第9章「交錯しあう気持ちと確認」
俺は過去の自分の眷属のことも必死に思い出そうとしたが、
やっぱり全然思い出せなかった。
イレーネのことは夢とかで、少しは思い出せたのになぁ・・・
酷い扱いをしてたくらいだから、記憶にもないのか?
それとも過去の俺が思い出したくないのか?
俺は今日ほど、もどかしい気持ちになったことがない。
「あ!そうだわ!彼の写真なら数枚だけあるわ!」
「え!本当ですか!トリア先生!」
「ちょっと自室に取りに行って来るわ!待ってって!」
「はい!」
俺はトリア先生の言葉に期待が高鳴った。
その写真を見て、過去の自分の眷属を見れば、きっと何か思い出せると思ったのだ。
数分もしない内にトリア先生は戻ってきて、古びた1枚の写真を俺に渡した。
「彼が過去の貴方の眷属よ。過去の貴方が呼んでいた時は、
エオって呼んでいたわね。」
「エオ・・・こいつが・・・」
俺はトリア先生から写真を受け取り、過去の俺の眷属を見た。
何とも生意気そうな顔で、こちらを睨んでいる写真だった。
トリア先生の言うように、まだ15歳前後だろうか?
歳的にはトワが違いかもしれない。
「こいつは今でも一応は、トリア先生の眷属なんですか?」
「いいえ。もう私の眷属ではなくなっているわね。
多分だけれど、本喰人に昇格したんだと思うわ。」
「どうして、そう思われるんですか?」
「私の力が通じないからよ。連絡が取れなくなった時に、どうしても心配だから、
呼び戻そうとしたの何度も・・・」
「でも出来なかった・・・だから眷属ではなくなったと?」
「そう。同じ本喰人になったのなら、私の力は通じないわ。」
「そういうことか・・・」
「10冊目にも探してもらったこともあったの。そしたら、
それらしい本喰人がアメリカに行ったかもしれないらしいの・・・
けど、それがわかったきりね。今の現状は・・・」
「アメリカに渡ったかもしれないのか・・・こいつは・・・」
俺は写真のこいつをじーっと見たが、それでも何も思い出せなかった。
「こいつは勝手にトリア先生の元からいなくなったんですか?」
「勝手にじゃないわ・・・実は十二、今の貴方の様子を見に行きたいとせがまれたのよ。
それで許してあげて、日本に向かったはずなのよね・・・」
「え?えええ?!」
俺は写真から視線を、トリア先生に戻してから驚いた。
「今の俺に会いに来る予定だったんですか?!こいつは?!」
「こら!十二ったら!こいつはって酷い言い方して!エオ君よ!」
「あ、すいません。エオは俺に会いに来るはずだったんですか?」
「そうなの。どうしても会いたいって。会いたいと言うか、姿を見るだけだからって。」
「うーん・・・姿を見ておきたいって・・・」
新しく生まれ変わった俺を見たいとは、一体何の意味があるんだろうか?
もしかして、俺はエオに会っているかもしれないのか?
俺は色々と考えてみたが、どうにも納得のいく答えは出なかった。
「会って話してみたいとかなら、まだわかるんですけどねぇ・・・
だた俺を見たいって、どんな意味があるんですかねぇ?」
「私も聞いてみたんだけどね、エオ君が言うには、
過去の貴方に区切りをつけたかったそうよ。」
「過去の俺に区切りを・・・」
「そう。今の貴方を見て、自分の気持ちに整理をつけたかったのかもしれないわ。
あの子は、自分の感情をあまり言う子ではなかったから。
私にはそんな感じがするの。」
トリア先生はエオの映ってる写真を俺から再度受け取ると、
まるで母親のように心配した顔で写真を見ていた。
今でも行方不明になってしまった、エオが心配なのだろう。
俺も俺が悪いわけではないのだが、申し訳ない気持ちになっていた。
そのエオは現在どうなったのだろうか・・・
俺は複雑な気持ちのままだった。
やっぱり全然思い出せなかった。
イレーネのことは夢とかで、少しは思い出せたのになぁ・・・
酷い扱いをしてたくらいだから、記憶にもないのか?
それとも過去の俺が思い出したくないのか?
俺は今日ほど、もどかしい気持ちになったことがない。
「あ!そうだわ!彼の写真なら数枚だけあるわ!」
「え!本当ですか!トリア先生!」
「ちょっと自室に取りに行って来るわ!待ってって!」
「はい!」
俺はトリア先生の言葉に期待が高鳴った。
その写真を見て、過去の自分の眷属を見れば、きっと何か思い出せると思ったのだ。
数分もしない内にトリア先生は戻ってきて、古びた1枚の写真を俺に渡した。
「彼が過去の貴方の眷属よ。過去の貴方が呼んでいた時は、
エオって呼んでいたわね。」
「エオ・・・こいつが・・・」
俺はトリア先生から写真を受け取り、過去の俺の眷属を見た。
何とも生意気そうな顔で、こちらを睨んでいる写真だった。
トリア先生の言うように、まだ15歳前後だろうか?
歳的にはトワが違いかもしれない。
「こいつは今でも一応は、トリア先生の眷属なんですか?」
「いいえ。もう私の眷属ではなくなっているわね。
多分だけれど、本喰人に昇格したんだと思うわ。」
「どうして、そう思われるんですか?」
「私の力が通じないからよ。連絡が取れなくなった時に、どうしても心配だから、
呼び戻そうとしたの何度も・・・」
「でも出来なかった・・・だから眷属ではなくなったと?」
「そう。同じ本喰人になったのなら、私の力は通じないわ。」
「そういうことか・・・」
「10冊目にも探してもらったこともあったの。そしたら、
それらしい本喰人がアメリカに行ったかもしれないらしいの・・・
けど、それがわかったきりね。今の現状は・・・」
「アメリカに渡ったかもしれないのか・・・こいつは・・・」
俺は写真のこいつをじーっと見たが、それでも何も思い出せなかった。
「こいつは勝手にトリア先生の元からいなくなったんですか?」
「勝手にじゃないわ・・・実は十二、今の貴方の様子を見に行きたいとせがまれたのよ。
それで許してあげて、日本に向かったはずなのよね・・・」
「え?えええ?!」
俺は写真から視線を、トリア先生に戻してから驚いた。
「今の俺に会いに来る予定だったんですか?!こいつは?!」
「こら!十二ったら!こいつはって酷い言い方して!エオ君よ!」
「あ、すいません。エオは俺に会いに来るはずだったんですか?」
「そうなの。どうしても会いたいって。会いたいと言うか、姿を見るだけだからって。」
「うーん・・・姿を見ておきたいって・・・」
新しく生まれ変わった俺を見たいとは、一体何の意味があるんだろうか?
もしかして、俺はエオに会っているかもしれないのか?
俺は色々と考えてみたが、どうにも納得のいく答えは出なかった。
「会って話してみたいとかなら、まだわかるんですけどねぇ・・・
だた俺を見たいって、どんな意味があるんですかねぇ?」
「私も聞いてみたんだけどね、エオ君が言うには、
過去の貴方に区切りをつけたかったそうよ。」
「過去の俺に区切りを・・・」
「そう。今の貴方を見て、自分の気持ちに整理をつけたかったのかもしれないわ。
あの子は、自分の感情をあまり言う子ではなかったから。
私にはそんな感じがするの。」
トリア先生はエオの映ってる写真を俺から再度受け取ると、
まるで母親のように心配した顔で写真を見ていた。
今でも行方不明になってしまった、エオが心配なのだろう。
俺も俺が悪いわけではないのだが、申し訳ない気持ちになっていた。
そのエオは現在どうなったのだろうか・・・
俺は複雑な気持ちのままだった。