第8章「1つには出来ない解答(こたえ)」
※キュアート視点に変更
「もしもし?キュアートおば様?うんうん・・・あ、それがいいんですね?
わかりました♪私がお店の店員に言って用意させますね♪」
私は1人で二役をこなしながら、愛しの夫の為のプレゼントを買う為に、
いつものお店に来て買い物をしていた。
電話で指示された振りをしながら、お店の店員に、
目当ての商品をいくつか用意して貰っているところだった。
背後には、私の頼りにするノウェムが、不機嫌そうな顔をしながらも、
静かに黙って買い物に付き合ってくれている。
今回の事は相当怒ってるみたいね。無理もないか・・・
私があの子達に2冊目には気を付けろと言ったのに、こんな事になってしまったのだから、
私を日々守ろうとしてくれてる眷属達(こどもたち)からすれば、呆れる母親よね。
でも、今回はどうしても夫に今までの中で、最上級のプレゼントを
私は渡したかったのだ。
「あの頃、気弱な彼が精一杯の気持ちを込めて、私にプロポーズしてくれてから、
もう20年が経つのね。
色々な男性にプロポーズされて来たけど、あんなにも心を打たれたプロポーズは、彼だけだわ。
優しい眼差しなのに、瞳の奥には誰よりも真っ直ぐで熱い意思があって、
今も思い出すだけで、私は照れてしまうわ。ふふふ。」
私は品物を用意している店員に聞こえないように小言で言いながら、笑ってしまった。
そんな私をチラリと見た店員は、何を勘違いしているのか、私に微笑み返して、
品物を揃えるまでにもう少し待ってって下さいと言った顔をする。
私がいつものあのキュアートだとバラしたら、あの店員はどんな顔になるかしら?
きっと大騒ぎになるわよね。
でもそんな馬鹿な事をしたら、今度こそノウェムも大激怒しちゃうわね。
「母上・・・よからぬ事は、絶対にしないで下さいよ?」
「え?べ、別に何もしないわよ?!」
「なら・・・いいんですが・・・」
私はいきなり耳元でノウェムに注意されて、飛び上がりそうになるのを必死で堪えた。
やだ、ノウェムったら?私の考えがわかったのかしら?
流石、私の眷属達の中で長兄でいてくれるだけのことはあるわね。
ノウェムなら、その気になれば、とっくに私の眷属を離れ、
本喰人に昇格出来ていたでしょうに。
あの子は私への忠義を何よりも大事にしてくれている。
他の眷属達もそうなのだけれど。
昔の私であれば、信じられない現状かもしれない。
過去の私は、決して褒められた本喰人ではなかった。
2冊目よりは酷くないと思いたいけれども、過去の私は自分の眷属達を、
ここまで大事にするような本喰人ではなかった。
むしろ、自分の眷属を弄ぶようなことを平気でしていた、最低最悪な本喰人だった。
あの頃の私を十二達に知られたら・・・きっと軽蔑されちゃうわね。
いいえ、ノウェム達だって、軽蔑するだろうと思う。
自分達の兄達が、過去に私の所為でどんな目に遭わされたか知れば、
今からだって、私から離れるかもしれない。
私はそれを思うと、自業自得とは言え、心が苦しくなる。
あの過去の悪い癖を、今後は絶対に出してはいけないのだ。
もう2度と私の大事な眷属達を苦しめてはいけない。
そう誓ったのよ。過去のもう1冊のノウェムに・・・ね・・・
「もしもし?キュアートおば様?うんうん・・・あ、それがいいんですね?
わかりました♪私がお店の店員に言って用意させますね♪」
私は1人で二役をこなしながら、愛しの夫の為のプレゼントを買う為に、
いつものお店に来て買い物をしていた。
電話で指示された振りをしながら、お店の店員に、
目当ての商品をいくつか用意して貰っているところだった。
背後には、私の頼りにするノウェムが、不機嫌そうな顔をしながらも、
静かに黙って買い物に付き合ってくれている。
今回の事は相当怒ってるみたいね。無理もないか・・・
私があの子達に2冊目には気を付けろと言ったのに、こんな事になってしまったのだから、
私を日々守ろうとしてくれてる眷属達(こどもたち)からすれば、呆れる母親よね。
でも、今回はどうしても夫に今までの中で、最上級のプレゼントを
私は渡したかったのだ。
「あの頃、気弱な彼が精一杯の気持ちを込めて、私にプロポーズしてくれてから、
もう20年が経つのね。
色々な男性にプロポーズされて来たけど、あんなにも心を打たれたプロポーズは、彼だけだわ。
優しい眼差しなのに、瞳の奥には誰よりも真っ直ぐで熱い意思があって、
今も思い出すだけで、私は照れてしまうわ。ふふふ。」
私は品物を用意している店員に聞こえないように小言で言いながら、笑ってしまった。
そんな私をチラリと見た店員は、何を勘違いしているのか、私に微笑み返して、
品物を揃えるまでにもう少し待ってって下さいと言った顔をする。
私がいつものあのキュアートだとバラしたら、あの店員はどんな顔になるかしら?
きっと大騒ぎになるわよね。
でもそんな馬鹿な事をしたら、今度こそノウェムも大激怒しちゃうわね。
「母上・・・よからぬ事は、絶対にしないで下さいよ?」
「え?べ、別に何もしないわよ?!」
「なら・・・いいんですが・・・」
私はいきなり耳元でノウェムに注意されて、飛び上がりそうになるのを必死で堪えた。
やだ、ノウェムったら?私の考えがわかったのかしら?
流石、私の眷属達の中で長兄でいてくれるだけのことはあるわね。
ノウェムなら、その気になれば、とっくに私の眷属を離れ、
本喰人に昇格出来ていたでしょうに。
あの子は私への忠義を何よりも大事にしてくれている。
他の眷属達もそうなのだけれど。
昔の私であれば、信じられない現状かもしれない。
過去の私は、決して褒められた本喰人ではなかった。
2冊目よりは酷くないと思いたいけれども、過去の私は自分の眷属達を、
ここまで大事にするような本喰人ではなかった。
むしろ、自分の眷属を弄ぶようなことを平気でしていた、最低最悪な本喰人だった。
あの頃の私を十二達に知られたら・・・きっと軽蔑されちゃうわね。
いいえ、ノウェム達だって、軽蔑するだろうと思う。
自分達の兄達が、過去に私の所為でどんな目に遭わされたか知れば、
今からだって、私から離れるかもしれない。
私はそれを思うと、自業自得とは言え、心が苦しくなる。
あの過去の悪い癖を、今後は絶対に出してはいけないのだ。
もう2度と私の大事な眷属達を苦しめてはいけない。
そう誓ったのよ。過去のもう1冊のノウェムに・・・ね・・・