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第8章「1つには出来ない解答(こたえ)」

「ソロモニア一族の分家の人達の事は、四堂は全て把握してるんですか?
どこの国、どれほどいるとか?」

四四は悩ましい顔をしながら4冊目の式神にそう尋ねる。

「この私でも、流石に全ては把握出来てないね。
2冊目あたりは、かなり探し出して把握したかもしれないけど。
それでも全てではないだろうね。」
「そうですか・・・」
「それに人間の寿命は私達より短いし、仮に一族の者だからって力があるってわけでもないし、
何せソロモニア一族は歴史からみても、相当な太古の一族だからさ。
線引きも難しいとこがあるだよね。
どこまでをその分家の者として見るのかがね。」
「分家自体も長年の歳月で枝分かれしすぎて、四堂達でも区別が難しいと言う事ですか?」
「そうそう♪四四は理解の早い子で助かるね♪
上巻クラスであっても区別は難しいのは確かだよ!」
「また・・・四堂は・・・」

四四と四堂はこんな感じで会話を続けていた。
私も私なりに四四達の話を聞いて考えてはみたが、
話が壮大すぎて、いまいち今の段階ではちゃんと理解出来なそうだった。

「とりあえずだ。
現代では、全ての分家の者を把握出来る本喰人はいないと私は思っているよ。
どうしてもしたいと言うなら、全ての本喰人が協力し合って、探し出すしかないだろうけど・・・
まぁ、そんなのは不可能近いとお前達もわかるだろう?」
「うーん・・・無理だろうね。」
「無理でしょうね。今は特に・・・」

ゴートンと四四は4冊目の話に素直に頷いていた。
私も声には出さないが、それは不可能だと同意する。
あの2冊目側が他の本喰人に、その為に歩み寄れるとは、とても思えなかった。
他のまだ見知らぬ本喰人だって、友好的な関係になれると言う保証もない。
4冊目も四四が今は、十二先輩側にいるから敵対しないで済んでるだけだ。
今後の展開では、どうなるか・・・
私やゴートンもいざと言う時の事は考えておかないと駄目だな。
四四から裏切ることは絶対ないだろうけど、4冊目の四四への執着を見ると、
今後の不安な要素は消えそうにない。

「さて。とりあえずは私からの話は一旦これくらいにしようかな。」
「え?もう終わりなんですか?もっと教えてくれるんじゃないんですか?」
「四四だけなら何でも教えるけど、そいつらがいるなら、現状はここまでが限界かな。」
「四堂・・・真面目に話してくれるんじゃなかったんですか?」

四四は4冊目の式神を睨んで、会話を終わらせようとする4冊目を引き止めた。
四四的には、4冊目がまた不真面目になったのだと思ったようだが、
4冊目の口調は真面目なままように私には聞こえた。

「四四。私は真面目にお前達と話しているよ。私の言葉が足りなかったのも悪かったね。
これ以上の深い話は、こんな場所では無理だと言いたいのさ。」
「場所が問題なの?」

ゴートンは4冊目の言葉に不思議そうに首を傾げる。
四四の方も4冊目の言葉にやや不満そうだった。
私はそんな彼らを静かに見守りながら、4冊目の次の言葉を待つだけだった。
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