第9章「交錯しあう気持ちと確認」
「話を戻すけれど、私と1冊目が2冊目と激しく対立することになったのは、
私達を生み出した一族に対する考え方が変わってきたからなの。」
「俺達を生み出した一族に対する考え方ですか?
それはどんな風に変わったのですか?」
「最初は私達全員が、私達を生み出した一族・・・ソロモニアと言うのだけれど、
ソロモニア家を復興しようと考えていた。
ソロモニア家はね、魔術とも言えるべき力で時代ごとに主を変えて、
裏側から権力者に仕えていたの。
力が力だけに、表の舞台に出ることは極力控えていたのね。」
「うんうん。」
「だけど、やっぱり時代が進むにつれて、裏側から仕えていたとしても、
組織としては巨大になったソロモニア家を潰そうとする者達が現れてしまった。
ソロモニア家は分家も多く存在していてね、自分の家を本家に
格上げしたいって思う分家も出てきてしまったのね。」
「なるほど。と言う事は、敵の策略にわざと一緒に乗っかって、
一部の分家からも裏切り者が出た感じですか?」
「簡単に言うとそうね。そんないがみ合いなどが複数重なって、
ソロモニア家の本家はわずか3代で終わる事になるわ。」
「ふぅ・・・いつの時代も人間は権力争いが好きですね。」
「そうね。私達を生み出してくれた一族であってもね。」
呆れる俺に、トリア先生もやや呆れ顔で同調する。
トリア先生も内心では、人間の欲望に哀れみを感じながらも、最後には呆れているのだろう。
俺にはそう感じられた。
「では、そんなソロモニアを復興させたいと最初は思っていたのに、
どうしてその意見が分かれることになったんですか?」
「それはね。亡くなった初代の遺言の手紙を預かっていた者が現れたからなの。」
「初代の遺言の手紙ですか?」
「そうなの。その手紙で初代はね、当主の座を狙って一族同士が醜い争いをして、
お互いを殺し合うようなことになるのなら、一族が滅亡しても、
その後は復興はしなくて良いと書かれていたわ。
それから、後の人類に禍を残すような事をする一族の者には、
本喰人から監視され、場合によっては排除されるように願うともね。」
「それはまた・・・」
凄い話だと感心すると同時に物騒な事も後世に頼んだものだと、
俺は心の中で思った。
それにしても、初代は自分の後の代の事もしっかり考えられる人物だったんだな。
俺達本喰人なる存在を最初に作り出した人物なのだから、只者でないのは間違いないだろうが。
それにしてもやり手な気がしてならない。
今の俺なら、会える機会があったのなら、初代に会ってみたかったなぁ・・・
「じゃあ、その初代の遺言の手紙が出て来たことで、
3冊目達は2冊目と意見が分かれたわけですね?」
「そう。2冊目はね、初代がそう手紙で残そうとも、ソロモニア家の復興を、
継続すべきだと主張したわ。」
「え?2冊目の方がそう言ったのですか?」
俺はてっきり3冊目達の方が、ソロモニア家の復興をさせたい側だと、
考えていたので驚いた。
だってそうではないか、今の2冊目は自分以外の本喰人を殺そうとしているのだ。
ソロモニア家を復興するのに、多くの本喰人を殺そうとするなんて損しかない気がする。
本気で一族を復興させるのなら、本喰人の力を利用しない手はないではないか。
俺はそう考えてはみたが、それでも今の2冊目の行動を理解するには、
到底無理だと感じた。
まだまだ情報が足りない気がする。
私達を生み出した一族に対する考え方が変わってきたからなの。」
「俺達を生み出した一族に対する考え方ですか?
それはどんな風に変わったのですか?」
「最初は私達全員が、私達を生み出した一族・・・ソロモニアと言うのだけれど、
ソロモニア家を復興しようと考えていた。
ソロモニア家はね、魔術とも言えるべき力で時代ごとに主を変えて、
裏側から権力者に仕えていたの。
力が力だけに、表の舞台に出ることは極力控えていたのね。」
「うんうん。」
「だけど、やっぱり時代が進むにつれて、裏側から仕えていたとしても、
組織としては巨大になったソロモニア家を潰そうとする者達が現れてしまった。
ソロモニア家は分家も多く存在していてね、自分の家を本家に
格上げしたいって思う分家も出てきてしまったのね。」
「なるほど。と言う事は、敵の策略にわざと一緒に乗っかって、
一部の分家からも裏切り者が出た感じですか?」
「簡単に言うとそうね。そんないがみ合いなどが複数重なって、
ソロモニア家の本家はわずか3代で終わる事になるわ。」
「ふぅ・・・いつの時代も人間は権力争いが好きですね。」
「そうね。私達を生み出してくれた一族であってもね。」
呆れる俺に、トリア先生もやや呆れ顔で同調する。
トリア先生も内心では、人間の欲望に哀れみを感じながらも、最後には呆れているのだろう。
俺にはそう感じられた。
「では、そんなソロモニアを復興させたいと最初は思っていたのに、
どうしてその意見が分かれることになったんですか?」
「それはね。亡くなった初代の遺言の手紙を預かっていた者が現れたからなの。」
「初代の遺言の手紙ですか?」
「そうなの。その手紙で初代はね、当主の座を狙って一族同士が醜い争いをして、
お互いを殺し合うようなことになるのなら、一族が滅亡しても、
その後は復興はしなくて良いと書かれていたわ。
それから、後の人類に禍を残すような事をする一族の者には、
本喰人から監視され、場合によっては排除されるように願うともね。」
「それはまた・・・」
凄い話だと感心すると同時に物騒な事も後世に頼んだものだと、
俺は心の中で思った。
それにしても、初代は自分の後の代の事もしっかり考えられる人物だったんだな。
俺達本喰人なる存在を最初に作り出した人物なのだから、只者でないのは間違いないだろうが。
それにしてもやり手な気がしてならない。
今の俺なら、会える機会があったのなら、初代に会ってみたかったなぁ・・・
「じゃあ、その初代の遺言の手紙が出て来たことで、
3冊目達は2冊目と意見が分かれたわけですね?」
「そう。2冊目はね、初代がそう手紙で残そうとも、ソロモニア家の復興を、
継続すべきだと主張したわ。」
「え?2冊目の方がそう言ったのですか?」
俺はてっきり3冊目達の方が、ソロモニア家の復興をさせたい側だと、
考えていたので驚いた。
だってそうではないか、今の2冊目は自分以外の本喰人を殺そうとしているのだ。
ソロモニア家を復興するのに、多くの本喰人を殺そうとするなんて損しかない気がする。
本気で一族を復興させるのなら、本喰人の力を利用しない手はないではないか。
俺はそう考えてはみたが、それでも今の2冊目の行動を理解するには、
到底無理だと感じた。
まだまだ情報が足りない気がする。