その他にも、眷属に関する話などの記載もあった。
話の内容は、過去に大阪の拠点で皆が集まってした時と、大体変わらないものであったが、
眷属をどれだけ持つことが出来るのかは、その本喰人の実力も、もちろん必要ではあるが、
運なとこもあるらしいと書かれていた。

「眷属は今のところ、意図的に作り出すことは出来ない。
その本喰人にとっては運のようなものが必要な時もあり、望んで探し出そうとしても無理である。
また、その本喰人にとって縁のある「特別小冊子」であるなら、眷属として誕生する可能性は高まる。
と、四堂はこの本で書いてますね。」
「へぇーじゃあ、キュアート様は実力もあるんだろうけど、運も良い方なのかな？」
「かもしれないね。後はご本人が思っていなくても、縁を大事にされているんじゃないかな。
あんな感じの性格の方だしね。」
「あーなんか、にっちゃんの言いたい事わかるかも・・・」

ゴートンは私の言葉を聞いて、同じような事を思ったようだ。
セアさんも言っていたが、同じ眷属の兄弟姉妹が多くいると言っていたもんな。
いつかは会ってみたいところだ。他の眷属達も、セアさんのようなところがあるのだろうか？

「これを見ると、トワちゃんは十二と縁があって出会った気がしますね。」
「あ、そうだね！僕もそう思うよ！」
「確かに、私もそう思うな。十二先輩も言ってたけど、
最初はずっと一緒に暮らす気はなかったと言ってたしね。」
「え？そうだったんですか？」
「うん。あ、トワちゃんには言わないでね。ショック受けるだろうから。」
「ええ、もちろん。ここだけの話にしておきます。」
「でも、その十二先輩も今では一緒に楽しそうに暮らしてるもんね。
頼りにしてるところもあるしさ！」
「今では一緒に、海外にいる３冊目に逢いに行ってるくらいですからね！」
「それだけ十二先輩からしたら、縁のある眷属だったと言えるよね。トワちゃんは。」
「なら、そんなトワちゃんを狙う、ゴートンは大変そうですね♪」
「ええ？！四四ちゃん！ここで、今それを言う？！」

四四の言葉にゴートンが大袈裟に驚いてみせる。
それを見て、私も四四もクスクスと笑った。
言われれば、それだけ縁のある眷属だったら、
十二先輩もトワちゃんを手放すのは難しいかもしれないな。
ゴートンと付き合うことになったら、厳しくアレコレと言うかもしれない。
その時は、私はゴートンの力になってあげたいところだが、
十二先輩を敵に回すのだけは嫌だなぁーとも内心では思った。
そんなことにはならないとは信じているが。

「じゃあ・・・私は運良く？あの四堂に拾われてしまったんでしょうか？
そうだと言うのなら、私的には運が良くないんですけど・・・」

四四は今度はこんな事を言って、頬をぷぅーっと膨らませて、
４冊目への愚痴を言った。
これを４冊目が影から聞いているのなら、凄く悲しみそうだけど、
いいのかなぁ？
私は苦笑いをしそうになったが、それで４冊目に睨まれることになっても嫌だったので、
苦笑いしないように堪えた。