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第8章「1つには出来ない解答(こたえ)」

パーティーが終わり、ノウェム達もセア達も、各自が各々の場所で休むことになり、
私はもちろん愛しい夫と寝室で休んでいた。
三つ子達は自分達の部屋で、まだゲームして遊んでいるかしら?
夜更かしをしては駄目だと言っても、今日は特に言う事を聞きそうにない。
あれだけ、夫と遊んだから、まだ興奮しているかもしれないわね。
私も今日の最大の目的を彼に果たさないといけないわ。

「貴方・・・渡したい物があるの。」
「ん?あ・・・いつものアレかな?」
「うん。貴方が私に初めて告白してくれた日♥♥♥
その日を記念してのプレゼントよ♪」
「はは、やっぱりか。こういうのは男性が女性にサプライズでするものだと思うんだけどな。
君の情熱さには、いつも感心してしまうよ。」

彼は顔を真っ赤にしているけど、表情は喜んでくれていた。
私はいつものお店で、今年は、いえ今までの中で1番の物を彼にプレゼントした。

「わぁ!今日は本当に凄いね!パーティーの皆へのプレゼントも、
君は大奮発したようだけど、今この僕へのプレゼントも、
かなり奮発してくれたみたいだね。キュアート。」
「ふふふ♪当り前よ♥私の最大級に愛しい人へのプレゼントですもの♥
この私が抜かるわけないわ♥」

彼は私からのプレゼントを受け取り、早速箱からプレゼントしたばかりの時計を取り出して、
少年のように喜び、私に素敵な笑顔を向けてくれた。
あの顔を見れば、どれだけ喜んでくれているのか私にもわかる。
今年のプレゼントも大成功と言ったとこね。

「今は教えないけど、実はその時計には色々と細工してあるの♪」
「え?本当かい?どんな細工だろう?」
「それはまだ内緒♪でも、わかったら喜んでくれると思うわ♪
それに・・・いえ、これもまだ内緒にしておきましょ♪ふふふ♪」
「秘密が多い時計だね。今年のプレゼントは。隠さずに何でも話して欲しいんだけどなぁ・・・
キュアートは意地悪だなぁ・・・」
「あ、もう!すぐそうやって・・・貴方ったら・・・」

彼は私を素早く抱きしめる。どこにも逃がさないと言わんばかりに。

「あの時、君に告白して、こうして今は夫婦になれているなんて、夢みたいだよ。
君は小さい頃からの僕の憧れの女性だった。
最初はおじい様の後妻だったかもしれないけれど・・・
それでも、僕は君をひと目見た時から、僕は君と言う存在しか、今後一生愛せないと思ったんだ。
出会った瞬間に、君は僕の女神だと確信してたからね。
まだ10代の僕がだよ?」
「そうだったわね。まだ幼い少年の頃の貴方は、何よりも純粋で、
世の中の事だって何もわからないはずなのに、私に熱い愛を告げてくれたわ。
本喰人と言う、未知の存在なのよって言ってもね。」

私は彼の胸に顔を沈めて、あの頃を思い出す。
彼はそれに答えるように、私をしっかりと更に力強く抱きしめる。
そう。ノウェム達も実は知らない。
今の夫である彼オスカーは、昔から私が本喰人であると知っていると言う事を。
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