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第8章「1つには出来ない解答(こたえ)」

「昨日の夜から、バタバタしちゃったけどさー
四四ちゃんも無事にこのまま僕達と一緒に行動出来るままになったし、
とりあえず収まるところに収まって良かったね。」

4冊目との会話が一旦終わり、4冊目の式神が姿を完全に消したと感じた時に、
ゴートンは私や四四に、安心した顔でそう話し始めた。

「すいません。私の所為で、最後はゴートンや二四にまた迷惑を掛けてしまって・・・」
「もう、四四ちゃんは気にしなくていいって言ってるのに。」
「そうだよ、四四。もう無事に済んだことなんだから。
それに仲間を・・・友達を助けようとするのは当然じゃないか。」
「そうそう!にっちゃんの言う通りだよ♪」
「ありがとう・・・二四、ゴートン・・・」

私達の言葉に四四は目を閉じて、薄っすらと微笑んだ。
相当、喜んでくれたと思って良さそうな雰囲気が四四からは感じられた。
私も四四には恩義があるのだから、今回の事は何も気にしないで欲しいと思う。
それにしても、4冊目がこんなにも四四を大事にしていたとは、
私もゴートンもかなり予想外だった。
十二先輩や六師匠もあの状況を聞いたら、驚くのではないだろうか?
四四は4冊目の過保護な心配に怒りはしていたけど、私は内心少しだけ羨ましかった。
お互い生きていれば、いつかは和解?と言うか出来る。
でも・・・13冊目は一三もう・・・
どんなに恩返しをしたくてもこの世にはいない・・・
私の中には居てくれるけど・・・

「は!そうでした!二四やゴートンには迷惑を掛けてしまいましたが!
でも、その代わりと言うのは何ですが・・・
私も二四達に見せたい物を無事に回収出来たんです!!」
「え?僕達に見せたい物?」
「それはどんな物だろう?」

四四の言葉に、私とゴートンは顔を見合わせ、お互いに目をパチパチさせた。
四四はいつも大事そうにしてるカバンの中から、まずは最初に一枚の写真を、
取り出して私達に見せた。

「こ、これって・・・?」
「4冊目と2冊目の写真です・・・」
「?!!!」

私は四四の取り出した写真をゴートンと凝視した。
そして私は怒りに震えそうになるのを必死に耐えた。
あの一三の仇の顔をちゃんと見ることが出来るのだ・・・
しっかりと顔を見ておかなければ・・・

「どっちが4冊目なの?」
「左が4冊目です。それで真ん中が八百代さんって方で・・・
右が多分2冊目だと思います。
この写真は4冊目達が何かの理由で日本に会社を作った時に、
記念に撮った写真かと。」
「こいつが・・・2冊目・・・」
「にっちゃん・・・」

私は写真の向こうに居る2冊目の姿を鋭く睨んでいた。
かなりキツイ顔をしていることだろう。
それを心配して、ゴートンが私に声を掛けようとするが、
何を言えばいいのか悩んでいるようで、名前を弱々しく呼ぶしか出来なかったようだ。
ゴートンには悪い事をしてると、私も分っているが、
それでも今はそれを気遣える余裕が私には無さそうだ。
四四も折角苦労して持ち帰った写真なのに、私の所為で気まずそうにしてしまっている。
いけないな・・・こんな調子では・・・
私は目を閉じて、一回気分を落ち着かせようとした。
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