第9章「交錯しあう気持ちと確認」
「こ、怖いよ・・・十二・・・」
トワは俺の身体をギュッと掴んで、今にも泣きそうになっている。
トリア先生はそんなトワを見て、申し訳なさそうな顔をして、
トワに謝罪した。
「ごめんね。トワちゃん。怖い話をしてしまって。
でも、現在はその本喰蟲は絶滅したはずだから大丈夫よ。」
「本当・・・ですか?」
「ええ。だって、その時は本喰人全員が団結して、その本喰蟲と戦ったのだから。
そしてやっとの思いで絶滅させたのよ。」
「全員がって、あの2冊目もですか?」
俺はトリア先生に確認すると、トリア先生は頷いた。
「あの時は私達もまだ激しく対立していなかったからね。
2冊目も利害が一致していたし、協力的だったのよ?
あのまま和解出来て、また一緒に暮らしていけるのでは?と、
私も他の本喰人もそう思えたのに・・・残念だったわ。」
「・・・・・」
それは残念でしたね。と俺はあやうく言いそうになって、何故だか辞めた。
トリア先生の話を聞いて、何か腑に落ちないものを感じたのだが、
それは何なのかわからず、俺はモヤモヤとした気持ちになったからだ。
過去の俺は、この本喰蟲について何か大事なことを知っている気がしてならないのだが、
どうしてもこの場では思い出せなかった。
「絶滅したのなら・・・大丈夫だよね?」
トワは俺に小声で恐る恐る聞いてくる。
大分成長したんだと思った矢先に、これでは不安だな。
俺は軽く苦笑いして、トワの頭を思い切り撫でてやった。
「キャ!な、何するの!十二?!!」
「もう存在しない敵にここまで怯える必要もないだろ?
いい加減、シャキッとしろ!トワ!」
「もう!十二の馬鹿!!!髪の毛がぐちゃぐちゃになっちゃうでしょ!」
トワは可愛く怒って、俺の側を離れた。
そんなトワを見て、15冊目と16冊目も安堵したのか、優しい笑顔でトワを見た。
それに気づいたトワは、恥ずかしかったみたいで、髪の毛をセットし直してくる!と、
俺に怒鳴って、俺達の借りている部屋に逃げてしまった。
「十二・・・場を和ませる為にしたとは言え、女の子に対してあれは酷いですよ?」
「そうですか?俺はトワに優しく励ましてやったつもりなんですが?」
俺はトリア先生に軽く怒られて、反省した素振りをしながらも、おちゃらけて見せた。
15冊目達は俺に苦笑してはいたが、友好的な雰囲気だった。
「でもさーそんな最悪の天敵は絶滅したのなら、
やっぱり無理にハーブ類を摂取する必要はないってことですよね?トリア先生?」
「もう!ダイス君は!そうであっても、身体に良いのは変わりありませんから!
今後もここに居る間はしっかりと喰べて貰いますからね?」
「えーーーそんなぁ・・・」
「ダイスは余計なことを言わなきゃ良かったんだ。
この感じだと、今日の昼食も夕食も出されそうな勢いだぞ?」
「俺もなんか嫌な予感がするわ。16冊目。口は禍の元だからな、気を付けろよ?」
「むむ・・・すいませんです。」
俺と15冊目に軽く睨まれ、16冊目は申し訳なさそうな顔になる。
トリア先生の前では、そういうフラグを立てるようなことを、
極力しないで貰いたいもんだ。
トリア先生もトリア先生で、稀に茶目っ気を見せることがあるので油断ならない。
16冊目のような言い方をすれば、逆に出して欲しいの?!
みたいな感じで、わざと出す可能性も否定出来ないからだ。
あーそうだ。あの18が同じようなことして、俺達が苦しんだ時期もあったような・・・
忘れていた違う意味のトラウマが蘇りそうで、俺は背筋が寒くなるのを感じてしまった。
トワは俺の身体をギュッと掴んで、今にも泣きそうになっている。
トリア先生はそんなトワを見て、申し訳なさそうな顔をして、
トワに謝罪した。
「ごめんね。トワちゃん。怖い話をしてしまって。
でも、現在はその本喰蟲は絶滅したはずだから大丈夫よ。」
「本当・・・ですか?」
「ええ。だって、その時は本喰人全員が団結して、その本喰蟲と戦ったのだから。
そしてやっとの思いで絶滅させたのよ。」
「全員がって、あの2冊目もですか?」
俺はトリア先生に確認すると、トリア先生は頷いた。
「あの時は私達もまだ激しく対立していなかったからね。
2冊目も利害が一致していたし、協力的だったのよ?
あのまま和解出来て、また一緒に暮らしていけるのでは?と、
私も他の本喰人もそう思えたのに・・・残念だったわ。」
「・・・・・」
それは残念でしたね。と俺はあやうく言いそうになって、何故だか辞めた。
トリア先生の話を聞いて、何か腑に落ちないものを感じたのだが、
それは何なのかわからず、俺はモヤモヤとした気持ちになったからだ。
過去の俺は、この本喰蟲について何か大事なことを知っている気がしてならないのだが、
どうしてもこの場では思い出せなかった。
「絶滅したのなら・・・大丈夫だよね?」
トワは俺に小声で恐る恐る聞いてくる。
大分成長したんだと思った矢先に、これでは不安だな。
俺は軽く苦笑いして、トワの頭を思い切り撫でてやった。
「キャ!な、何するの!十二?!!」
「もう存在しない敵にここまで怯える必要もないだろ?
いい加減、シャキッとしろ!トワ!」
「もう!十二の馬鹿!!!髪の毛がぐちゃぐちゃになっちゃうでしょ!」
トワは可愛く怒って、俺の側を離れた。
そんなトワを見て、15冊目と16冊目も安堵したのか、優しい笑顔でトワを見た。
それに気づいたトワは、恥ずかしかったみたいで、髪の毛をセットし直してくる!と、
俺に怒鳴って、俺達の借りている部屋に逃げてしまった。
「十二・・・場を和ませる為にしたとは言え、女の子に対してあれは酷いですよ?」
「そうですか?俺はトワに優しく励ましてやったつもりなんですが?」
俺はトリア先生に軽く怒られて、反省した素振りをしながらも、おちゃらけて見せた。
15冊目達は俺に苦笑してはいたが、友好的な雰囲気だった。
「でもさーそんな最悪の天敵は絶滅したのなら、
やっぱり無理にハーブ類を摂取する必要はないってことですよね?トリア先生?」
「もう!ダイス君は!そうであっても、身体に良いのは変わりありませんから!
今後もここに居る間はしっかりと喰べて貰いますからね?」
「えーーーそんなぁ・・・」
「ダイスは余計なことを言わなきゃ良かったんだ。
この感じだと、今日の昼食も夕食も出されそうな勢いだぞ?」
「俺もなんか嫌な予感がするわ。16冊目。口は禍の元だからな、気を付けろよ?」
「むむ・・・すいませんです。」
俺と15冊目に軽く睨まれ、16冊目は申し訳なさそうな顔になる。
トリア先生の前では、そういうフラグを立てるようなことを、
極力しないで貰いたいもんだ。
トリア先生もトリア先生で、稀に茶目っ気を見せることがあるので油断ならない。
16冊目のような言い方をすれば、逆に出して欲しいの?!
みたいな感じで、わざと出す可能性も否定出来ないからだ。
あーそうだ。あの18が同じようなことして、俺達が苦しんだ時期もあったような・・・
忘れていた違う意味のトラウマが蘇りそうで、俺は背筋が寒くなるのを感じてしまった。