第9章「交錯しあう気持ちと確認」
俺は自身の能力を使って、親父がいるラスベガスにある、
親父の本拠地に辿り着いた。
そして俺達本喰人同士でしかわからない手順で、あるビルに入り、
親父がいるであろう部屋に向かう。
親父は日頃の態度に似合わず、実はかなり慎重な性格だった。
人間の前では、派手に豪快に振る舞って、明るく馬鹿騒ぎをしたりするが、
それは敵を欺く為の見せかけの姿だ。
親父は人間でいる時は、アメリカを中心とした巨大な裏組織の首領(ボス)でもある。
本人が言うには、その気になれば大統領暗殺なんか余裕らしい?
俺には人間の社会なんて興味がないので、どうでもいいことだが。
「今日は機嫌がいい日であることを願うだけだな・・・」
俺は気持ちを落ち着かせて、親父の気配がする部屋に入った。
そこにはいつもの光景が広がった。
「おーおー♪可愛いじゃないか!その服♪今年の最新のか?」
「うん♪パパが買い占めてくれた、あのブランドの子供服だよ♪」
「そうかーそうか♪」
「パパ!私のも見てよぉおお!」
「お?どうした?おお!これも可愛い服だな♪」
「あ、ハーフだ。」
「本当だ。半人前が来た。」
俺が親父の部屋に入ると、親父の眷属達が一気に俺に気付き、
つまらなさそうに俺を見た。
親父の方は、俺を笑顔で出迎えてはくれた。
どうやら今日は機嫌がいい日みたいで、俺はまずは助かった気持ちになった。
「なんだ?ハーフか。珍しいな。俺様が呼びもしないのに来るなんて。」
「実は報告したいことがありまして・・・」
俺がそう言うと、親父はニヤリと笑う。
「なんだ?なんだ?お前も年頃になったか?
俺様に彼女でも紹介したいって?」
「いや彼女なんていませんから。興味ないですし。」
「どうしてだ?!この世にどれだけの美女がいると思ってる!
勿体無いとは思わないのか!勿体無いとは!!」
「どういう理屈なんですか、それ・・・」
「俺様の部下でありながら、どうしようもない奴だ!
情けないとは思わないのか!自分の女の1人もいないとは!
だから半人前なんだ!お前は!」
「そうだーそうだ!だから半人前なんだ!」
「やーいやーい!半人前!半人前!」
「クソ・・・いきなり馬鹿にしやがって・・・」
俺は親父とその眷属達を思いっきり睨んでやった。
と言うか、こんな馬鹿にされに来たのではないのだ。
冷静になれ俺。負けるな俺。
「7冊目。真面目な話があって来ました。ちゃんと話を聞いて下さい。」
俺は本気の顔になって、親父にそう呼びかけた。
すると場の空気は一気に変わり、親父も本気の顔になる。
大きな高そうなソファーに座り、両膝に乗せていた眷属達に、
少し低めの声で言う。
「大事な話みたいだな・・・ダイアナ、グレーシズ。
自分達の部屋に帰りな。」
「ちぇ・・・せっかくパパといられるのに・・・」
「行こう・・・ダイアナ・・・」
「うん・・・」
ダイアナとグレーシズは渋々と親父に言われて、親父の膝から下りて、自分達の部屋に戻った。
帰り際にダイアナとグレーシズに睨まれたが、こればかりはしょうがない。
俺だって、大事な用があって来たのだ。
それに本気の親父に逆らっていいことがないとわかっているのは、彼女らも同じだ。
俺もこの張りつめた空気に、自分が言い出したこととは言え、
後悔したい気分になったとこだった。
親父の本拠地に辿り着いた。
そして俺達本喰人同士でしかわからない手順で、あるビルに入り、
親父がいるであろう部屋に向かう。
親父は日頃の態度に似合わず、実はかなり慎重な性格だった。
人間の前では、派手に豪快に振る舞って、明るく馬鹿騒ぎをしたりするが、
それは敵を欺く為の見せかけの姿だ。
親父は人間でいる時は、アメリカを中心とした巨大な裏組織の首領(ボス)でもある。
本人が言うには、その気になれば大統領暗殺なんか余裕らしい?
俺には人間の社会なんて興味がないので、どうでもいいことだが。
「今日は機嫌がいい日であることを願うだけだな・・・」
俺は気持ちを落ち着かせて、親父の気配がする部屋に入った。
そこにはいつもの光景が広がった。
「おーおー♪可愛いじゃないか!その服♪今年の最新のか?」
「うん♪パパが買い占めてくれた、あのブランドの子供服だよ♪」
「そうかーそうか♪」
「パパ!私のも見てよぉおお!」
「お?どうした?おお!これも可愛い服だな♪」
「あ、ハーフだ。」
「本当だ。半人前が来た。」
俺が親父の部屋に入ると、親父の眷属達が一気に俺に気付き、
つまらなさそうに俺を見た。
親父の方は、俺を笑顔で出迎えてはくれた。
どうやら今日は機嫌がいい日みたいで、俺はまずは助かった気持ちになった。
「なんだ?ハーフか。珍しいな。俺様が呼びもしないのに来るなんて。」
「実は報告したいことがありまして・・・」
俺がそう言うと、親父はニヤリと笑う。
「なんだ?なんだ?お前も年頃になったか?
俺様に彼女でも紹介したいって?」
「いや彼女なんていませんから。興味ないですし。」
「どうしてだ?!この世にどれだけの美女がいると思ってる!
勿体無いとは思わないのか!勿体無いとは!!」
「どういう理屈なんですか、それ・・・」
「俺様の部下でありながら、どうしようもない奴だ!
情けないとは思わないのか!自分の女の1人もいないとは!
だから半人前なんだ!お前は!」
「そうだーそうだ!だから半人前なんだ!」
「やーいやーい!半人前!半人前!」
「クソ・・・いきなり馬鹿にしやがって・・・」
俺は親父とその眷属達を思いっきり睨んでやった。
と言うか、こんな馬鹿にされに来たのではないのだ。
冷静になれ俺。負けるな俺。
「7冊目。真面目な話があって来ました。ちゃんと話を聞いて下さい。」
俺は本気の顔になって、親父にそう呼びかけた。
すると場の空気は一気に変わり、親父も本気の顔になる。
大きな高そうなソファーに座り、両膝に乗せていた眷属達に、
少し低めの声で言う。
「大事な話みたいだな・・・ダイアナ、グレーシズ。
自分達の部屋に帰りな。」
「ちぇ・・・せっかくパパといられるのに・・・」
「行こう・・・ダイアナ・・・」
「うん・・・」
ダイアナとグレーシズは渋々と親父に言われて、親父の膝から下りて、自分達の部屋に戻った。
帰り際にダイアナとグレーシズに睨まれたが、こればかりはしょうがない。
俺だって、大事な用があって来たのだ。
それに本気の親父に逆らっていいことがないとわかっているのは、彼女らも同じだ。
俺もこの張りつめた空気に、自分が言い出したこととは言え、
後悔したい気分になったとこだった。