このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

第9章「交錯しあう気持ちと確認」

その日の夜に俺はトリア先生と2冊きりで話すことになった。
トワが自分も一緒に話を聞きたいと我が儘を言い出さないか不安はあったが、
その心配はどうやら不要なようだ。
トワは15冊目達とまた何やら今度は、カードゲームをして遊ぶ予定らしい。
夜食もちゃっかり用意して、長時間遊ぶつもりらしいな。

「トワ。15冊目達が相手にしてくれるからって、迷惑は掛けるなよ?」
「わ、わかってるもん!それにこのゲームしたいって言ってくれたのは、ダイス君だもん!」
「ならいいが・・・それにしても・・・」

俺はトワと会話をして改めて思った。
どうして、15冊目がベリーで16冊目がダイスと言う名前なんだ?
ここでは偽名でそう呼び合っているのだろうか?

「なぁ、トワ?」
「ん?何?」
「どうして16冊目をダイスと呼んで、15冊目はベリーって呼ぶんだ?何か聞いてるか?」
「え?うんん。トワは何も聞いてないし、知らないよ。
それにその名前でトリア先生も彼らの事を呼んでたし、何か問題でもあるの?」
「いや、問題はないんだ。俺がちょっと気になってな。」
「?」

トワは俺の話を不思議そうな顔をして聞く。
が、数分後には15冊目達の部屋に遊びに行った。
俺はトワがいなくなってから、トリア先生の部屋を訪ねた。

「さて・・・何から話したらいいかしらね・・・」
「そうですね・・・」

俺はトリア先生と、トリア先生の部屋にあるテーブルに向かい合って座り、
最初にして欲しい話に悩んだ。
正直言って聞きたい事があり過ぎるのだ。
トリア先生さえも、まずは何から話すべきか悩むほどに。

「私的には過去の自分の事を、最初に知るべきじゃないかと思うのだけれど、
十二はどう思う?」

俺はトリア先生にそう言われ、覚悟を決めていたつもりではあったが、
それでも心臓がドキっとした。
過去の最低だったと言われる自分の話を、トリア先生の口から聞くのは、
やっぱり辛いものがある。
だが、俺は聞かなければならないのだ。
今後の2冊目と戦っていく上でも大事な情報だから。

「はい。それで良いと思います。トリア先生。」

俺は再度覚悟を決めた目でトリア先生を見つめた。
トリア先生も俺の気持ちがわかったらしく、目を閉じて、深呼吸をする。
トリア先生も過去の俺の話をするのは、少し緊張しているようだ。

「では、12冊目の過去の話をしていくわね。」

トリア先生は静かに目を開けて、静かに語り出した。
外の夜と同じような静けさの中で、俺はトリア先生から話を聞くことになった。
俺はトリア先生の話を聞くことで、自分の過去を思い出していくことだろう。
そうした時に、俺にどんな心境の変化が起こるかは、俺にも想像出来ない。
頼むから、この場で急に戦闘狂に戻ることだけはしたくないな。
和解出来た15冊目達にも迷惑は掛けたくないし、トワに心配もさせたくない。
俺は自分の精神をしっかり保つようにして、トリア先生の話を聞く。
2/80ページ
スキ