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第8章「1つには出来ない解答(こたえ)」

セアと六マスターを呼んで、この部屋に来て貰ってからは、
何もかもが素早く明日の予定が決まった。
このオレが舌を巻くほどに、イーリスもヴァンダムも、セアや六マスター、
それにキュアート様まで上手に言いくるめて、明日の予定を決めたのだ。
これには、オレも深い喜びを感じずにはいられない。
今後オレに何かあったとしても、他の眷属達は、ここまで頼れるとわかったのだから。

「と言う訳で、明日はこの予定でいいですよね?ノウェム兄さん?」
「ああ。何も問題ない。キュアート様も、これで宜しいですか?」
「ええ♪全く問題なしよ♪」
「六マスターもご協力願えますでしょうか?」
「うむ。構わぬぞ!実に楽しそうな作戦ではないか!」
「もうー六ちゃんったら!明日は私が大変だって言うのに!嬉しそうにして!!」

セアは六マスターの楽しそうな顔に、やや怒り顔で文句を言う。
セアめ。その外見を活かして、1日身代わりをやるくらい、文句を言うな。
日々、キュアート様の為に頑張ってる眷属達に申し訳ないと思わないのか。
オレはセアに怒りを覚えたが、六マスターの手前、黙るしかなかった。
今は仮にも、六マスターの恋人だからな・・・あのセアが。

「六。ごめんなさいね。私の我が儘に付き合わせる形になって。」
「いや。ヴァンダムの言う通りだ。こちらも守りばかりでは、埒が明かん。
少しはこちらも攻めの姿勢を見せるのも良いだろう。拙者もここにいるからな。
大いに協力するぞ。それに屋敷内の者達も、キュアート殿を本気で心配する者ばかりだった。
彼らにも気の毒だと、拙者も思っていたとこだったのだ。」
「あら。六がここまで言うのなら、本当に深刻だったのね・・・」
「ならお母様。明日は久しぶりに屋敷内でパーティーでもしたらどうかしら?」
「まぁ?パーティーを?」
「うん♪屋敷内で働いてくれる者達に感謝を込めて♪
お母様は元気だって♪敵にも、お前達なんて余裕だ!って見せつけちゃうくらいに!
それは盛大にやりましょうよ♪」
「ふふふ♪それはまた随分と大胆なパーティーね♪セア♪」

おいおい。セアめ。余計な事を言い出して・・・
オレは胃が痛くなりそうな気分になってしまった。変な提案はしないで欲しいものだ。
そうでなくても、明日は初めての身代わり作戦を決行すると言うのに。
あの感じだと、パーティーまでしないと収まりがつかなそうではないか。
オレが苦い顔をしていると、イーリスは俺の側にやって来て、耳打ちをする。

「これは・・・明日はパーティーの準備までしないと駄目でしょうか?」
「するしかないだろうな。考えたら、六マスターの歓迎会もまだしていなかったし、
セアも帰って来たのに、何もパーティーしていなかったからな。
もうここまで来たら、まとめてやれることはしてしまおう。」
「わかりました。では、明日のパーティの準備も手配しておきますね。」

オレとイーリスは、最後にお互いに苦笑いをして、キュアート様達を見守った。
さー明日は忙しくなりそうだな。
キュアート様の行く店にも予約を入れたりしなければいけない。
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