第8章「1つには出来ない解答(こたえ)」
「二四もやっと、その系の本が喰べれるようになったね♪」
「一三・・・ぼ、僕だって!苦手なジャンルを克服しようと、いつも思ってるもん!」
私は一三の事を想い出していた。小さい頃はよく一三と口喧嘩もしたものだ。
そうなるのも、いつも一三が私をからかうからなのだ。
私をからかってくる時の一三は、姉のような感じに近いかもしれない。
イタズラ好きのお姉ちゃんのような。
「へぇー?そう?じゃあ、今日はこの本も喰べれるってことかしら?ほら♪」
「げっ?!よりにもよって・・・これ?!」
一三は苦手なジャンルの本を克服しようとする私に、
その時は最も苦手だった専門家用と言うのか、
素人向けではないレベルの参考書を私の目の前に置いた。
無理矢理にでも、喰べれなくないはないが、
それでも体調を崩しかねないレベルの本であることは間違い。
「どうしたの?二四は苦手なジャンルも克服しようと思ったんでしょ?」
「そうは言ったけど、いきなりこんな苦そうな本は嫌だよ!
もし気持ち悪くなったら、どーするのさ!!」
「もう!二四は我が儘なんだから!さっきは頑張るって言ったくせに!」
「一三が意地悪すぎるんだ!!!こんな難しそうな本・・・」
「ふん!二四ったら!可愛くない!もう、二四なんか知らない!」
「え・・・やだやだ!ごめんなさい!許して一三!!」
一三はいつものように、不貞腐れた振りをして、私からぷいっと顔を背ける。
それを見た私は、一三に嫌われたくなくて、すぐに謝ってしまう。
今では何とも情けない話だが、あの頃の私は一三だけが何よりも頼りだったのだ。
そして救いでもあった。一三とはどんなに喧嘩しようとも、
私は一三の事が大好きで、大事な存在だったのだから。
「えへへ、嘘よ。二四。先にこっちの本を喰べてみて?
それなら喰べやすいと思うから。ね?」
「う、うん・・・あ、本当だ。喰べやすいかも・・・」
「でしょ♪意地悪してごめん♪こっちも喰べやすい本だと思うから挑戦してみようか?」
「うん!僕、これなら頑張れそうだよ!一三!」
「うんうん♪その調子だよ!二四!ファイト♪」
最後は一三も謝ってくれて、私の為になるように、いつも世話をしてくれた。
男の本だからと、一三が色々と気遣ってくれたことは、今になってなら、凄くわかる事も多い。
こんな経験もあって、私は理数系の本は、克服出来て、今では好きなジャンルになった程だ。
「いつか二四を、あいつに会わせないとね。」
「あいつ?あいつって誰?」
「12冊目よ。あいつなら、きっと今後の二四の良い男の先輩に
なってくれそうだからね♪」
「先輩?先輩って何?」
「今は知らなくてもいいの♪それにいきなり12冊目に会いに行って、
二四のことを言ったら・・・
あいつ、面倒臭いとか言って逃げそうだからね。
あいつと会う時は作戦を立ててからじゃないと・・・」
「?変な一三?」
私はこの時は幼過ぎて、一三が何を言っているのか、さっぱりな状態だった。
ただ悩む顔の一三が面白くて、一緒に首を傾げて悩んだ振りをしたりしてた。
この時に、一三から十二先輩の話を聞いていなければ、私やゴートンは、
あの時、最後の最後には18冊目に殺されていただろう。
一三には今だって感謝しかない。
「一三・・・ぼ、僕だって!苦手なジャンルを克服しようと、いつも思ってるもん!」
私は一三の事を想い出していた。小さい頃はよく一三と口喧嘩もしたものだ。
そうなるのも、いつも一三が私をからかうからなのだ。
私をからかってくる時の一三は、姉のような感じに近いかもしれない。
イタズラ好きのお姉ちゃんのような。
「へぇー?そう?じゃあ、今日はこの本も喰べれるってことかしら?ほら♪」
「げっ?!よりにもよって・・・これ?!」
一三は苦手なジャンルの本を克服しようとする私に、
その時は最も苦手だった専門家用と言うのか、
素人向けではないレベルの参考書を私の目の前に置いた。
無理矢理にでも、喰べれなくないはないが、
それでも体調を崩しかねないレベルの本であることは間違い。
「どうしたの?二四は苦手なジャンルも克服しようと思ったんでしょ?」
「そうは言ったけど、いきなりこんな苦そうな本は嫌だよ!
もし気持ち悪くなったら、どーするのさ!!」
「もう!二四は我が儘なんだから!さっきは頑張るって言ったくせに!」
「一三が意地悪すぎるんだ!!!こんな難しそうな本・・・」
「ふん!二四ったら!可愛くない!もう、二四なんか知らない!」
「え・・・やだやだ!ごめんなさい!許して一三!!」
一三はいつものように、不貞腐れた振りをして、私からぷいっと顔を背ける。
それを見た私は、一三に嫌われたくなくて、すぐに謝ってしまう。
今では何とも情けない話だが、あの頃の私は一三だけが何よりも頼りだったのだ。
そして救いでもあった。一三とはどんなに喧嘩しようとも、
私は一三の事が大好きで、大事な存在だったのだから。
「えへへ、嘘よ。二四。先にこっちの本を喰べてみて?
それなら喰べやすいと思うから。ね?」
「う、うん・・・あ、本当だ。喰べやすいかも・・・」
「でしょ♪意地悪してごめん♪こっちも喰べやすい本だと思うから挑戦してみようか?」
「うん!僕、これなら頑張れそうだよ!一三!」
「うんうん♪その調子だよ!二四!ファイト♪」
最後は一三も謝ってくれて、私の為になるように、いつも世話をしてくれた。
男の本だからと、一三が色々と気遣ってくれたことは、今になってなら、凄くわかる事も多い。
こんな経験もあって、私は理数系の本は、克服出来て、今では好きなジャンルになった程だ。
「いつか二四を、あいつに会わせないとね。」
「あいつ?あいつって誰?」
「12冊目よ。あいつなら、きっと今後の二四の良い男の先輩に
なってくれそうだからね♪」
「先輩?先輩って何?」
「今は知らなくてもいいの♪それにいきなり12冊目に会いに行って、
二四のことを言ったら・・・
あいつ、面倒臭いとか言って逃げそうだからね。
あいつと会う時は作戦を立ててからじゃないと・・・」
「?変な一三?」
私はこの時は幼過ぎて、一三が何を言っているのか、さっぱりな状態だった。
ただ悩む顔の一三が面白くて、一緒に首を傾げて悩んだ振りをしたりしてた。
この時に、一三から十二先輩の話を聞いていなければ、私やゴートンは、
あの時、最後の最後には18冊目に殺されていただろう。
一三には今だって感謝しかない。