第8章「1つには出来ない解答(こたえ)」
「本喰人?それは一体何者なんだ?」
八百代は木本の話から出てきた、本喰人と言う存在に食いつく。
無理もない。普通に生活していたら、絶対に知り得ない存在だ。
人間で知ってる存在がいるとすれば、本喰人を生み出したとされる一族くらいだろう。
後は、稀な例としては本喰人にかなり信頼された人間か。
それこそ互いが本気で愛し合うくらい関係の・・・
私はそんな本喰人に、まだ出会ったことがないけど。
「それが祖母も母も、本喰人と言う存在が居て、一体どういう者達なのかは、
詳しくは知らなかったらしい。
ただ、その存在は俺達がある一族の生き残りだと知ったら、俺達を殺すかもしれないと言うんだ。」
「何とも物騒な話だな。お前の一族は、その本喰人やらに恨まれていたのか?」
「多分そうなんだろうと思う。だから絶対に自分の先祖の話を、
他人にするなと言われてたよ。
それこそ生涯を共にすると決めた者以外にはな。」
「うーん・・・どうも腑に落ちない話だな。」
「そう言われたとしても、俺もそれしか聞いてないんだ。」
八百代と木本はお互いに悩み、困り果てている。
これで、もし私が「その本喰人の1人です。」なんて名乗り出たら、
2人は飛び上がって逃げ出すかもしれないなーと思った。
しかし、木本の先祖は本喰人をかなり警戒していたようだ。
全ての本喰人がそこまで危険なわけがないのに、
どうしてそうなってしまったのだろう?
私が考えられる限りでは、2冊目側に敵意を向けられるようなことを、
した一族なのではないかと考えてみた。
今の私には、それくらいしか思いつかない。
「とにかくだ。木本は自分を殺した犯人に心当たりはないんだろう?」
「ないね。だから、もしかしたら、その本喰人やらに俺は殺されたかもしれないと思ったのさ。
俺を殺した犯人はこんな言葉を最後に言ったんだ。
「お前のような存在に我々を知る必要はない」
ってさ。」
「おい。それって・・・」
「な?普通の人間がこんな言葉を言う訳ないだろう?」
「うん。そんな事を言葉を最後に言うくらいだ。
普通の人間のやったことじゃなさそうだな。」
八百代達はお互いに意見を交わし合い、納得し合う。
私も2人の会話を聞きながら、自分なり考察してみるが、今は答えが出せそうにない。
「あ・・・朝になりそうだな・・・」
「もう、そんな時間になったんだな・・・」
八百代達と私は、その後も色々と話し込んでいて、すっかりと早朝の時間になっていた。
八百代も木本も、すっかり現世に未練は無くなったようで、
最後は2人は私に深く感謝してくれた。
「有難うございました。貴女のおかげで、親友は悪いモノから解放されて、
私と一緒に成仏出来そうです。」
「本当にご迷惑を掛けました。お嬢さん。俺達はあの世に逝ってしまいますが、
この恩は絶対に忘れません。」
「ふふ。良かったです。お2人が仲の良い親友同士に戻れて。
私も救われた気持ちになります。」
私は八百代と木本を交互に見て微笑んだ。
2人も私を見て、優しい笑顔で返してくれた。
そして、朝日が昇ると同時に、再度お礼の言葉を述べて、
2人は静かにあの世に旅立った。
それを見送った私は、これで四堂の出された試練は無事に済んだと感じる。
この建物から、四堂の仕掛けた罠の気配は全部消えたからだ。
八百代は木本の話から出てきた、本喰人と言う存在に食いつく。
無理もない。普通に生活していたら、絶対に知り得ない存在だ。
人間で知ってる存在がいるとすれば、本喰人を生み出したとされる一族くらいだろう。
後は、稀な例としては本喰人にかなり信頼された人間か。
それこそ互いが本気で愛し合うくらい関係の・・・
私はそんな本喰人に、まだ出会ったことがないけど。
「それが祖母も母も、本喰人と言う存在が居て、一体どういう者達なのかは、
詳しくは知らなかったらしい。
ただ、その存在は俺達がある一族の生き残りだと知ったら、俺達を殺すかもしれないと言うんだ。」
「何とも物騒な話だな。お前の一族は、その本喰人やらに恨まれていたのか?」
「多分そうなんだろうと思う。だから絶対に自分の先祖の話を、
他人にするなと言われてたよ。
それこそ生涯を共にすると決めた者以外にはな。」
「うーん・・・どうも腑に落ちない話だな。」
「そう言われたとしても、俺もそれしか聞いてないんだ。」
八百代と木本はお互いに悩み、困り果てている。
これで、もし私が「その本喰人の1人です。」なんて名乗り出たら、
2人は飛び上がって逃げ出すかもしれないなーと思った。
しかし、木本の先祖は本喰人をかなり警戒していたようだ。
全ての本喰人がそこまで危険なわけがないのに、
どうしてそうなってしまったのだろう?
私が考えられる限りでは、2冊目側に敵意を向けられるようなことを、
した一族なのではないかと考えてみた。
今の私には、それくらいしか思いつかない。
「とにかくだ。木本は自分を殺した犯人に心当たりはないんだろう?」
「ないね。だから、もしかしたら、その本喰人やらに俺は殺されたかもしれないと思ったのさ。
俺を殺した犯人はこんな言葉を最後に言ったんだ。
「お前のような存在に我々を知る必要はない」
ってさ。」
「おい。それって・・・」
「な?普通の人間がこんな言葉を言う訳ないだろう?」
「うん。そんな事を言葉を最後に言うくらいだ。
普通の人間のやったことじゃなさそうだな。」
八百代達はお互いに意見を交わし合い、納得し合う。
私も2人の会話を聞きながら、自分なり考察してみるが、今は答えが出せそうにない。
「あ・・・朝になりそうだな・・・」
「もう、そんな時間になったんだな・・・」
八百代達と私は、その後も色々と話し込んでいて、すっかりと早朝の時間になっていた。
八百代も木本も、すっかり現世に未練は無くなったようで、
最後は2人は私に深く感謝してくれた。
「有難うございました。貴女のおかげで、親友は悪いモノから解放されて、
私と一緒に成仏出来そうです。」
「本当にご迷惑を掛けました。お嬢さん。俺達はあの世に逝ってしまいますが、
この恩は絶対に忘れません。」
「ふふ。良かったです。お2人が仲の良い親友同士に戻れて。
私も救われた気持ちになります。」
私は八百代と木本を交互に見て微笑んだ。
2人も私を見て、優しい笑顔で返してくれた。
そして、朝日が昇ると同時に、再度お礼の言葉を述べて、
2人は静かにあの世に旅立った。
それを見送った私は、これで四堂の出された試練は無事に済んだと感じる。
この建物から、四堂の仕掛けた罠の気配は全部消えたからだ。