第8章「1つには出来ない解答(こたえ)」
「わかった。そっちの方は大丈夫そうか?そうか。上手くやれたのならいい。
セアはどうしてる?何?六マスターに甘えているだと?
ちゃんと周囲を気にしろ!と言え、イーリス。全くセアめ。」
私達が無事に屋敷に着き、ひと段落していた時に、ノウェムの方にイーリスから電話がきて、
セア達の動向を報告してくれた。
身代わり作戦は大成功だったようで、誰もセアが私になっているなどとは思っていなかったようね。
セアも緊張すると騒いでいたわりには、いざ講演が始まったら、立派にやり遂げたみたい。
私の娘ですもの。あの子だって本気出せば出来る子よ。
それに今は何よりも心強い味方もセアにはいるしね♪
「うん。わかった。キュアート様には、そう伝えておく。怒られる?
そんなのはオレは知らん。
セアが後で怒られればいいんだ。イーリス、お前は気にするな。
では、屋敷でまたな。」
「あら?何?私が怒るってどういうことかしら?」
私はノウェムの最後の電話での言葉が気になった。
セアったら、何をしたのかしら?
「申し上げにくいのですが、キュアート様。しばらくは講演会をしていただくことになりそうですね。」
「あら?どうして?」
「今日のセアの講演会が、かなり好評だったようで。各所から問い合わせが来てるようです。
それをセアが何もわかっていないのに、その場で気軽に引き受けるような返事をしたようで、
イーリスも困ったようです。」
「あらま!セアったら、そんなことをしてしまったの?」
「はい。なので、キュアート様には全部とまではいかなくても、
数回の講演会には参加して頂くしかないですね。」
「ふぅ・・・それは仕方がないわね。今回は私の我が儘のせいでもあるんだから。」
私はノウェムの話を聞き、溜息をつきながらも引き受けるしかないと割り切った。
セアを責めるわけにはいかないわね。
慣れない場所で、私の身代わりをしてくれたんですもの。
きっと多くの人間達から、心無い賛辞を沢山受けて、舞い上がってしまったのね。
私や夫から、資金援助して欲しいが為に、ひたすら褒めてくる人間は多いから。
悪意があって近づいてくる人間も同じくらいに。
だから講演が真に良かったから、褒めているわけではない。
セアにはまだそれらの人間の真意を見抜く力はないわね。
今後は六が私の代わりにセアに教えてくれればいいのだけれど。
「キュアート様。セア達が帰ってきたら、元の姿に戻れそうですか?」
「うん。大丈夫よ♪」
「良かった。今日はオスカー様も仕事を早く切り上げて、
今夜のホームパーティーが始まる前には必ず帰るとおっしゃっていたので。」
「やだぁー♥彼ったら♥そんなに私に会いたくて、しょうがないのかしら?♥
本当にそういうとこは昔のままで子供なんだから♥」
「キュアート様が昨日会わないでいるからじゃないですか・・・
不憫なオスカー様だ・・・同情しますよ・・・」
ノウェムは彼に同情してか、私を軽く睨む。もうノウェムったら。
男女の色恋がわかってないんだから。
いくら夫婦でも、毎日当たり前のように顔を合わせたら駄目なのよ。
どんなに愛し合っていても、男って言うのは当然のような生活に満足しなくなるんだから。
私だって、過去には何度も愛していたはずの夫達から浮気されたことあるんだからね。
今の彼は浮気するなんて心配はしないけど。
セアはどうしてる?何?六マスターに甘えているだと?
ちゃんと周囲を気にしろ!と言え、イーリス。全くセアめ。」
私達が無事に屋敷に着き、ひと段落していた時に、ノウェムの方にイーリスから電話がきて、
セア達の動向を報告してくれた。
身代わり作戦は大成功だったようで、誰もセアが私になっているなどとは思っていなかったようね。
セアも緊張すると騒いでいたわりには、いざ講演が始まったら、立派にやり遂げたみたい。
私の娘ですもの。あの子だって本気出せば出来る子よ。
それに今は何よりも心強い味方もセアにはいるしね♪
「うん。わかった。キュアート様には、そう伝えておく。怒られる?
そんなのはオレは知らん。
セアが後で怒られればいいんだ。イーリス、お前は気にするな。
では、屋敷でまたな。」
「あら?何?私が怒るってどういうことかしら?」
私はノウェムの最後の電話での言葉が気になった。
セアったら、何をしたのかしら?
「申し上げにくいのですが、キュアート様。しばらくは講演会をしていただくことになりそうですね。」
「あら?どうして?」
「今日のセアの講演会が、かなり好評だったようで。各所から問い合わせが来てるようです。
それをセアが何もわかっていないのに、その場で気軽に引き受けるような返事をしたようで、
イーリスも困ったようです。」
「あらま!セアったら、そんなことをしてしまったの?」
「はい。なので、キュアート様には全部とまではいかなくても、
数回の講演会には参加して頂くしかないですね。」
「ふぅ・・・それは仕方がないわね。今回は私の我が儘のせいでもあるんだから。」
私はノウェムの話を聞き、溜息をつきながらも引き受けるしかないと割り切った。
セアを責めるわけにはいかないわね。
慣れない場所で、私の身代わりをしてくれたんですもの。
きっと多くの人間達から、心無い賛辞を沢山受けて、舞い上がってしまったのね。
私や夫から、資金援助して欲しいが為に、ひたすら褒めてくる人間は多いから。
悪意があって近づいてくる人間も同じくらいに。
だから講演が真に良かったから、褒めているわけではない。
セアにはまだそれらの人間の真意を見抜く力はないわね。
今後は六が私の代わりにセアに教えてくれればいいのだけれど。
「キュアート様。セア達が帰ってきたら、元の姿に戻れそうですか?」
「うん。大丈夫よ♪」
「良かった。今日はオスカー様も仕事を早く切り上げて、
今夜のホームパーティーが始まる前には必ず帰るとおっしゃっていたので。」
「やだぁー♥彼ったら♥そんなに私に会いたくて、しょうがないのかしら?♥
本当にそういうとこは昔のままで子供なんだから♥」
「キュアート様が昨日会わないでいるからじゃないですか・・・
不憫なオスカー様だ・・・同情しますよ・・・」
ノウェムは彼に同情してか、私を軽く睨む。もうノウェムったら。
男女の色恋がわかってないんだから。
いくら夫婦でも、毎日当たり前のように顔を合わせたら駄目なのよ。
どんなに愛し合っていても、男って言うのは当然のような生活に満足しなくなるんだから。
私だって、過去には何度も愛していたはずの夫達から浮気されたことあるんだからね。
今の彼は浮気するなんて心配はしないけど。