第9章「交錯しあう気持ちと確認」
※6冊目に視点に変更
「ゼクス・・・あの約束違えるなよ?」
「わかっている。」
薄暗い部屋で拙者は誰かと会話していた。
いや相手はわかっている。過去の2冊目だと。
拙者は夢で過去の一部を思い出しているのだ。
「お前は私と同盟を組む時に約束した。
私の信頼を得る為に、これから先どんなことがあっても、女は信用しないと。」
「その通りだ。余はそう約束した。」
「それから、お前は私が指示した女は容赦なく殺してくれた。
同族であれ、人間の女であれだ。」
「そう。余はツヴァイと親友だと思うからこそ、その指示に従ってきた。
お前の目指すものは、余の目指すものでもあると信じてな。」
過去の拙者は、2冊目に友愛の気持ちを持ちながらも、2冊目と対峙していた。
「なら、何故今回は9冊目を助けるようなことをした?
私に報告もなしに勝手にだ。」
「それは悪かったと思っている。」
「悪かったと言う自覚はあるわけか・・・
だったら、これは私への裏切り行為じゃないのか?ゼクス?」
「裏切りつもりなどない。ツヴァイ。」
「なら、今からすぐに9冊目を殺してこいと言ったら、
殺しに行けるのか?今のお前が?」
「・・・・・・」
痛いところを突かれ、過去の拙者は黙るしかなかった。
あの当時、拙者は9冊目に失望していたはずだった。
3冊目の庇護のもとで、平和に暮らせていたものを、7冊目に唆されて、
自由を求めて、遠くに行ってしまった。
過去に少しは教育してやったつもりだったが、
9冊目は愚かなまま成長してしまったようだ。
拙者が女に不信感を抱く、最初のきっかけでもある。
「今頃になって、9冊目に情でも沸いたのか?ゼクス?
お前は9冊目が誕生したばかりの頃は、可愛がっていた時期があったからな。」
「あれに深い意味はない。同族だったと思っていた時期だからこそ、
多少面倒を見たにすぎない。」
「だとするなら、自分でも気持ちが抑えきれず、つい今回は助けてしまったと?」
「ツヴァイにそう思われるてしまうのも仕方がない。
これは余の不徳の致すところだ。素直に謝罪する。」
拙者がそこまで言って、頭を下げてツヴァイに謝ると、
ツヴァイは深くため息をついていた。
「今回の件はツヴェルフに手伝って貰うべきだったな。
けどゼクス。今回は許すが次はもう無いと思えよ?」
「わかっている。次にツヴァイの信頼を失うようなことをしたら、
余の全てを掛けて、ツヴァイの言う事には何が何でも従おう。」
「お前らしいな。ゼクス。だからこそ、今回の件は意外だったよ。」
この会話が終わって、ツヴァイはいつもの親友の顔に戻った。
夢の中で見た顔とは言え、拙者はその顔に懐かしさを感じた。
あの頃はこうしたやりとりでさえ、楽しいと拙者は思っていたのだ。
4冊目がいて、12冊目がいて、お互いが目的の為に団結していた時代。
あんなにも固い結束は今後もないのではないかとさえ思うほどに。
「ゼクス・・・あの約束違えるなよ?」
「わかっている。」
薄暗い部屋で拙者は誰かと会話していた。
いや相手はわかっている。過去の2冊目だと。
拙者は夢で過去の一部を思い出しているのだ。
「お前は私と同盟を組む時に約束した。
私の信頼を得る為に、これから先どんなことがあっても、女は信用しないと。」
「その通りだ。余はそう約束した。」
「それから、お前は私が指示した女は容赦なく殺してくれた。
同族であれ、人間の女であれだ。」
「そう。余はツヴァイと親友だと思うからこそ、その指示に従ってきた。
お前の目指すものは、余の目指すものでもあると信じてな。」
過去の拙者は、2冊目に友愛の気持ちを持ちながらも、2冊目と対峙していた。
「なら、何故今回は9冊目を助けるようなことをした?
私に報告もなしに勝手にだ。」
「それは悪かったと思っている。」
「悪かったと言う自覚はあるわけか・・・
だったら、これは私への裏切り行為じゃないのか?ゼクス?」
「裏切りつもりなどない。ツヴァイ。」
「なら、今からすぐに9冊目を殺してこいと言ったら、
殺しに行けるのか?今のお前が?」
「・・・・・・」
痛いところを突かれ、過去の拙者は黙るしかなかった。
あの当時、拙者は9冊目に失望していたはずだった。
3冊目の庇護のもとで、平和に暮らせていたものを、7冊目に唆されて、
自由を求めて、遠くに行ってしまった。
過去に少しは教育してやったつもりだったが、
9冊目は愚かなまま成長してしまったようだ。
拙者が女に不信感を抱く、最初のきっかけでもある。
「今頃になって、9冊目に情でも沸いたのか?ゼクス?
お前は9冊目が誕生したばかりの頃は、可愛がっていた時期があったからな。」
「あれに深い意味はない。同族だったと思っていた時期だからこそ、
多少面倒を見たにすぎない。」
「だとするなら、自分でも気持ちが抑えきれず、つい今回は助けてしまったと?」
「ツヴァイにそう思われるてしまうのも仕方がない。
これは余の不徳の致すところだ。素直に謝罪する。」
拙者がそこまで言って、頭を下げてツヴァイに謝ると、
ツヴァイは深くため息をついていた。
「今回の件はツヴェルフに手伝って貰うべきだったな。
けどゼクス。今回は許すが次はもう無いと思えよ?」
「わかっている。次にツヴァイの信頼を失うようなことをしたら、
余の全てを掛けて、ツヴァイの言う事には何が何でも従おう。」
「お前らしいな。ゼクス。だからこそ、今回の件は意外だったよ。」
この会話が終わって、ツヴァイはいつもの親友の顔に戻った。
夢の中で見た顔とは言え、拙者はその顔に懐かしさを感じた。
あの頃はこうしたやりとりでさえ、楽しいと拙者は思っていたのだ。
4冊目がいて、12冊目がいて、お互いが目的の為に団結していた時代。
あんなにも固い結束は今後もないのではないかとさえ思うほどに。