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第2章「共同戦線」

ある日の夜に、俺はトワに、こんな事を突然言われる。

「最近の十二は、凄く嬉しそうだね。」
「そうか?俺は至って、いつも通りで普通だと思うが?」

トワは何故だが、拗ねた感じの顔で俺を見てくる。
俺には、トワが何でそうなるのか、さっぱりわからない。
トワも、俺が二四や、ゴートンの面倒を見ることになった時、
文句など言いながらも、2冊達とは、仲良くなっていってたから、
本当は嬉しかったのだろうと思ったが。

「まさか、嫉妬してるのか?」

俺は冗談半分で、トワに言うと、トワは顔を真っ赤にして、怒りだす。

「それはそうだよ!だって、トワには、まだ教えてくれない事を、
二四とか、ゴートンに教えてるんでしょ?!」
「それは、あいつらとは、いずれは別れるんだから、教えてやれることは、教えるだろ?」
「じゃーなんで、トワには教えてくれないの?」

トワはまるで拗ねた子供のようだった。本当こんなに、
嫉妬しているとは思わず、俺も内心は驚いた。

「トワは、まだ自立しないだろう?それとも、早く自立したいのか?」
「そういうわけじゃないけど・・・」
「なら、あいつらを先に自立させてやらなきゃだろう?
それに、13冊目の願いだからな。手助けしてやるのは。」
「むぅ・・・それだよ!それ!13冊目ってどんな本なの?!」
「え?」

トワは意外な所で俺に噛みつく。13冊目のことを気にしてたのか?

「13冊目は、俺の・・・そうだなぁー人間で言えば、幼馴染みたいなもんか?
なんで、そんな事を気にするんだ?」
「十二の大事な・・・本だったの?」
「トワ・・・お前・・・」

俺は、トワが、もうそんな事を気にする歳の本になったのかと、考えた。
いや、俺の予想ではゴートンに悪影響を受けたのではないかと。

「恋愛系の本ばっかり、食べ過ぎてるんじゃないのか?
俺は13冊目とは、そういう関係じゃない。それに、13冊目は、
残念だが、この世にいない。」
「え?そうだったの?」
「そうだ。あいつらの面倒を見るのは、13冊目の最後の願いみたいなもんだ。
それから、二四の前で、13冊目の事は言うなよ?
二四は、13冊目に育てられたんだ、今のお前みたいな。」
「そうだったんだ・・・ごめんなさい。」

トワは、俺の言葉で、自分が間違った勘違いしてたことが、わかったようだ。
すぐに誤解が解けたから、可愛い嫉妬みたいなので済んで良かったが、
もしこれが、36冊目の事だったら、どうなるかと思うと、
俺は少し寒気がした。

「じゃあ、いつかは、トワにも、ちゃんと色々教えてくれる?」
「ああ、みっちり教えてやるさ。トワが自立すると決めて、
俺から旅立ちたいって思った時にはな。」
「うん。わかった。変な事言って、ごめんなさい。」

トワは可愛く、俺に謝罪をした。こういう時は、俺も、
何だか娘が出来たみたいで気恥ずかしさを感じた。
それにしても、トワに余計な事を吹き込んでそうな、ゴートンには、
確認して、お仕置きしてやらねばとも、俺は思った。

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