第8章「1つには出来ない解答(こたえ)」
ファウヌスが働き出した翌日から、ノウェムとヴァンダムの仲は
今までの中で最も険悪な状態になった。
私が何度止めようとも、口論は絶えず、私が居ない時には殴り合いさえしているようだった。
私は2冊達の喧嘩など全く興味もなくて、仲裁することもなかった。
いつものように自分のやりたいままに生活を続けていた。
人間の男を騙すのにも大分慣れたと、心の中では嬉しささえあったわ。
だから眷属同士の喧嘩なんて、どうでもいいと思っていた。
しかし、ある日の夜にノウェムは深刻そうな顔で私の元に来た。
ヴァンダムが家にいないのを見計らったように。
「ナイン様、少しお話があるのですが・・・」
「何?・・・と言うかノウェム。貴方のその顔は何?まるで死人のようだわ。」
私はこの時のノウェムの顔を見て、ギョッとした。
まるでホラー映画のゾンビみたいな感じだったからだ。
顔色は食事がとれていないのか、血色が悪く、顔には細かい傷もあり、髪はバサバサで、
服もボロボロな感じになっていた。
この2日間に何があったのかと、私も流石に心配になって、ノウェムの話を聞くよりも、
食事や服の世話を先にしてあげた。
ノウェムは何とも言えない悲しい顔をして、私の施しを黙って受ける。
まともな姿になったと私が思ったところで、私はノウェムの話を聞いた。
「ナイン様・・・大変言いづらいのですが、セブン様とは少し距離を
取られた方がいいかもしれません。」
「どうして?セブンがなんだと言うの?」
私はまさかノウェムからセブンの話が出ると思わずに、少しキツい返事をしてしまった。
最近話した、あのセブンの提案を受けて、私はセブンに協力して一緒に、
2冊目から「禁断の本」を盗むと言う事で、合意したばかりだった。
だから今後は離れるどころか、密になって連絡を取り合い、
セブンの案を成功させなくてはならなかった。
自分の下した判断は引き返せないところにある。
今更やめるなんて出来ない状態だったのだ。
なのにノウェムは必死になってセブンから離れるべきだと、私に忠告する。
「出来るなら言いたくありませんでしたが、セブン様は最悪はナイン様を、
2冊目に売り渡すかもしれません。」
「なんですって?」
最後の切り札とばかりに、ノウェムは私にこう言った。
セブンは私を裏切るだろうと。2冊目に私を売って?
けど、私はそれを信じる気になれなかった。一緒にアメリカに渡った仲だ。
ただの眷属であるノウェムよりも、信頼があるのは同じ本喰人のセブンに決まっていた。
それに最近はヴァンダムをセブンとの連絡役にさせていて、
ヴァンダムからセブンのことを軽く監視して貰ってさえいたのだ。
けどヴァンダムからは、セブンが裏切るような怪しい行動をしていると報告も受けてはいない。
ノウェムの忠告には、私はイライラし始めた。何を根拠にセブンを疑っているのかと。
「いい加減にして頂戴!あのセブンが私を裏切るわけないでしょ!
そもそも、2冊目から「禁断の本」を盗み、互いに強くなるべきだと、
助言してくれたのはセブンなのよ?
それを今頃になって、私を裏切るなんて有り得ないわ!」
「ですが・・・」
「しつこいわよ!あんまりにも私の言う事が聞けないのなら、お前を処分したっていいのよ!」
「・・・・・・」
私は自分の感情のままに、ノウェムに怒鳴り返した。
あの時の傷つき悲しむ顔のノウェムを私は忘れたりしたことはないわ。
あれほどまでに、当時私を慕い守ろうとしてくれていたのは、彼だけだったと言うのに。
今までの中で最も険悪な状態になった。
私が何度止めようとも、口論は絶えず、私が居ない時には殴り合いさえしているようだった。
私は2冊達の喧嘩など全く興味もなくて、仲裁することもなかった。
いつものように自分のやりたいままに生活を続けていた。
人間の男を騙すのにも大分慣れたと、心の中では嬉しささえあったわ。
だから眷属同士の喧嘩なんて、どうでもいいと思っていた。
しかし、ある日の夜にノウェムは深刻そうな顔で私の元に来た。
ヴァンダムが家にいないのを見計らったように。
「ナイン様、少しお話があるのですが・・・」
「何?・・・と言うかノウェム。貴方のその顔は何?まるで死人のようだわ。」
私はこの時のノウェムの顔を見て、ギョッとした。
まるでホラー映画のゾンビみたいな感じだったからだ。
顔色は食事がとれていないのか、血色が悪く、顔には細かい傷もあり、髪はバサバサで、
服もボロボロな感じになっていた。
この2日間に何があったのかと、私も流石に心配になって、ノウェムの話を聞くよりも、
食事や服の世話を先にしてあげた。
ノウェムは何とも言えない悲しい顔をして、私の施しを黙って受ける。
まともな姿になったと私が思ったところで、私はノウェムの話を聞いた。
「ナイン様・・・大変言いづらいのですが、セブン様とは少し距離を
取られた方がいいかもしれません。」
「どうして?セブンがなんだと言うの?」
私はまさかノウェムからセブンの話が出ると思わずに、少しキツい返事をしてしまった。
最近話した、あのセブンの提案を受けて、私はセブンに協力して一緒に、
2冊目から「禁断の本」を盗むと言う事で、合意したばかりだった。
だから今後は離れるどころか、密になって連絡を取り合い、
セブンの案を成功させなくてはならなかった。
自分の下した判断は引き返せないところにある。
今更やめるなんて出来ない状態だったのだ。
なのにノウェムは必死になってセブンから離れるべきだと、私に忠告する。
「出来るなら言いたくありませんでしたが、セブン様は最悪はナイン様を、
2冊目に売り渡すかもしれません。」
「なんですって?」
最後の切り札とばかりに、ノウェムは私にこう言った。
セブンは私を裏切るだろうと。2冊目に私を売って?
けど、私はそれを信じる気になれなかった。一緒にアメリカに渡った仲だ。
ただの眷属であるノウェムよりも、信頼があるのは同じ本喰人のセブンに決まっていた。
それに最近はヴァンダムをセブンとの連絡役にさせていて、
ヴァンダムからセブンのことを軽く監視して貰ってさえいたのだ。
けどヴァンダムからは、セブンが裏切るような怪しい行動をしていると報告も受けてはいない。
ノウェムの忠告には、私はイライラし始めた。何を根拠にセブンを疑っているのかと。
「いい加減にして頂戴!あのセブンが私を裏切るわけないでしょ!
そもそも、2冊目から「禁断の本」を盗み、互いに強くなるべきだと、
助言してくれたのはセブンなのよ?
それを今頃になって、私を裏切るなんて有り得ないわ!」
「ですが・・・」
「しつこいわよ!あんまりにも私の言う事が聞けないのなら、お前を処分したっていいのよ!」
「・・・・・・」
私は自分の感情のままに、ノウェムに怒鳴り返した。
あの時の傷つき悲しむ顔のノウェムを私は忘れたりしたことはないわ。
あれほどまでに、当時私を慕い守ろうとしてくれていたのは、彼だけだったと言うのに。