第8章「1つには出来ない解答(こたえ)」
オレは六マスターから気軽に出来る修行をいくつか教えて貰い、
その後はトト達を六マスターに託して、
キュアート様とイーリスの居る部屋に向かっていた。
そろそろイーリスと一緒に自分の家に帰り、またやるべきことをしなくてはと、
考えながら歩いていると、イーリスが困った声で、やや大声を上げていた。
どうしたんだ?珍しいな。あのイーリスがこんな声を出すとは。
オレはそう思い、急ぎ足でキュアート様の部屋に入った。
「どうしたんだ?イーリス?」
「あ、ノウェム兄さん・・・実は・・・」
オレがイーリスに声を掛けると、イーリスはオレが来た事で、少しだけ安心したようだが、
でも、すぐまた困った顔に戻ってしまった。
「母上が・・・あ、キュアート様がどうしても明日にいつも行ってるお店に行きたいと、
おっしゃってって・・・」
「何?本当か?イーリス?」
オレがイーリスの報告を聞き、眉を顰めていると、キュアート様が座っている椅子から、
若々しい声が聞こえてくる。
「本当よ♪ノウェム♪」
「え・・・?」
オレはその声の方向に顔を向けて、固まってしまった。
キュアート様の姿は、成人の女性から少女に変わってしまっていたのだ。
「な、何をされてるのですか!母上!!」
「もうーノウェムも怒るんだから!そんなに怒鳴らないで頂戴!」
「そうはいいますが・・・ここ最近のこの状況で、悪ふざけが過ぎますよ・・・」
「ほら!ノウェムも、怒るって言ったじゃないですか、母上。」
なるほど。こんな状況だったのか。イーリスが声が荒げるのもわかると言うものだ。
まさかキュアート様が少女に姿を変えるなんて、オレも全く予想していなかった。
「悪ふざけするつもりで、この姿になったんじゃないわ。
私だって、ノウェム達を苦しめる為にしたんじゃないの。」
「ではどんな理由で、その姿になられたんですか?」
「だからね?明日、どうしてもあのお店に行きたいの。
明日じゃないと、どーしても駄目なのよ!」
「あのお店と言うと、この時期ですから・・・まさか・・・
オスカー様へのいつものプレゼントを差し上げる為に?」
「そう♪流石ノウェムね♪すぐわかってくれて助かるわ♪」
「はぁ・・・そういうことか・・・」
オレはキュアート様がなんでこんな事をしたのか、すぐに理解した。
明日はキュアート様とオスカー様の大事な記念日の中の1つだった。
確か、オレの記憶が正しければ、オスカー様から初めて告白されて付き合うことになった日だとか、
キュアート様は言っていたな。
「あ、あの日でしたね!明日は!!」
イーリスもそれを思い出したのか、オレにも確認するかのような顔を向ける。
オレもイーリスに正解だと言わんばかりに頷いて答えてやった。
「ですが、キュアート様。今年はこんな危険な状況です。
キュアート様自身がお店に行くのは許すわけにはいきません。」
「ノウェムはそう言うと思ったから、私はこの姿になったのよ?
それでも駄目だと言うの?
私のお願いでも?それでも・・・駄目なの?」
「うむ・・・・・・」
キュアート様は恨めしそうな顔でオレを上目遣いで見てくる。
こんな状況でなければ、すぐにでも許すとこだろうが・・・
今回ばかりは、心を鬼にして許すわけにいかない。
これで外出を許して、2冊目側の罠にキュアート様がもしハマってしまったら、
オレはどうしたらいいと言うのだ。
キュアート様には悪いが、甘やかすわけにはいかなかった。
その後はトト達を六マスターに託して、
キュアート様とイーリスの居る部屋に向かっていた。
そろそろイーリスと一緒に自分の家に帰り、またやるべきことをしなくてはと、
考えながら歩いていると、イーリスが困った声で、やや大声を上げていた。
どうしたんだ?珍しいな。あのイーリスがこんな声を出すとは。
オレはそう思い、急ぎ足でキュアート様の部屋に入った。
「どうしたんだ?イーリス?」
「あ、ノウェム兄さん・・・実は・・・」
オレがイーリスに声を掛けると、イーリスはオレが来た事で、少しだけ安心したようだが、
でも、すぐまた困った顔に戻ってしまった。
「母上が・・・あ、キュアート様がどうしても明日にいつも行ってるお店に行きたいと、
おっしゃってって・・・」
「何?本当か?イーリス?」
オレがイーリスの報告を聞き、眉を顰めていると、キュアート様が座っている椅子から、
若々しい声が聞こえてくる。
「本当よ♪ノウェム♪」
「え・・・?」
オレはその声の方向に顔を向けて、固まってしまった。
キュアート様の姿は、成人の女性から少女に変わってしまっていたのだ。
「な、何をされてるのですか!母上!!」
「もうーノウェムも怒るんだから!そんなに怒鳴らないで頂戴!」
「そうはいいますが・・・ここ最近のこの状況で、悪ふざけが過ぎますよ・・・」
「ほら!ノウェムも、怒るって言ったじゃないですか、母上。」
なるほど。こんな状況だったのか。イーリスが声が荒げるのもわかると言うものだ。
まさかキュアート様が少女に姿を変えるなんて、オレも全く予想していなかった。
「悪ふざけするつもりで、この姿になったんじゃないわ。
私だって、ノウェム達を苦しめる為にしたんじゃないの。」
「ではどんな理由で、その姿になられたんですか?」
「だからね?明日、どうしてもあのお店に行きたいの。
明日じゃないと、どーしても駄目なのよ!」
「あのお店と言うと、この時期ですから・・・まさか・・・
オスカー様へのいつものプレゼントを差し上げる為に?」
「そう♪流石ノウェムね♪すぐわかってくれて助かるわ♪」
「はぁ・・・そういうことか・・・」
オレはキュアート様がなんでこんな事をしたのか、すぐに理解した。
明日はキュアート様とオスカー様の大事な記念日の中の1つだった。
確か、オレの記憶が正しければ、オスカー様から初めて告白されて付き合うことになった日だとか、
キュアート様は言っていたな。
「あ、あの日でしたね!明日は!!」
イーリスもそれを思い出したのか、オレにも確認するかのような顔を向ける。
オレもイーリスに正解だと言わんばかりに頷いて答えてやった。
「ですが、キュアート様。今年はこんな危険な状況です。
キュアート様自身がお店に行くのは許すわけにはいきません。」
「ノウェムはそう言うと思ったから、私はこの姿になったのよ?
それでも駄目だと言うの?
私のお願いでも?それでも・・・駄目なの?」
「うむ・・・・・・」
キュアート様は恨めしそうな顔でオレを上目遣いで見てくる。
こんな状況でなければ、すぐにでも許すとこだろうが・・・
今回ばかりは、心を鬼にして許すわけにいかない。
これで外出を許して、2冊目側の罠にキュアート様がもしハマってしまったら、
オレはどうしたらいいと言うのだ。
キュアート様には悪いが、甘やかすわけにはいかなかった。