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第9章「交錯しあう気持ちと確認」

「あれ?早く帰って来たね?もう仕事終わりなの?」
「いいや、まだもう1回仕事に行って来る。今から変装の用意するから、話しかけるなよ?」
「え?あ、うん。わかった、じゃー私はまた小説書くから。邪魔しないでおくわ。」
「ああ、そうしてろ。」

俺はまず先に自宅に戻り、ジェシーに声を掛けられたが、簡単に返事して自室に籠った。

「あの優柔不断野郎が好きそうなタイプの女は・・・」

俺は家にあったジェシーが過去に読んでいた雑誌から、変装に向いてそうな女を探した。
数分して、あるページを引き千切り、俺はそのページを食べた。
そして俺はそのページに載っていた女の姿に変化した。

「うーん、後はこの姿にスーツ着て、化粧はこれくらいにして・・・」

と俺なりに悩みながら、10分後には完璧に変装が終わった。
そして、部屋から出るとジェシーが歓喜の声を上げた。

「わぉー♪凄い!今回もめっちゃ美人じゃん♪」
「でしょ?今回は仕事の出来る女シリーズから選んで見たわ♪」
「あ!それ私が小説の参考に買った雑誌じゃん!あれ喰べちゃったの?!」
「何よ!前に貴女が捨てるから、欲しかったらあげる!って言ってくれた雑誌を食べたのよ?」
「あーあれかーならいいや。アレ1年前の特集のだよ?」
「いいのよ。少しくらいブーム遅れたって。何度もなる姿じゃないだろうし。」
「ふーん。そうなの?いつも思うけど、勿体無いなぁ・・・」
「ジェシーはもう少し女を磨くべきね。
どうせまだ若いからって、肌とかのお手入れを怠ってると
すぐおばさんになっちゃうわよ?」
「むう!ハーフは能力ですぐ美女になれるクセにズルいよ!」

ジェシーは美女に変装した俺に、プンプンと年相応に怒る。
本喰人の能力をジェシーは毎度のことで羨ましがるが、俺的には困るんだよな。
こんな能力があるからこそ、人間であるジェシーでは想像つかない、
本喰人同士の戦いがあって、共喰いし合う危険さえあるのだ。
それはどこの国に居ようが、どれだけ治安のいい場所に居ようが関係ない。
出会った本喰人次第なのだ。
そんな生活があるのをジェシーは、
まだきちんと理解は出来てないだろうな。

「とにかく!貴女と口論してる場合じゃないわ!仕事に行って来るから!」
「はいはいーそうだったね。いってらっしゃーいー」

ジェシーはまだ少し怒ってる顔をしながらも、女に変装した俺を見送った。
よし!この姿になって、あの優柔不断野郎から、しっかりと依頼料貰ってやるからな!
それでそれをビックに渡せれば、流石に今日はそれで仕事を終わりにしてもいいよな?

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