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第2章「共同戦線」

そして、約束の次の日になり、朝の9時くらいに、2冊達は俺の本拠地に来た。
しかも、手土産まで、しっかりと持ってきて。

「これは、私達が集めた、上級品の本です。12冊目、どうぞお納め下さい。」
「あ、これは話題の恋愛の本ね♪トワちゃんにあげる♪」

24冊目は俺に、50冊目はトワに、それぞれ、飯になる本を渡してくる。
たぶん、俺が思うに、こういうのは24冊目の方がしっかりしているのだろう。
2冊達は、しっかりとスーツまで着て来ている。
やり取りがやり取りなだけに、まるでヤクザ映画のようだ。

「おいおい・・・ここまで、されても、俺はすぐに師匠にはならないからな?」

俺は変に期待されないように、釘をさした。2冊達は笑顔で、
そんなことは、わかりきっています!と言った顔をする。

「ねぇ・・・十二?私も、貰っていいの?」

トワは美味しそうな本に、もう目が釘づけだ。
こうなったら、駄目だと言っても聞かないだろう。

「ああ、丁度いいから、朝ごはんとして、貰っておけ。」
「わーい♪じゃー私は邪魔になるから、あっちに行ってるね♪」

トワは可愛い声を上げながら、自分の部屋に入ってしまった。
早速、味わっているのだろう・・・なんて本に育ってしまったのやら。
俺は、トワに呆れたが、すぐに気持ちを切り替え、2冊達と、
今後の事と、情報交換を行なった。

「24冊目、お前、13冊目に育てて貰ったんだってな?」
「はい。なので、12冊目の事は、実は聞いてました。」
「そうだったのか・・・」
「13冊目は、あの方は、前に困ったことがあったら、
12冊目を頼れと言ってました。優しい本だから、相談には
乗ってくれるだろうと。」
「ちぃ・・・13冊目め。全く・・・」

俺は、24冊目の話を聞いて、内心、照れさせられてしまった。
3冊目の元から、別れた時には、13冊目の方が、俺より
優しかった癖に、よく言う。

「なので、18冊目には、私が仲間のフリをして近づき、50冊目には、
12冊目を頼るようにしたのです。最悪は、50冊目を
助けて貰おうと・・・」
「そして、あんな事態になったわけか。」
「はい。私は死んでも良かった・・・
ごーちゃんさえ助かってくれれば・・・」
「にっちゃん・・・そんなの僕は嫌だよ。」

24冊目の話に50冊目は悲しい顔をして、見守る。
本当に、こういうやり取りは、俺は苦手だ。
嫌でも、36冊目の事を思い出してしまう。

「とりあえず、今後は24冊目、あんな危険な事はするな。」
「え?」
「こうして、知り合ってしまった以上は、知り合いして、
そういう相談には今後、乗ってやる。だから、大事な親友を
悲しませるような事は、絶対に二度とするな?わかったな?」

俺は真面目な顔で24冊目に、言い聞かせた。
24冊目も、真剣な顔で、俺の言葉に頷いてみせる。
この2冊達に、俺と同じ思いはさせたくないのは、正直な気持ちだった。
13冊目の願いでもあるのだから。助けてやって欲しいと。
それに、あんな悲劇など、そうそう遭って欲しくない。
俺は18から、何とか36冊目の本体の一部を、運よく救えたから、まだいい。
でも、もし、あの時に救い出すことも出来なかったら、
俺の今後の人生は後悔と悲しいだけで終わったかもしれない。
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