第9章「交錯しあう気持ちと確認」
「えええ?!もう解決してきちゃったの?!しかも1人で?!」
俺は事件が無事に解決したことを事務所に戻って、ビックとナタリーに報告した。
ナタリーは青い瞳を大きく見開いて、俺の顔をまじまじと見てくる。
どうやら俺の報告がすんなりと信用できないようだ。
しかしビックはいつもの様子で、俺ならすぐに解決してしまうだろうと安心していたようだ。
「今回も犯人側で知り合いでも居たのか?」
「まぁ・・・詳しくは言えないがそんな感じだな。
しかも教授の娘さんが拉致されてた場所は、俺も知ってる店だったから、
店の内部も知り尽くしてたのもあって、そんなに苦労はなかったんだ。」
「ハーフって・・・いつも思うけど、そういうとこは謎が多い男よね・・・」
ナタリーは俺に何か言いたげな顔をしながらも、俺とビックの会話を聞いて、
納得するしかないと最後は思ったようだ。
「ハーフにも事情があるように、俺もナタリーにも言いたくないことの1つや2つはある。
仕事に差し支えない限りは、必要以上に互いを詮索しない。
それがこの事務所の・・・いや所長の命令だからな。」
ビックはナタリーの顔を見ながらそう話した。
ナタリーもここまでビックに言われては、俺の仕事ぶりに疑問を抱いても、
これ以上は何も言えない。
ここだけの話だが、ビックもナタリーも当人の本当の名前じゃないのは、
14冊目から聞いてるしな・・・俺。
仕事仲間と言えど、2人にもそれなりの秘密があるってことだ。
「あ、そうだった。依頼人の報酬は所長が後でいつもの口座に振り込むってさ。」
「そうか。わかった。後で確認しとく。」
「ハーフ1人で仕事終わらせちゃったんなら、私は今回の仕事は報酬なしか・・・がっくし・・・」
ナタリーは心底がっかりした顔で俺を恨めしそうに見る。
なんだ?ナタリーは最近お金にでも困ってるのか?
「どうした?ナタリー?そんなに仕事が欲しかったのか?」
ビックもナタリーの様子にこんな質問をした。
ナタリーはため息をつきながらも、今月は生活がちょっと・・・
などと濁していた。
「またギャンブルとかしたんじゃないだろうな?」
俺はナタリーに笑いながら冗談を言うと、ナタリーは顔を真っ赤にさせて今度は怒りだした。
「ち、違うわよ!」
「じゃあ、なんで今月は苦しんだよ?」
「ちょっと欲しい本をネットのサイトで買ったんだけどさ・・・」
「うん、それで?」
「間違って買っちゃってさ・・・しかも高額なのを・・・」
「は?だったら返品すればいいじゃないか?」
「それが開封したら返品不可ってサイトのとこに書いてあって・・・」
「マジか・・・不親切なサイトだな。けど、どんな本なんだよ?
ナタリーが生活が苦しくなるくらいの高額な本って?」
俺はナタリーに呆れながらも、どんな本なのかを尋ねた。
すると・・・
「黄金の錬金術師冒険記!20周年スペシャル版!フィギュア付き!
&先生インタビューDVD付きのやつなの!!!」
「はぁ?」
俺は本のタイトルを聞いて唖然としてしまった。
ビックは俺達の話についていけないと言う顔で、自分の仕事に入った。
「それ買ったのか?」
「うん・・・寝ぼけてたから間違えて・・・隣の商品をクリックしちゃってたみたいで・・・」
「なら俺がそれ買い取ってやるよ。」
「え?本当?!」
俺の申し出にナタリーが驚いた顔で反応した。
運が良かったなナタリー。それはジェシーが大好きな作品の1つだったのだ。
しかもナタリーが間違って買っていた本も実は欲しがっていたが、
お小遣い的に無理だと諦めていたものだったのを、俺はたまたま知っていたのだ。
よし、何かの縁だから俺が買い取ってジェシーにプレゼントしてやるか。
今日の朝の食事のお礼にな。
俺の申し出にナタリーも急に笑顔になり、昼休みの時にナタリーのその本を持ってきて、
俺はナタリーからその本を定額で買い取ってやった。
こんな事で仕事仲間にちょっとした借りを作るのも悪くない。
俺は事件が無事に解決したことを事務所に戻って、ビックとナタリーに報告した。
ナタリーは青い瞳を大きく見開いて、俺の顔をまじまじと見てくる。
どうやら俺の報告がすんなりと信用できないようだ。
しかしビックはいつもの様子で、俺ならすぐに解決してしまうだろうと安心していたようだ。
「今回も犯人側で知り合いでも居たのか?」
「まぁ・・・詳しくは言えないがそんな感じだな。
しかも教授の娘さんが拉致されてた場所は、俺も知ってる店だったから、
店の内部も知り尽くしてたのもあって、そんなに苦労はなかったんだ。」
「ハーフって・・・いつも思うけど、そういうとこは謎が多い男よね・・・」
ナタリーは俺に何か言いたげな顔をしながらも、俺とビックの会話を聞いて、
納得するしかないと最後は思ったようだ。
「ハーフにも事情があるように、俺もナタリーにも言いたくないことの1つや2つはある。
仕事に差し支えない限りは、必要以上に互いを詮索しない。
それがこの事務所の・・・いや所長の命令だからな。」
ビックはナタリーの顔を見ながらそう話した。
ナタリーもここまでビックに言われては、俺の仕事ぶりに疑問を抱いても、
これ以上は何も言えない。
ここだけの話だが、ビックもナタリーも当人の本当の名前じゃないのは、
14冊目から聞いてるしな・・・俺。
仕事仲間と言えど、2人にもそれなりの秘密があるってことだ。
「あ、そうだった。依頼人の報酬は所長が後でいつもの口座に振り込むってさ。」
「そうか。わかった。後で確認しとく。」
「ハーフ1人で仕事終わらせちゃったんなら、私は今回の仕事は報酬なしか・・・がっくし・・・」
ナタリーは心底がっかりした顔で俺を恨めしそうに見る。
なんだ?ナタリーは最近お金にでも困ってるのか?
「どうした?ナタリー?そんなに仕事が欲しかったのか?」
ビックもナタリーの様子にこんな質問をした。
ナタリーはため息をつきながらも、今月は生活がちょっと・・・
などと濁していた。
「またギャンブルとかしたんじゃないだろうな?」
俺はナタリーに笑いながら冗談を言うと、ナタリーは顔を真っ赤にさせて今度は怒りだした。
「ち、違うわよ!」
「じゃあ、なんで今月は苦しんだよ?」
「ちょっと欲しい本をネットのサイトで買ったんだけどさ・・・」
「うん、それで?」
「間違って買っちゃってさ・・・しかも高額なのを・・・」
「は?だったら返品すればいいじゃないか?」
「それが開封したら返品不可ってサイトのとこに書いてあって・・・」
「マジか・・・不親切なサイトだな。けど、どんな本なんだよ?
ナタリーが生活が苦しくなるくらいの高額な本って?」
俺はナタリーに呆れながらも、どんな本なのかを尋ねた。
すると・・・
「黄金の錬金術師冒険記!20周年スペシャル版!フィギュア付き!
&先生インタビューDVD付きのやつなの!!!」
「はぁ?」
俺は本のタイトルを聞いて唖然としてしまった。
ビックは俺達の話についていけないと言う顔で、自分の仕事に入った。
「それ買ったのか?」
「うん・・・寝ぼけてたから間違えて・・・隣の商品をクリックしちゃってたみたいで・・・」
「なら俺がそれ買い取ってやるよ。」
「え?本当?!」
俺の申し出にナタリーが驚いた顔で反応した。
運が良かったなナタリー。それはジェシーが大好きな作品の1つだったのだ。
しかもナタリーが間違って買っていた本も実は欲しがっていたが、
お小遣い的に無理だと諦めていたものだったのを、俺はたまたま知っていたのだ。
よし、何かの縁だから俺が買い取ってジェシーにプレゼントしてやるか。
今日の朝の食事のお礼にな。
俺の申し出にナタリーも急に笑顔になり、昼休みの時にナタリーのその本を持ってきて、
俺はナタリーからその本を定額で買い取ってやった。
こんな事で仕事仲間にちょっとした借りを作るのも悪くない。