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第2章「共同戦線」

6冊目の居場所をどうにか知ることが出来ないか、俺が考えていると、
思いがけない相手から電話がかかってきた。俺は、電話は取り、対応する。

「いつもご利用有難うございます。古本屋、本堂で・・・」
「あらーやだぁ♥もしもし?12冊目かしら?」

電話の向こうの人物は、明るい声で、そう言ってきた。
俺は、その声で、すぐにある本であることに気がつく。

「まさか?!9冊目か?!」
「そうよー♪実は、旦那がねぇー日本のしかも、東京に仕事で
用事があるって言うから♪付いて来たわけ♪それで、そう言えば、
12冊目が東京にいるの思い出したから、過去に貰った電話番号を試しにかけてみたの♪
良かったわ!無事に繋がって♪」
「よく・・・覚えてたな・・・」
「あら?私は結構、そういうの大事にするのよ?それに、貴方は、
私には可愛い弟みたいなもんだしね♪うふふ♪」
「そう思って貰えるのは、有難くもあるが、9冊目には大事な夫と
子供達がいるだろう・・・?俺的には気まずいんだが・・・」
「そんな事は気にする事ないわよ♪旦那は私とラブラブだし♪
私達の関係は、やましい事なんか、なーんにも無いんだから!」

9冊目は、昔と変わらずに陽気な声で俺にこう言ってくる。
俺は相変わらずだなぁーと思いつつも、9冊目と連絡が取れたことは、
正直良かったと思っていた。俺も話したい事があったからだ。

「そうだな。でも、こうして連絡貰えたのは、正直嬉しいよ。
俺も話したい事があったんだ。」
「あら?本当?なら、丁度いいわ。私も12冊目に話したいことがあったからね!
今日の夜の7時にザ・リッチカールスホテルまで来れる?」
「ああ、今日は特に用事がないから、大丈夫だ。」
「なら、ご馳走用意して待ってるわ♪夕食を喰べながら、
最近の互いの状況でもお話しましょ♪」
「そうしよう。あ、で、9冊目、あのさ・・・」
「うん?どうしたの?」
「俺もさ、眷属を持つようになったんだ。」

俺は9冊目にトワの話をした。電話の向こうで、9冊目が、
嬉しそうな声で、俺にアレコレ聞いてくる。

「何々?!そのトワちゃんって子は可愛いの?!」
「うん・・・まぁ・・・人間の男達にはモテてるかな?」
「いやぁーん♥気になるわー♥なら、一緒に連れて来なさいよ!
私もぜひ会ってみたいわ♪丁度ね!私の子供もいるから、一緒に
遊ばせるといいわ♪もちろん、トワちゃんにもご馳走用意するわね!」

俺の返事も何も聞かないうちに、9冊目はもう予定を決めてしまった。
ま、俺も、トワを9冊目に、会わせておきたかったのもあるので、
いいタイミングではあるが。

「じゃあ!そういうことで、待ってるわね♪フロントには、フログベルデからの
招待で来ましたと言ってくれれば、大丈夫だから♪」
「わかった。夜の7時ちょっと前に伺うようにするよ。」
「はいー♪じゃーね♪」

9冊目は、終始変わらず、陽気なままで、電話を切った。
俺は、すぐにトワに、9冊目からの電話の内容を伝えた。
その時のトワの顔を言ったら・・・あんなにも嬉しそうな顔は、
俺も久しぶりに見た気がする。
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