みつく。
その目は悲しみから一時的な怒りに変わっていた。
「何か代償が必要と言うことでしょうか?!
でしたら俺の命を差し出します!ナイン様を救って下さるのなら、
何でも6冊目に従います!
ですから!どうか!どうかナイン様を助けて下さい!
お願いします!6冊目!!!」
「うむ・・・・・・・」
その後のノウェムの熱意は凄かった。
拙者が困り黙ってしまっていても、ノウェムはひたすら頭を下げ、
9冊目を救ってくれるのなら、何でもすると言い続けた。
そんなノウェムに我慢しきれず、拙者は口を開く。
「出来ぬものは出来ないのだ。」
「どうしてですか?こんないち眷属の言葉など聞けないと言うことでしょうか?」
「違う。」
「では・・・どうして?」
「余が2冊目の仲間だからだ。」
「?!」
拙者の言葉にノウェムは顔を上げて、目を見開いて拙者を顔を凝視した。
絶句した者の顔を言うのはまさにあれを言うのだろう。
ノウェムは何も言えなくなり、しばし放心状態になった。
「そ・・・それでは、どんなに俺が懇願したとしても無理に決まってますよね・・・」
もう何も希望はないんだと悟ったように、ノウェムは笑ったかと思えば、
次には大粒の涙を零して泣いていた。
自身の不甲斐なさにも泣いているのではないだろうかと拙者は感じた。
ここまで9冊目はこの眷属に思われているのだ。
なのに肝心の9冊目は何も知るまい。
「なら・・・どうして俺に6冊目は接触して来たのですか?
俺を殺す為ですか?」
自分では9冊目を救うことなど出来ないと確信したノウェムは、
死を覚悟した顔で拙者を再度見てくる。
拙者は素直にノウェムに「お前だけは死んで欲しくない」
と告げた。
「ナイン様が死んで、俺だけ生き残っても意味がありません。」
「そこまで慕うと言うのか・・・お前は・・・」
「はい。それが俺の生き甲斐なんです。」
「・・・・・・・」
長年生きてきた拙者も、ここまで意思の強い眷属は見たことがなかった。
話し方によってはツヴァイでさえも興味を持ちそうな眷属だと思う。
本当にここで見殺しにしていいのか?
拙者はこの眷属を前に自分の気持ちと葛藤することになった。
助けてやりたいと。