第9章「交錯しあう気持ちと確認」
最初こそ不機嫌だったツヴァイは、7冊目達の計画が余りにもお粗末だったので、
気が抜けたのか、許さないと言う態度は変わらなかったが、後半には機嫌良くなっていた。
ツヴァイからすれば、楽しい玩具を見つけた気分なのだろう。
7冊目と9冊目をいい様に利用し、お互いを自滅するように仕向けていく。
ツヴァイは楽しそうに策略を巡らせていた。
拙者の方は完全にやることがなくなってしまい、ただ傍観しているだけだった。
ただ9冊側の監視だけは、ツヴァイに一応しておいてくれと頼まれ、
憂鬱な気分ではあったがしていた。
「眷属の3冊のうち2冊はさっさと裏切ったが、あやつは裏切るつもりはなさそうだな。
7冊目側についた眷属にどんなに勧誘されても、断ったどころか喧嘩になっておったな。」
9冊目から酷い扱いを受けたとしても、高い忠誠心を持つ眷属だった。
最初に生まれたと言っても、必ずしもあそこまで忠誠心が高いと言う事はない。
つまり素質なのだ。眷属それぞれの生まれ持った。
「実に勿体ない。9冊目がそれを活かしてやれば、自分よりも高い戦闘力さえ、
あやつは身に着けることが出来たかもしれないのに。
7冊目なんぞの戯言に踊らされるとは・・・あいつは・・・」
小さい頃からそうだった。
7冊目は狡賢いところがあり、よく9冊目を利用する場合があった。
それもあったから、拙者は9冊目を見てやっていたのだ。
しっかりと自分の身を守れるように言い聞かせたつもりだったが、
どうやらそれはツヴァイの言われた通り、無駄になったようだ。
「あのまま素直に3冊目の元に居て欲しかった。
そうすれば最後のギリギリまでは、命の危険もなく過ごせていたはずだ。
余の手で殺すようなことなど・・・したくはないが・・・」
本喰人であっても、情と言うのは厄介なものだ。
本を喰らい多くの知識を身に着け、長年生きたとしても、
情と言うものは完全には消せない。
それはあのツヴァイとて同じだ。
少しでも愛情を持って育てた相手なら、無残に殺したくないと思うのは当然ではないだろうか?
ツヴァイだって、ツヴェルフにはやっぱり甘いのだって、あれも情と言うものだ。
誰にも関わろうとしなかったツヴァイが、幼いツヴェルフの面倒を見たことで、
何かが変わり、拙者も今はこうしてツヴァイと親友にさえなれた。
そうでなければ、ツヴァイは1冊のままで、多くの同族を敵にして戦っていたことだろう。
初代との約束を真に守っていたのはツヴァイの方なのだ。
けれど、それを知っている者は、拙者とフィーアとツヴェルフしかいない。
ツヴァイはそれ以外の者にその真実を知られたくないと断言していた。
だから1冊目も3冊目も知らないのだ。
気が抜けたのか、許さないと言う態度は変わらなかったが、後半には機嫌良くなっていた。
ツヴァイからすれば、楽しい玩具を見つけた気分なのだろう。
7冊目と9冊目をいい様に利用し、お互いを自滅するように仕向けていく。
ツヴァイは楽しそうに策略を巡らせていた。
拙者の方は完全にやることがなくなってしまい、ただ傍観しているだけだった。
ただ9冊側の監視だけは、ツヴァイに一応しておいてくれと頼まれ、
憂鬱な気分ではあったがしていた。
「眷属の3冊のうち2冊はさっさと裏切ったが、あやつは裏切るつもりはなさそうだな。
7冊目側についた眷属にどんなに勧誘されても、断ったどころか喧嘩になっておったな。」
9冊目から酷い扱いを受けたとしても、高い忠誠心を持つ眷属だった。
最初に生まれたと言っても、必ずしもあそこまで忠誠心が高いと言う事はない。
つまり素質なのだ。眷属それぞれの生まれ持った。
「実に勿体ない。9冊目がそれを活かしてやれば、自分よりも高い戦闘力さえ、
あやつは身に着けることが出来たかもしれないのに。
7冊目なんぞの戯言に踊らされるとは・・・あいつは・・・」
小さい頃からそうだった。
7冊目は狡賢いところがあり、よく9冊目を利用する場合があった。
それもあったから、拙者は9冊目を見てやっていたのだ。
しっかりと自分の身を守れるように言い聞かせたつもりだったが、
どうやらそれはツヴァイの言われた通り、無駄になったようだ。
「あのまま素直に3冊目の元に居て欲しかった。
そうすれば最後のギリギリまでは、命の危険もなく過ごせていたはずだ。
余の手で殺すようなことなど・・・したくはないが・・・」
本喰人であっても、情と言うのは厄介なものだ。
本を喰らい多くの知識を身に着け、長年生きたとしても、
情と言うものは完全には消せない。
それはあのツヴァイとて同じだ。
少しでも愛情を持って育てた相手なら、無残に殺したくないと思うのは当然ではないだろうか?
ツヴァイだって、ツヴェルフにはやっぱり甘いのだって、あれも情と言うものだ。
誰にも関わろうとしなかったツヴァイが、幼いツヴェルフの面倒を見たことで、
何かが変わり、拙者も今はこうしてツヴァイと親友にさえなれた。
そうでなければ、ツヴァイは1冊のままで、多くの同族を敵にして戦っていたことだろう。
初代との約束を真に守っていたのはツヴァイの方なのだ。
けれど、それを知っている者は、拙者とフィーアとツヴェルフしかいない。
ツヴァイはそれ以外の者にその真実を知られたくないと断言していた。
だから1冊目も3冊目も知らないのだ。