第8章「1つには出来ない解答(こたえ)」
「あははは。ナインの眷属は可愛いものじゃないか。それだけお前を守ろうと必死なわけだ。
なのに、そんな責めたら可哀想だぞ?」
「だけど・・・なんか不吉なことばっかり言うから・・・あの子は。」
「まぁまぁ。許してやれよ。忠誠心が高い眷属って貴重なんだぞ?
な?ヴァンダム?お前もそう思うだろ?」
「え・・・あ、はい。そうですね。」
私はノウェムに留守番するように言いつけて、自分だけでセブンの元に行き、
セブンに直接会って、包み隠さずに確かめた。
私の言葉に最初は目を丸くして唖然としたセブンだけど、すぐに大爆笑して、
私の不安を振り払ってくれた。そんなわけないだろうと。
私より先にセブンの元に居たヴァンダムも、私を安心させるように口添えする。
「ノウェムはそうナイン様に言って、自分の存在価値を高めようとしたに違いありません。
あいつは自分がナイン様の眷属で一番最初に生まれたから、変にプライドが高いんですよ。」
「そうかもしれないわね。」
「だから気にされることはありませんよ。セブン様が裏切る気なら、
この場でこんな話をしたらナイン様だって、無事で済むわけないじゃないですか?
もちろん俺もです。」
「そうね。ノウェムが変な心配をしてるだけよね。ごめんなさい。セブン。」
「気にするなよ。それくらい慎重な方が俺も心強いよ。
俺達はあの2冊目を敵に回そうとしてるんだからな!」
セブンはいつものお気に入りの葉巻を吹かして、にんまりと笑った。
私はセブンとヴァンダムに言われて、自分は間違っていなかったと安堵した。
だが、この時の私は全然気づいていなかったのだ。
ファウヌスが2冊目に唆されていた時に、このヴァンダムも実はセブンに唆されていたことを・・・
この時にはセブンはヴァンダムを下巻の本喰人にしてやる代わりに、
私を裏切るように言っていたらしい。
それをヴァンダムからノウェムにも伝えるように言っていたらしいが、
ノウェムはそんなこと出来るわけがないと怒って断ったようだ。
それで、ノウェムとヴァンダムは激しく喧嘩することになったのだ。
ヴァンダムからすれば、同じ眷属だからこそと親切心のつもりで、
セブンの誘いを一緒に受けるべきだとノウェムに言ったのだろう。
私のような本喰人の元にこの先居ても、良い事はないとか口論したに間違いない。
過去の私はそれだけファウヌスやヴァンダムからは、実は慕われていなかったのだ。
彼らがしおらしかったのも表面上に過ぎなかったわけね。
今の私からすれば、無理もないことだと、はっきりとわかる。
大切にしてあげていなかったのは、自分自身が一番わかっていたから。
自分に都合がいいだけの眷属達。
時が経てば、また新しい眷属が手に入るからのだから、すぐにいなくなっても、
何も困らないと当時の私は思い込んでいた。
しかし新しい眷属がすぐに手に入ったとしても、それだけでは駄目なのだ。
眷属達への接し方や育て方は後々に、自分にそっくり返ってくる。
扱いが悪ければ、眷属と言えども自分に牙を剥くに決まっているのだ。
だからこそ、愛情を持って大切にし、互いの信頼を大事にすべきだったのに。
過去の私は、こんな簡単なことがわからなかったのね。
なのに、そんな責めたら可哀想だぞ?」
「だけど・・・なんか不吉なことばっかり言うから・・・あの子は。」
「まぁまぁ。許してやれよ。忠誠心が高い眷属って貴重なんだぞ?
な?ヴァンダム?お前もそう思うだろ?」
「え・・・あ、はい。そうですね。」
私はノウェムに留守番するように言いつけて、自分だけでセブンの元に行き、
セブンに直接会って、包み隠さずに確かめた。
私の言葉に最初は目を丸くして唖然としたセブンだけど、すぐに大爆笑して、
私の不安を振り払ってくれた。そんなわけないだろうと。
私より先にセブンの元に居たヴァンダムも、私を安心させるように口添えする。
「ノウェムはそうナイン様に言って、自分の存在価値を高めようとしたに違いありません。
あいつは自分がナイン様の眷属で一番最初に生まれたから、変にプライドが高いんですよ。」
「そうかもしれないわね。」
「だから気にされることはありませんよ。セブン様が裏切る気なら、
この場でこんな話をしたらナイン様だって、無事で済むわけないじゃないですか?
もちろん俺もです。」
「そうね。ノウェムが変な心配をしてるだけよね。ごめんなさい。セブン。」
「気にするなよ。それくらい慎重な方が俺も心強いよ。
俺達はあの2冊目を敵に回そうとしてるんだからな!」
セブンはいつものお気に入りの葉巻を吹かして、にんまりと笑った。
私はセブンとヴァンダムに言われて、自分は間違っていなかったと安堵した。
だが、この時の私は全然気づいていなかったのだ。
ファウヌスが2冊目に唆されていた時に、このヴァンダムも実はセブンに唆されていたことを・・・
この時にはセブンはヴァンダムを下巻の本喰人にしてやる代わりに、
私を裏切るように言っていたらしい。
それをヴァンダムからノウェムにも伝えるように言っていたらしいが、
ノウェムはそんなこと出来るわけがないと怒って断ったようだ。
それで、ノウェムとヴァンダムは激しく喧嘩することになったのだ。
ヴァンダムからすれば、同じ眷属だからこそと親切心のつもりで、
セブンの誘いを一緒に受けるべきだとノウェムに言ったのだろう。
私のような本喰人の元にこの先居ても、良い事はないとか口論したに間違いない。
過去の私はそれだけファウヌスやヴァンダムからは、実は慕われていなかったのだ。
彼らがしおらしかったのも表面上に過ぎなかったわけね。
今の私からすれば、無理もないことだと、はっきりとわかる。
大切にしてあげていなかったのは、自分自身が一番わかっていたから。
自分に都合がいいだけの眷属達。
時が経てば、また新しい眷属が手に入るからのだから、すぐにいなくなっても、
何も困らないと当時の私は思い込んでいた。
しかし新しい眷属がすぐに手に入ったとしても、それだけでは駄目なのだ。
眷属達への接し方や育て方は後々に、自分にそっくり返ってくる。
扱いが悪ければ、眷属と言えども自分に牙を剥くに決まっているのだ。
だからこそ、愛情を持って大切にし、互いの信頼を大事にすべきだったのに。
過去の私は、こんな簡単なことがわからなかったのね。