第9章「交錯しあう気持ちと確認」
「まさか、探していたあんたから、こんな形で声を掛けられるとはな。」
「・・・・・」
俺はアフロディーテの電話の後も、写真に写った場所を出歩き、
ターゲットを探し求めた。
今日の1日で出会うのは流石に無理かと諦めかけた時に、
意外にも相手から俺に接触してきたのだ。
時間はもう夜の0時を回っていた。
教会が管理している公園で、俺が休んでいた時に声を掛けてきた人物が、
俺が探していた相手だったのだ。
「急に現れて・・・すまない。」
「別に俺は構わない。あんたから話す気になってくれたのなら、
俺にとっては、この件は早く解決出来そうだから助かるさ。」
俺は相手との一定の距離を保って会話する。
相手も表面上では穏やかにしているが、俺と同じように警戒はしているようだ。
「直球で聞くけど、あんたは11冊目なのか?」
「そうだ。私は11冊目だ。貴方は21冊目でいいのか?」
「そうだな。俺は21冊目・・・じゃなかったら、どーする?」
俺は相手がなんかすました態度なのが気に食わなくて、
わざとそう言った。
しかし相手は困るような顔も見せずに、そのまま落ち着いた態度だった。
「最初に不審な動きをしたのは私だから、警戒されてもしょうがないが、
私が11冊目のは信じて欲しい。」
俺の嫌味も気にせず、11冊目は俺の表情を見ながら会話を続ける。
今の11冊目の姿は薄い水色のような短い髪に、サファイアブルー様な色の瞳をした、
俺と同じような歳をした男性の姿だった。
しゃべり方もそうだが、その態度から憂いを帯びてるような感じさえする。
まるで世界平和を常に願う聖職者のようなイメージだ。
「信じてやりたいけど、口だけなら何とでも言えるからなぁ。」
俺は更にわざと挑発するように返事をした。
これで相手が激昂でもしてくれたら、化けの皮を剝がすのも簡単なんだが。
と俺が思っていると、相手は何を思ったのか自分の胸辺りに手を突っ込み、
信じられない行動に出た。
「ぐぅう・・・これなら・・・信じて貰えるだろうか?」
「な?!あんた?!気は確かか?!!」
11冊目と名乗った男は、俺に信じて貰う為だけに、
自分を核である大事な部分を取り出し一部見せたのだ。
こうまでされては、俺も信じるしかない。
「わかった!わかったよ!あんたが11冊目本人なのは認める!
こちらこそ申し訳なかった。」
「いや・・・信じてくれるなら、それだけでいい。」
「ふぅ。にしても、無茶苦茶な本喰人だな。
なんで今回こんな回りくどいことをするんだ?
親父に用事があるなら素直に申し出てくれればいいのに。」
「私が用事があるのは7冊目ではないんだ。」
「え?」
「私が用事があるのは、21冊目。君だよ。」
う、嘘だろう?なんで11冊目が俺に?
突然の11冊目の言葉で、俺は混乱し黙ってしまった。
どうして11冊目が俺に用があるのか想像もつかない。
もしかして12冊目が覚醒したことに関係が?
俺に思いつくのはそれくらいだった。
「・・・・・」
俺はアフロディーテの電話の後も、写真に写った場所を出歩き、
ターゲットを探し求めた。
今日の1日で出会うのは流石に無理かと諦めかけた時に、
意外にも相手から俺に接触してきたのだ。
時間はもう夜の0時を回っていた。
教会が管理している公園で、俺が休んでいた時に声を掛けてきた人物が、
俺が探していた相手だったのだ。
「急に現れて・・・すまない。」
「別に俺は構わない。あんたから話す気になってくれたのなら、
俺にとっては、この件は早く解決出来そうだから助かるさ。」
俺は相手との一定の距離を保って会話する。
相手も表面上では穏やかにしているが、俺と同じように警戒はしているようだ。
「直球で聞くけど、あんたは11冊目なのか?」
「そうだ。私は11冊目だ。貴方は21冊目でいいのか?」
「そうだな。俺は21冊目・・・じゃなかったら、どーする?」
俺は相手がなんかすました態度なのが気に食わなくて、
わざとそう言った。
しかし相手は困るような顔も見せずに、そのまま落ち着いた態度だった。
「最初に不審な動きをしたのは私だから、警戒されてもしょうがないが、
私が11冊目のは信じて欲しい。」
俺の嫌味も気にせず、11冊目は俺の表情を見ながら会話を続ける。
今の11冊目の姿は薄い水色のような短い髪に、サファイアブルー様な色の瞳をした、
俺と同じような歳をした男性の姿だった。
しゃべり方もそうだが、その態度から憂いを帯びてるような感じさえする。
まるで世界平和を常に願う聖職者のようなイメージだ。
「信じてやりたいけど、口だけなら何とでも言えるからなぁ。」
俺は更にわざと挑発するように返事をした。
これで相手が激昂でもしてくれたら、化けの皮を剝がすのも簡単なんだが。
と俺が思っていると、相手は何を思ったのか自分の胸辺りに手を突っ込み、
信じられない行動に出た。
「ぐぅう・・・これなら・・・信じて貰えるだろうか?」
「な?!あんた?!気は確かか?!!」
11冊目と名乗った男は、俺に信じて貰う為だけに、
自分を核である大事な部分を取り出し一部見せたのだ。
こうまでされては、俺も信じるしかない。
「わかった!わかったよ!あんたが11冊目本人なのは認める!
こちらこそ申し訳なかった。」
「いや・・・信じてくれるなら、それだけでいい。」
「ふぅ。にしても、無茶苦茶な本喰人だな。
なんで今回こんな回りくどいことをするんだ?
親父に用事があるなら素直に申し出てくれればいいのに。」
「私が用事があるのは7冊目ではないんだ。」
「え?」
「私が用事があるのは、21冊目。君だよ。」
う、嘘だろう?なんで11冊目が俺に?
突然の11冊目の言葉で、俺は混乱し黙ってしまった。
どうして11冊目が俺に用があるのか想像もつかない。
もしかして12冊目が覚醒したことに関係が?
俺に思いつくのはそれくらいだった。