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第8章「1つには出来ない解答(こたえ)」

「パパー今度は僕の番だよ♪」
「あーずるい!ホルスは最初に遊んで貰っただろう!」
「そういうトトこそ、次でしょ!今度は僕のはずだよ!」
「ははは。こらこら。私は1人しかいないんだから、ちゃんと順番は
守ってくれないと遊んであげれないよ?
えっと、じゃあ次はアヌビスだね?さ!おいで!」
「わーい♪だからパパは大好き♪」
「ちぇー」
「パパはママよりも僕達の見分け出来ちゃうもんなぁー
だから順番をズルするの出来ないや・・・」

今日のパーティーは無事に終わり、家族だけの時間になり、
三つ子達はここぞとばかりに、夫オスカーに甘えて、
今は男同士で何かのゲームに夢中になって遊んでいた。
私はそんな微笑ましい光景を穏やかな気持ちで、少し離れた場所で見守る。
三つ子達の言う通り、彼は私なんかよりも、トト達の見分けが出来ていた。
何故そんなに間違えずに出来るのかと、私も不思議に思い、聞いたことがあるくらいだった。
けど、彼は優しい笑顔で私に言うの。
「君との子だから、出来るに決まってるじゃないか。」
って・・・
人間である彼と本喰人である私とで、子供は出来るはずがないのに。
それでも、トト達には彼に似た部分も多くあった。
外見だけでなく、性格などもだ。本当に彼との間に出来た子供達と言っても良い程に。

「トト達はオスカー様が何よりも大好きですね。あのホルスだって、
オスカー様と遊べると思ったら、絶対に側から離れないもの。」
「そうね。彼の子供好きには私も助かるわ。
彼は私なんかよりも、あの子達の事がわかるくらいだし。
時には母親の私が嫉妬してしまうくらいの仲の良さよ。アリアドネ。」
「それは私も同じですよ、キュアート様。オスカー様が帰宅したらすぐに、
トト達はオスカー様のとこに走って行っちゃいますもん。」
「ふふふ。それはアリアドネも嫉妬しちゃうわね。
でも、いつもあの子達の側に居てくれて有難うね。」
「いいえ。私もトト達といるのは、何よりも楽しいですから。
それに、そのおかげもあるから、お母様の側にもいられるし。」

アリアドネは、そっと私の側に近寄り、内心で思っている事をこっそりと語る。
アリアドネも、まだまだ母親が恋しいと思う事もあるわよね。
だから一緒に暮らせるようにしたのもあるのだけど。

「アリアドネは、今回のプレゼントは気に入ってくれたかしら?」
「はい♪とっても嬉しかったです♪」
「なら良かったわ♪アリアドネのプレゼントには悩んだのよね。どっちにしようか。」
「そ、そうだったんですか?」
「そうよ♪いつも陰ながら、私の為にトト達を見てくれているんですもの♪
一番欲しいものをあげたいと思ってね♪」

私はアリアドネを手を優しく握る。アリアドネは嬉しそうな顔で私を見つめる。
彼が居なければ、頭を撫でてあげたいところだけど、今夜は無理そうね。
アリアドネ・・・次の日にはたっぷりと甘えさせてあげるからね。

「あ!そう言えばノウェム兄様もキュアート様から、あの本が貰えたのが、
かなり嬉しかったみたいですよ♪」
「あら?本当?アリアドネ?」
「はい♪私、実は見ちゃったんです!ノウェム兄様が凄い久しぶりに満面の笑みだったの♪
私まで嬉しくなっちゃいましたもん♪」
「まぁ♪あのノウェムが?」
「はい♪あのいつも厳しい顔のノウェム兄様がです♪」

私はアリアドネから、その話を聞けて、あの本をノウェムにあげて良かったと実感した。
相当嬉しかったみたいで何よりだわ♪
まさか、アリアドネに自分の喜んだ顔がバレているとは
思ってないでしょうけどね♪
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