第8章「1つには出来ない解答(こたえ)」
それから、現在に至るまで、彼は私の与えた試練は全部見事にクリアした。
私の正体を他者どころか家族にでも絶対に漏らすこともないし、自分の力だけ、
有名大学をちゃんと卒業し、会社も作った。
私が彼とちゃんとした形で再会したのは、彼が親から自立し、自分の屋敷を持った時だった。
姿や名前などは、前と一緒と言う訳にはいかないから、
他の人間から見たら別人だったでしょうけど。
そして、彼は少年の時に言ってくれた言葉の通りに、私に相応しい男になって、
再び告白して、プロポーズまでしてくれたのよね。
もちろん私が人間でないと知っているにも関わらずだ。
私は彼と子供は作れない話もしてある。だけど、彼は私との生活を選んでくれたの。
この時には、私もすっかり彼を愛してしまっていた。
有言実行し、私への愛の気持ちが変わらない彼を、どうして愛せずにいられるかしら。
自分の正体がすっかりバレているのに、私が彼を不安に思うことは現在も1度も無い。
ノウェム達の事をきちんと説明して、彼がノウェム達に、変に嫉妬しないようにも気を配ったわ。
色々と驚くことはあったでしょうけど、彼は迷わずに、全部を受け止めた。
そんな彼だからこそ、トト達を私達の子にするのも、何も苦労はなかった。
今までなら、能力を使って騙しながら認めさせたりしていたから、
危ないこともあったりしたのよね。
最初の頃は能力が安定しなくて、騙しきれない時代もあったくらいだったわ。
けど、今の彼となら、そんな問題もない。ちなみにトト達もわかっている。
彼が本当の父親でないことと、自分達が人間でないと知られていることも。
「僕達は、パパの本当の子じゃなくても、パパの事、愛してるよ。」
「うん!ママと同じくらい愛してる♪大好き♪」
「ママに何かあったら、僕達は代わりにパパは絶対に守るよ!」
「貴方達・・・なんて子達なのかしら・・・」
つい最近になって、あの子達に言われた言葉を思い出す。
彼の愛は、私だけでなく、あの子達にもしっかり届いている。
今までの眷属達の中で、人間の父親をここまで慕う子も居なかった。
トト達は、そうした意味では一番恵まれた子達ね。
「どうしたんだい?泣きそうな顔をしているように見えるけど?」
「え?あ、ヤダわ。私ったら、トト達の言葉を思い出して、泣きそうになってしまって。」
「うん?トト達がどうしたの?」
「私と同じくらい、貴方を愛しているって♪3人仲良く揃って言われてたわ♪」
「あはは。そうか、それは凄く嬉しいな。僕もあの子達を心から愛しているよ。」
夫オスカーはベッドの中で私を抱きしめて、私の欲しい言葉を素直にくれる。
私はすっかり彼に甘えん坊になってしまっていた。
昔なら、人間の男にここまで心を許しただろうか?
いや、きっとない。この先も、彼ほどに愛するべき人に逢うことさえもない気がする。
私は彼を失ったらと考えるだけで、不吉だと思い、考える事さえ今はしない程だ。
この時間は、1分でも1秒でも彼との大事な思い出を作る時間にしたい。
私の正体を他者どころか家族にでも絶対に漏らすこともないし、自分の力だけ、
有名大学をちゃんと卒業し、会社も作った。
私が彼とちゃんとした形で再会したのは、彼が親から自立し、自分の屋敷を持った時だった。
姿や名前などは、前と一緒と言う訳にはいかないから、
他の人間から見たら別人だったでしょうけど。
そして、彼は少年の時に言ってくれた言葉の通りに、私に相応しい男になって、
再び告白して、プロポーズまでしてくれたのよね。
もちろん私が人間でないと知っているにも関わらずだ。
私は彼と子供は作れない話もしてある。だけど、彼は私との生活を選んでくれたの。
この時には、私もすっかり彼を愛してしまっていた。
有言実行し、私への愛の気持ちが変わらない彼を、どうして愛せずにいられるかしら。
自分の正体がすっかりバレているのに、私が彼を不安に思うことは現在も1度も無い。
ノウェム達の事をきちんと説明して、彼がノウェム達に、変に嫉妬しないようにも気を配ったわ。
色々と驚くことはあったでしょうけど、彼は迷わずに、全部を受け止めた。
そんな彼だからこそ、トト達を私達の子にするのも、何も苦労はなかった。
今までなら、能力を使って騙しながら認めさせたりしていたから、
危ないこともあったりしたのよね。
最初の頃は能力が安定しなくて、騙しきれない時代もあったくらいだったわ。
けど、今の彼となら、そんな問題もない。ちなみにトト達もわかっている。
彼が本当の父親でないことと、自分達が人間でないと知られていることも。
「僕達は、パパの本当の子じゃなくても、パパの事、愛してるよ。」
「うん!ママと同じくらい愛してる♪大好き♪」
「ママに何かあったら、僕達は代わりにパパは絶対に守るよ!」
「貴方達・・・なんて子達なのかしら・・・」
つい最近になって、あの子達に言われた言葉を思い出す。
彼の愛は、私だけでなく、あの子達にもしっかり届いている。
今までの眷属達の中で、人間の父親をここまで慕う子も居なかった。
トト達は、そうした意味では一番恵まれた子達ね。
「どうしたんだい?泣きそうな顔をしているように見えるけど?」
「え?あ、ヤダわ。私ったら、トト達の言葉を思い出して、泣きそうになってしまって。」
「うん?トト達がどうしたの?」
「私と同じくらい、貴方を愛しているって♪3人仲良く揃って言われてたわ♪」
「あはは。そうか、それは凄く嬉しいな。僕もあの子達を心から愛しているよ。」
夫オスカーはベッドの中で私を抱きしめて、私の欲しい言葉を素直にくれる。
私はすっかり彼に甘えん坊になってしまっていた。
昔なら、人間の男にここまで心を許しただろうか?
いや、きっとない。この先も、彼ほどに愛するべき人に逢うことさえもない気がする。
私は彼を失ったらと考えるだけで、不吉だと思い、考える事さえ今はしない程だ。
この時間は、1分でも1秒でも彼との大事な思い出を作る時間にしたい。