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第9章「交錯しあう気持ちと確認」

俺はその手紙をすぐに読んだ。誰にも見られたくなかったのだ。
あのトワにさえも。

「未来の12ちゃんへ
私達は今世界のどこまで旅をしたでしょうか?
きっと12ちゃんのことだから、まずは世界一周してから、
トリア先生の家に戻ってきてると思います。
12ちゃんは未来の私とも仲良くしてくれてるでしょうか?
私はきっと出来ていると信じてますが、もし今後喧嘩しても
絶対に仲直りしてね?
だって、私は12ちゃんのことが昔から大好きだから。
ううん、目の前で言うのは恥ずかしいから、ここで書いちゃうけど・・・
12ちゃんのこと愛してる。
私が女の本になろうと決めたのも、12ちゃんの所為なんだからね!
だから、責任取って欲しいな・・・なんて!
嘘だからね!!私からのドッキリでした♪
びっくりした?えへへ♪でもね?こんな私だけど・・・
これからも一緒に世界巡りの旅しようね?
私はきっと12ちゃんとなら、どこでも行ける気がするんだ。
だから・・・ずっと仲良しでいて下さい。   
36冊目より」

と手紙には書かれていた。

「ミロ・・・お前って奴は・・・・・・」

俺は気づけば泣いていた。
何度も何度も手紙を読み返し、その度に大粒の涙が流れる。
手紙が涙で滲まないようにするので必死になるくらいだった。
俺はすぐにミロの身体の一部が入った箱を取り出す。
そしてミロに向かって答えた。

「ミロ・・・俺もお前を愛してる。今も心から愛してる。
だからお前が無事に回復するまで、もうしばらく待ってくれ。
必ず・・・俺は何を犠牲にしてでも、お前を復活させる。」

俺は流れる涙も気にせず、ミロに向かってはっきりと答えた。
そして誰にも見られないように、その手紙をミロの身体の一部が入っている箱にしまった。
この手紙ばかりはトリア先生にも、トワにも見せるわけにはいかない。
こればかりは、俺とミロとの大事なものだから。

「ミロ・・・お前がこの本をここに置いたのか?」

俺は箱の中のミロに聞いてみたが、もちろん返事などはない。
しかし俺はきっとミロがしたんだろうと確信している。
今の俺なら、敵の罠であったのなら、敵の悪意などにすぐに気づけるはずだ。
だけど部屋から悪い気配は感じなった。
まさかこんな長い時を得て、俺はミロの手紙を受け取るなんて、
予期しなかった。
ミロのサプライズに俺は情けなく泣くしかない。

「ミロはもしかしたらトワよりも悪戯っ子かもしれないな。」

俺は泣きやんだ後でミロに笑顔で言ってやった。

「12ちゃんの馬鹿!引っかかる方が悪いんだよ?♪」

と優しいミロの声が聞こえた気がした。
俺は後でトリア先生からハーブ類のあの紙も貰って、
ミロの箱に入れてやろうと思った。
今は食べれなくても、匂いくらいは楽しんで貰えるかもしれないと考えついたからだ。
そうだ。ミロは日本の桜もいつか見たいと言っていたよな。
あのトワの桜の紅茶も少し分けて貰うか・・・

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