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第9章「交錯しあう気持ちと確認」

「びっくりしたねぇーいきなりジョーおじさんが来るんだもん。」
「まぁーな・・・」

親父達が帰った後でジェシーは俺に声をかけてきた。
何か落ち着かないそわそわした態度のジェシーに俺は何だ?って言う目で見ていた。
親父から久しぶりに注意されたことあってか、それで気持ちが落ち着かないのか?

「ハーフはジョーおじさんから何言われたの?」
「ん?俺か・・・俺は・・・」

俺はジェシーにどう説明しようか少しだけ悩みながらも、
話してはまずいとこだけ隠して、ザックリと説明した。

「親父の仕事関係で俺に手伝って欲しい事があるらしい。
ちょっと面倒そうな仕事だが、俺しか頼れないんだとさ。」
「へぇーそうなんだ。ジョーおじさんは大会社の社長だから、
大変なんだろうね。」
「そうだな。だから恨みも買いやすいんだろうよ。」
「そっか・・・じゃあ、ハーフの頼まれた仕事って、
ジョーおじさんを護衛するみたいそんな感じの仕事?」
「んーそうだな。そんな感じだと思って貰っていいな。」

ジェシーは興味有り気の顔で俺をマジマジと見ていた。
これは今後に小説のネタにするからと、親父の頼み事が解決したら話を聞きたいと、
せがまれそうで怖いな。
ジェシーには親父は表向きは大会社の社長ってことになってる。
親父の裏の顔はジェシーには教えてない。
余計なことは教えるとかえって危険な目に遭うこともあるからな。
俺も知らない方がいいと思ってる。
俺の探偵事務所の所長が本当はアテネだってこともジェシーは知らない。

「あのさ・・・ハーフ・・・」
「ん?なんだ?」
「リビングのテーブルにあったこれなんだけどさ・・・」
「あ・・・」

俺はジェシーが手にしている紙袋に入った本を見て思い出した。
あれは俺がナタリーから買い取ったあの本じゃないか。

「ご、ごめん!勝手に見るつもりはなかったの!
でもアテネお姉ちゃんがこれ何?って言うからつい確認で見ちゃって・・・」
「いや。構わない。それは俺がジェシーにプレゼントしようとして買ったんだから。」
「え?!本当?!!」

俺がそう言うなり、ジェシーは盛大に歓喜して、嬉しそうに本を抱きしめた。
そんなに嬉しかったのか・・・ああ、だからさっきから何かそわそわしてたのか?

「ありがとうーハーフ♥これ買い直そうとしても駄目だったのに♥
まさかハーフからプレゼントして貰えるなんて思わなかったよぉおお♥
マジでサイコーなんだけど♥」
「そこまで喜ぶか?」
「喜ぶに決まってるじゃん♪買い逃した時にずっと一生後悔していくんだぁーって
絶望してたんだから!!」

あまりのジェシーの喜びように俺はドン引きしてしまった。
そこまで思う程だったのかよ。
ならプレゼントして良かったんだろうけど、
俺はジェシーを甘やかしすぎてないか心配になりそうになった。

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