第9章「交錯しあう気持ちと確認」
ジェシーはアメリカにある大学に通う為に、
育ての親がいる日本からアメリカに再度戻って来た。
生まれは元々アメリカだったが、諸々の事情で両親を亡くし、
日本人とアメリカ人のハーフだった父親の遠い親戚を頼り、
日本で引き取られ数年過ごしたことがある。
そこで日本のアニメや漫画などに触れて、同人活動なるものにもハマり、
アメリカに帰って来た後も、趣味で小説やらイラストをやっていたら、
ある出版社の人間の目に留まり、デビューしたのだ。
しかし、まだ大学生なのもあって、本格的なデビューはしていない。
期待は凄くされてるけどな。なんせ彼女の父親は有名な小説家だったと
知られてしまったのもあって。
今は大学卒業するまでは、スローペースで、
俺に食事として提供してくれる探偵ものの話を書いている。
俺の仕事の話を参考に書いたりしてるのもあって、
リアリティがあって良い!と、思いの外評判がいいらしい?
「ねぇねぇ・・・ハーフ・・・ちょっといい?」
「なんだよ。その気持ち悪い声は・・・」
俺がリビングで、雑誌を読んでいるとジェシーは、しおらしい態度で俺の側に来て、
猫撫で声を出して寄ってくる。
こういう時は決まって、俺に面倒な頼みごとをしてくる時だ。
俺は半目になって軽く睨んでいると、ジェシーはレポート用紙を
握りしめて、
もじもじとしながらも、何かを言うのを躊躇っている。
あーそろそろ、そんな時期か?と俺はすぐに察した。
「まさか、また例の大学のレポートの手伝いをしろとか言うんじゃないだろうな?え?」
「そのまさかなの!!!お願い!手伝って下さい!ハーフ先生!」
「何がハーフ先生だ!」
「お願い!一生のお願いなの!じゃないと、私、卒業出来なくなっちゃう!
ね?ね?今度さ!ハーフの為だけのお話書くから!ね?」
「全く、お前は何度目の一生のお願いなんだよ?
そのうち100万回死んだ作家にでもなるつもりか?」
「なにそれ?」
ジェシーは俺の冗談が解らないのか、キョトンとした顔で首を横にした。
ジェシーには知らない作品だったか・・・
俺は自分だけが滑った状態になって、ちょっとイラっとしたが、
再度ジェシーに小言を言ってやった。
「あのなぁ・・・お前を守るのは俺の役目だからするが、
家庭教師になったつもりはねぇぞ?
それに自分の力でやらなきゃ、宿題の意味がないんじゃないのか?」
「ふーん・・・そういうこと言うんだ?」
ジェシーは意味有り気な顔で俺をじろりと見て、レポート用紙で自分の口元を隠す。
なんだ?その仕草は・・・
「俺は間違ったことは言ってないつもりだが?」
「なら、今後はハーフの希望する作品を私が作れなくてもいいんだ?」
「待てよ。何でそんな話になる?」
「だってそうじゃん。私が大学に卒業出来なかったら、
今のゆとりのある生活が出来なくなるわけでしょ?
最悪、私もバイトとかしなくちゃいけなくなるかもしれないし、
そうしたら今後はいくらハーフが私に泣きついてきても、
小説を書く時間がなくなりそうだしなぁ~~~???」
「クソ、卑怯だぞ!俺の食事を人質に取るつもりか!!!」
俺はジェシーの姑息な取引に応じるしかなくなった。
ちょっと反省させるつもりで言っただけで、本当は手伝ってやろうと思っていたのに。
後味を悪くさせる女だ、こいつは!!!
育ての親がいる日本からアメリカに再度戻って来た。
生まれは元々アメリカだったが、諸々の事情で両親を亡くし、
日本人とアメリカ人のハーフだった父親の遠い親戚を頼り、
日本で引き取られ数年過ごしたことがある。
そこで日本のアニメや漫画などに触れて、同人活動なるものにもハマり、
アメリカに帰って来た後も、趣味で小説やらイラストをやっていたら、
ある出版社の人間の目に留まり、デビューしたのだ。
しかし、まだ大学生なのもあって、本格的なデビューはしていない。
期待は凄くされてるけどな。なんせ彼女の父親は有名な小説家だったと
知られてしまったのもあって。
今は大学卒業するまでは、スローペースで、
俺に食事として提供してくれる探偵ものの話を書いている。
俺の仕事の話を参考に書いたりしてるのもあって、
リアリティがあって良い!と、思いの外評判がいいらしい?
「ねぇねぇ・・・ハーフ・・・ちょっといい?」
「なんだよ。その気持ち悪い声は・・・」
俺がリビングで、雑誌を読んでいるとジェシーは、しおらしい態度で俺の側に来て、
猫撫で声を出して寄ってくる。
こういう時は決まって、俺に面倒な頼みごとをしてくる時だ。
俺は半目になって軽く睨んでいると、ジェシーはレポート用紙を
握りしめて、
もじもじとしながらも、何かを言うのを躊躇っている。
あーそろそろ、そんな時期か?と俺はすぐに察した。
「まさか、また例の大学のレポートの手伝いをしろとか言うんじゃないだろうな?え?」
「そのまさかなの!!!お願い!手伝って下さい!ハーフ先生!」
「何がハーフ先生だ!」
「お願い!一生のお願いなの!じゃないと、私、卒業出来なくなっちゃう!
ね?ね?今度さ!ハーフの為だけのお話書くから!ね?」
「全く、お前は何度目の一生のお願いなんだよ?
そのうち100万回死んだ作家にでもなるつもりか?」
「なにそれ?」
ジェシーは俺の冗談が解らないのか、キョトンとした顔で首を横にした。
ジェシーには知らない作品だったか・・・
俺は自分だけが滑った状態になって、ちょっとイラっとしたが、
再度ジェシーに小言を言ってやった。
「あのなぁ・・・お前を守るのは俺の役目だからするが、
家庭教師になったつもりはねぇぞ?
それに自分の力でやらなきゃ、宿題の意味がないんじゃないのか?」
「ふーん・・・そういうこと言うんだ?」
ジェシーは意味有り気な顔で俺をじろりと見て、レポート用紙で自分の口元を隠す。
なんだ?その仕草は・・・
「俺は間違ったことは言ってないつもりだが?」
「なら、今後はハーフの希望する作品を私が作れなくてもいいんだ?」
「待てよ。何でそんな話になる?」
「だってそうじゃん。私が大学に卒業出来なかったら、
今のゆとりのある生活が出来なくなるわけでしょ?
最悪、私もバイトとかしなくちゃいけなくなるかもしれないし、
そうしたら今後はいくらハーフが私に泣きついてきても、
小説を書く時間がなくなりそうだしなぁ~~~???」
「クソ、卑怯だぞ!俺の食事を人質に取るつもりか!!!」
俺はジェシーの姑息な取引に応じるしかなくなった。
ちょっと反省させるつもりで言っただけで、本当は手伝ってやろうと思っていたのに。
後味を悪くさせる女だ、こいつは!!!