第8章「1つには出来ない解答(こたえ)」
「あの2冊目も、今アメリカに来てるらしいぞ。ナイン。」
「へぇーそうなの?セブン?何で?」
「ある「禁断の本」がアメリカにあるらしいぜ?しかも大量にだ!
これはチャンスかもしれない。あの2冊目が狙うくらいだ。
かなり上物な「禁断の本」に違いない!だから一緒に2冊目から、ちょっと盗まないか?
もしかすれば、俺達も2冊目並みに強くなれるかもしれないぜ!」
「え?そんな事出来るの?怖くない?あの2冊目よ?本気で言ってるのセブン?」
私はアメリカにいた時のあの過去を思い出していた。
この時は、セブンに呼び出されて、セブンの泊まっていた宿屋の部屋で、
深夜に話し込んでいた。
こんな話を2冊目側の手先に、聞かれるだけだって危険じゃないかと、
私は怯えて慎重になっていた。
だけど、セブンはそんな私を見て、ケラケラと楽しそうに笑う。
「おいおい。そんなに怖がるなよ、ナイン。まだ実行したわけじゃないんだぞ?
相談してるだけだろう?」
「そうだったとしても、私達がこんな話をしていると、もし2冊目に知られたらどうするの?
それだけでも危険だわ。だって、あの2冊目なの?
他の本喰人なら、まだ盗むのに失敗しても、どうにかすれば許してくれそうだけど・・・
2冊目だったら、絶対に許すわけないわ。少しでも敵だと思われたら、
何をされるか・・・」
「まぁ・・・そんだけ、2冊目が強敵なのは俺もわかってるよ。」
セブンは人間の真似事をして、葉巻を吸いながら、私と会話する。
私があんまりにも真面目な顔で言うものだから、気まずい顔になり、
数分だけ葉巻を吸って無言になった。
虚空を見つけていた顔が、急に私の方に振り向くと・・・
「でも、いつかは2冊目とは戦う事になると思うぞ?お前が女の本だからとか、
そんな優しい理由で見逃したりは絶対にしないはずだ。
あいつは、俺達本喰人の殲滅を願ってるんじゃないかって、もっぱらの噂だしな。」
「殲滅って・・・じゃあ、最後は自分も死ぬってことなの?」
「さぁな。そればっかりは、当人じゃなきゃ知らね。
仮に敵対せずに、2冊目の味方になったとしても、最後は殺されるか、喰われるんだろうしな。
結局は利用されるだけってわけだ。」
「なによ。じゃあ生き残りたかったら、どうあっても戦うしかないってこと?」
「だな。でなければ、誰かと手を組むしかない。お前は最悪は3冊目と手を組む感じか?」
「そうね・・・私より上で頼れるとしたら、トリアしかいないわ。」
「でも、トリアだって戦える本じゃないぞ?
だったら、俺達だって最低限の戦えるだけの強さは必要なはずだろ?」
「セブンの言う通りだけど・・・でもだからって2冊目が狙っている本を狙わなくても・・・」
私はどうしてもこの日はセブンの提案を、すぐに受け入れる気にはなれなかった。
結局、セブンは「今回は無理に決断しなくてもいいさ。」と言って、
この会話は終わり、私は自分の寝床にしている家に帰る。
その途中で、どうしたら自分も戦える力を養えるか、必死に考えてみたけど、
私では良いアイデアは思い浮かばなかった。
とにかく自分の眷属を強くするしかないか・・・と考えついたくらいだった。
この頃の私は自分が強くなるよりも、誰かを利用すれば、
どうにかなるだろうと甘い考えしかない本喰人だったのだ。
「へぇーそうなの?セブン?何で?」
「ある「禁断の本」がアメリカにあるらしいぜ?しかも大量にだ!
これはチャンスかもしれない。あの2冊目が狙うくらいだ。
かなり上物な「禁断の本」に違いない!だから一緒に2冊目から、ちょっと盗まないか?
もしかすれば、俺達も2冊目並みに強くなれるかもしれないぜ!」
「え?そんな事出来るの?怖くない?あの2冊目よ?本気で言ってるのセブン?」
私はアメリカにいた時のあの過去を思い出していた。
この時は、セブンに呼び出されて、セブンの泊まっていた宿屋の部屋で、
深夜に話し込んでいた。
こんな話を2冊目側の手先に、聞かれるだけだって危険じゃないかと、
私は怯えて慎重になっていた。
だけど、セブンはそんな私を見て、ケラケラと楽しそうに笑う。
「おいおい。そんなに怖がるなよ、ナイン。まだ実行したわけじゃないんだぞ?
相談してるだけだろう?」
「そうだったとしても、私達がこんな話をしていると、もし2冊目に知られたらどうするの?
それだけでも危険だわ。だって、あの2冊目なの?
他の本喰人なら、まだ盗むのに失敗しても、どうにかすれば許してくれそうだけど・・・
2冊目だったら、絶対に許すわけないわ。少しでも敵だと思われたら、
何をされるか・・・」
「まぁ・・・そんだけ、2冊目が強敵なのは俺もわかってるよ。」
セブンは人間の真似事をして、葉巻を吸いながら、私と会話する。
私があんまりにも真面目な顔で言うものだから、気まずい顔になり、
数分だけ葉巻を吸って無言になった。
虚空を見つけていた顔が、急に私の方に振り向くと・・・
「でも、いつかは2冊目とは戦う事になると思うぞ?お前が女の本だからとか、
そんな優しい理由で見逃したりは絶対にしないはずだ。
あいつは、俺達本喰人の殲滅を願ってるんじゃないかって、もっぱらの噂だしな。」
「殲滅って・・・じゃあ、最後は自分も死ぬってことなの?」
「さぁな。そればっかりは、当人じゃなきゃ知らね。
仮に敵対せずに、2冊目の味方になったとしても、最後は殺されるか、喰われるんだろうしな。
結局は利用されるだけってわけだ。」
「なによ。じゃあ生き残りたかったら、どうあっても戦うしかないってこと?」
「だな。でなければ、誰かと手を組むしかない。お前は最悪は3冊目と手を組む感じか?」
「そうね・・・私より上で頼れるとしたら、トリアしかいないわ。」
「でも、トリアだって戦える本じゃないぞ?
だったら、俺達だって最低限の戦えるだけの強さは必要なはずだろ?」
「セブンの言う通りだけど・・・でもだからって2冊目が狙っている本を狙わなくても・・・」
私はどうしてもこの日はセブンの提案を、すぐに受け入れる気にはなれなかった。
結局、セブンは「今回は無理に決断しなくてもいいさ。」と言って、
この会話は終わり、私は自分の寝床にしている家に帰る。
その途中で、どうしたら自分も戦える力を養えるか、必死に考えてみたけど、
私では良いアイデアは思い浮かばなかった。
とにかく自分の眷属を強くするしかないか・・・と考えついたくらいだった。
この頃の私は自分が強くなるよりも、誰かを利用すれば、
どうにかなるだろうと甘い考えしかない本喰人だったのだ。