第9章「交錯しあう気持ちと確認」
「ううぅ・・・苦い・・・」
「おい・・・ダイス・・・我慢しろよ・・・」
「ベリーだって苦手な癖にさ・・・」
「身体にいいんだから、我が儘言うな・・・」
「ちぇ・・・ベリーのいい子ぶりっこ・・・」
「むぅ・・・」
俺がこの味に苦戦したのと同じ具合に、15冊目と16冊目もこの味が苦手のようで、
ひそひそと小声でこんな感じに会話していた。
それを見たトリア先生は、俺達を見てクスクスと楽しそうに笑う。
過去の俺とかを思い出したんだろう。俺はなんだかそんな感じがした。
「今も昔も、男の子の本達はこのハーブ系の味が苦手みたいね。」
「そうなんですか?トリア先生?」
「ええ。今の十二も未だに嫌いみたいですし。ね?十二?」
「面目ないです。トリア先生。」
「えー?なんで十二はこの味嫌いなの?匂いもいいし、美味しいのに!」
「むしろトワはよく喰べれるよな・・・俺には苦い草としか思えないんだが・・・」
「僕も12冊目と同じ・・・苦い味しかわからないや・・・」
「俺もです・・・」
男の俺達は意見を一致させて団結していた。
それを見たトワはトリア先生と目を合わせて、すぐに笑い出す。
「ふふーん♪いいこと知っちゃった♪」
「トワ、何がいいことなんだよ・・・」
「十二がこんなに苦手なものがあるなんてさ♪トワ初めて知っちゃったもんね♪」
「お前・・・今後日本に帰っても、この味を何かあった時に、
俺に喰わせるつもりじゃないだろうな?」
俺はトワに弱点を知られたことに、恐怖を感じた。
この先、トワと喧嘩でもしたら、ここぞとばかりに腹いせに、
この味を食事に出してきそうで怖い。いや物凄くありそうで怖い。
俺とトワの会話を聞いて、15冊目達も同情の眼差しを俺に向けてくる。
それでもトワは俺に勝ち誇ったような顔をして、嬉しそうにしていた。
「十二も、ベリー君も、ダイス君も、この味を好きになれとは言わないけど、
平気くらいにはなった方がいいわね。いざと言う時の為にもね。」
急に真面目な顔になったトリア先生は、俺達にそう言う。
俺は何か不安を感じて、何故なのか理由を尋ねた。
するとトリア先生はある話を始めた。
「私達本喰人にはね、最悪の天敵がいるの。いえ、いたと言うべきかしら?」
「え?最悪の天敵ですか?」
「そう。私達全員の最悪の天敵、本喰蟲よ。」
「本喰・・・蟲?」
トワは急に虫の話題になったことで、顔を真っ青にさせて、
席を立って俺の側に近寄り、俺の背後に隠れた。
俺はやれやれと思いながら、腕をなんとか後ろに回し、
トワを安心させるように頭を撫でてやりながら、トリア先生の話を引き続き聞いた。
15冊目達も真面目な顔になって聞いている。
「ソロモニア一族同士が激しく争うようになった時に、生み出された生物だと聞くわ。
普通の本喰い虫とは違って、私達本喰人の核となる本だけを好んで食べるの。
どんなに能力を使って身体を守ろうとしても駄目なの。
その本喰蟲には効かない。だから最悪の天敵なのよ。」
「そんな・・・では、もしその本喰蟲に出会ってしまったら、
どうしたらいいんですか?」
15冊目は困り顔でトリア先生に質問している。
俺やトワ、16冊目も同じ気持ちだろう。
トリア先生は目を閉じて、その質問に答える。
「今の現在で、出会う事はないと思っているけれど、もしもその本喰蟲に出会ってしまったら・・・
不幸だったと思うしかないわね。」
「そんな・・・核となる本をむざむざとそいつらに喰われろと言うんですか?」
「ごめんなさい。言い方が悪かったわ。私では、その本喰蟲の対処法は知らないの。
知ってるとすれば、1冊目と2冊目、それから4冊目と6冊目辺りまでかしら?
私が知っているのは、その本喰蟲達はハーブ類の香りが大嫌いだと言う事だけなのよ。」
「ハーブ類の香りが嫌い?」
俺はトリア先生のその言葉を聞いて考えついた。
つまり、まずはその本喰蟲を自分に寄せ付けない為にも、
常にハーブ類を身体に取り込んでおく必要があるってことかと。
「おい・・・ダイス・・・我慢しろよ・・・」
「ベリーだって苦手な癖にさ・・・」
「身体にいいんだから、我が儘言うな・・・」
「ちぇ・・・ベリーのいい子ぶりっこ・・・」
「むぅ・・・」
俺がこの味に苦戦したのと同じ具合に、15冊目と16冊目もこの味が苦手のようで、
ひそひそと小声でこんな感じに会話していた。
それを見たトリア先生は、俺達を見てクスクスと楽しそうに笑う。
過去の俺とかを思い出したんだろう。俺はなんだかそんな感じがした。
「今も昔も、男の子の本達はこのハーブ系の味が苦手みたいね。」
「そうなんですか?トリア先生?」
「ええ。今の十二も未だに嫌いみたいですし。ね?十二?」
「面目ないです。トリア先生。」
「えー?なんで十二はこの味嫌いなの?匂いもいいし、美味しいのに!」
「むしろトワはよく喰べれるよな・・・俺には苦い草としか思えないんだが・・・」
「僕も12冊目と同じ・・・苦い味しかわからないや・・・」
「俺もです・・・」
男の俺達は意見を一致させて団結していた。
それを見たトワはトリア先生と目を合わせて、すぐに笑い出す。
「ふふーん♪いいこと知っちゃった♪」
「トワ、何がいいことなんだよ・・・」
「十二がこんなに苦手なものがあるなんてさ♪トワ初めて知っちゃったもんね♪」
「お前・・・今後日本に帰っても、この味を何かあった時に、
俺に喰わせるつもりじゃないだろうな?」
俺はトワに弱点を知られたことに、恐怖を感じた。
この先、トワと喧嘩でもしたら、ここぞとばかりに腹いせに、
この味を食事に出してきそうで怖い。いや物凄くありそうで怖い。
俺とトワの会話を聞いて、15冊目達も同情の眼差しを俺に向けてくる。
それでもトワは俺に勝ち誇ったような顔をして、嬉しそうにしていた。
「十二も、ベリー君も、ダイス君も、この味を好きになれとは言わないけど、
平気くらいにはなった方がいいわね。いざと言う時の為にもね。」
急に真面目な顔になったトリア先生は、俺達にそう言う。
俺は何か不安を感じて、何故なのか理由を尋ねた。
するとトリア先生はある話を始めた。
「私達本喰人にはね、最悪の天敵がいるの。いえ、いたと言うべきかしら?」
「え?最悪の天敵ですか?」
「そう。私達全員の最悪の天敵、本喰蟲よ。」
「本喰・・・蟲?」
トワは急に虫の話題になったことで、顔を真っ青にさせて、
席を立って俺の側に近寄り、俺の背後に隠れた。
俺はやれやれと思いながら、腕をなんとか後ろに回し、
トワを安心させるように頭を撫でてやりながら、トリア先生の話を引き続き聞いた。
15冊目達も真面目な顔になって聞いている。
「ソロモニア一族同士が激しく争うようになった時に、生み出された生物だと聞くわ。
普通の本喰い虫とは違って、私達本喰人の核となる本だけを好んで食べるの。
どんなに能力を使って身体を守ろうとしても駄目なの。
その本喰蟲には効かない。だから最悪の天敵なのよ。」
「そんな・・・では、もしその本喰蟲に出会ってしまったら、
どうしたらいいんですか?」
15冊目は困り顔でトリア先生に質問している。
俺やトワ、16冊目も同じ気持ちだろう。
トリア先生は目を閉じて、その質問に答える。
「今の現在で、出会う事はないと思っているけれど、もしもその本喰蟲に出会ってしまったら・・・
不幸だったと思うしかないわね。」
「そんな・・・核となる本をむざむざとそいつらに喰われろと言うんですか?」
「ごめんなさい。言い方が悪かったわ。私では、その本喰蟲の対処法は知らないの。
知ってるとすれば、1冊目と2冊目、それから4冊目と6冊目辺りまでかしら?
私が知っているのは、その本喰蟲達はハーブ類の香りが大嫌いだと言う事だけなのよ。」
「ハーブ類の香りが嫌い?」
俺はトリア先生のその言葉を聞いて考えついた。
つまり、まずはその本喰蟲を自分に寄せ付けない為にも、
常にハーブ類を身体に取り込んでおく必要があるってことかと。