第8章「1つには出来ない解答(こたえ)」
「ん・・・ここは・・・?へ?八百代?」
「気が付いたのか?木本?」
「どうして八百代がここに居るんだ?!」
「どうしてって・・・お前なぁ・・・」
大した時間もかからずに木本は意識を取り戻した。
そして、自分の側にいる八百代に気付いて、寝ていた身体を起こして驚愕していた。
この調子だと、今までの自分の記憶が曖昧になっていそうだった。
あの影から解放されたことによる衝撃の所為なのだろうか?
「お前の所為だろうが、私がここにいるのは。」
「俺の所為?どうしてだ?俺は八百代をこんな場所に呼んだ覚えはないぞ?
と言うか、そもそもここはどこなんだ?」
「お前・・・さっきまでの記憶が全くないのか?」
木本のこの様子に今度は八百代が呆れつつも驚いた。私も2人のやり取りを見て、
唖然としそうになった。
八百代は私を見て、これは一体どういうことなのだろうか?と言った顔をする。
しかし、私の方も同じ気持ちで、説明が難しい状態だった。
それから数分後。
八百代は私を最初に木本に紹介して、今までの状況を軽く説明してくれた。
彼の説明は実に明確でわかりやすかった。なので、私は少しだけ八百代が、
説明に困る場所だけ助言した感じで済んだ。
木本の方も親友の説明だったのもあり、普通なら信じられそうにない話では、
あったがすぐに信じてくれた。
「俺は、お前にそんな迷惑を掛けてしまったのか・・・
本当に申し訳ない。八百代。お前をそこまで苦しめることになっていたなんて思わなかった。
ごめん・・・本当にごめんなさい。」
「いや、いいんだ。もう互いに死んだ身だ。私はお前が金銭目当てで、
あの本を盗んだとは思ってなかったし、余程の事情があったんだと思っていた。
だから、お前の事を恨んだりはしてなかったさ。ただ強いて言うなら寂しかったよ。
なんで頼ってくれなかったのかってさ。」
「八百代・・・すまない。俺は・・・一時的にあの本を借りるだけのつもりだったんだ。
死ぬ気なんてなかった。読むだけ読んだら、ちゃんと返すつもりでいたんだ。」
「何?そうだったのか?」
「ああ。だけど、俺はあの本を持ち帰った日の夜に、自宅で誰かに殺されてしまったらしいんだ。
あの本を読む前にな・・・」
「え?!」
木本の衝撃的な告白に、八百代も私でさえもたまげた。
とすると、木本は自殺したのではなく、何者かによって自殺に見せかけられ、
殺されてしまったと言うのか?
一体、誰が何の為に?まさか、あの2冊目が?
「じゃあ、お前は自殺したわけじゃなかったんだな?」
「そうだ。俺が自殺なんかするもんか。あの本がどうしても読みたくて、
必死に持ち帰ったのに、その日に死ぬなんて有り得ない。」
「と言うか、どうして、そこまであの本にこだわったんだ?」
「実は・・・八百代、お前にも話してなかったけど、俺の先祖は日本人じゃないらしいだ。
どこかヨーロッパ圏にある国で、特殊な力と言うのかな?
魔女狩りみたいな迫害から逃れる為に、日本に亡命した者達らしいんだ。」
「ほう。お前の先祖はそういう人達だったのか?」
「うん。それで俺は小さい頃に祖母から、その話をされてな。
それから、つい最近では亡くなった母からも、その話をされたんだ。
けど、決して他人には言うなと・・・
特に本喰人と名乗る存在には、と言われたんだ。」
「え?」
私は木本の話に言葉を失った。ここでまさか、本喰人の話が出るなんて、
私は全く想像していなかった。
「気が付いたのか?木本?」
「どうして八百代がここに居るんだ?!」
「どうしてって・・・お前なぁ・・・」
大した時間もかからずに木本は意識を取り戻した。
そして、自分の側にいる八百代に気付いて、寝ていた身体を起こして驚愕していた。
この調子だと、今までの自分の記憶が曖昧になっていそうだった。
あの影から解放されたことによる衝撃の所為なのだろうか?
「お前の所為だろうが、私がここにいるのは。」
「俺の所為?どうしてだ?俺は八百代をこんな場所に呼んだ覚えはないぞ?
と言うか、そもそもここはどこなんだ?」
「お前・・・さっきまでの記憶が全くないのか?」
木本のこの様子に今度は八百代が呆れつつも驚いた。私も2人のやり取りを見て、
唖然としそうになった。
八百代は私を見て、これは一体どういうことなのだろうか?と言った顔をする。
しかし、私の方も同じ気持ちで、説明が難しい状態だった。
それから数分後。
八百代は私を最初に木本に紹介して、今までの状況を軽く説明してくれた。
彼の説明は実に明確でわかりやすかった。なので、私は少しだけ八百代が、
説明に困る場所だけ助言した感じで済んだ。
木本の方も親友の説明だったのもあり、普通なら信じられそうにない話では、
あったがすぐに信じてくれた。
「俺は、お前にそんな迷惑を掛けてしまったのか・・・
本当に申し訳ない。八百代。お前をそこまで苦しめることになっていたなんて思わなかった。
ごめん・・・本当にごめんなさい。」
「いや、いいんだ。もう互いに死んだ身だ。私はお前が金銭目当てで、
あの本を盗んだとは思ってなかったし、余程の事情があったんだと思っていた。
だから、お前の事を恨んだりはしてなかったさ。ただ強いて言うなら寂しかったよ。
なんで頼ってくれなかったのかってさ。」
「八百代・・・すまない。俺は・・・一時的にあの本を借りるだけのつもりだったんだ。
死ぬ気なんてなかった。読むだけ読んだら、ちゃんと返すつもりでいたんだ。」
「何?そうだったのか?」
「ああ。だけど、俺はあの本を持ち帰った日の夜に、自宅で誰かに殺されてしまったらしいんだ。
あの本を読む前にな・・・」
「え?!」
木本の衝撃的な告白に、八百代も私でさえもたまげた。
とすると、木本は自殺したのではなく、何者かによって自殺に見せかけられ、
殺されてしまったと言うのか?
一体、誰が何の為に?まさか、あの2冊目が?
「じゃあ、お前は自殺したわけじゃなかったんだな?」
「そうだ。俺が自殺なんかするもんか。あの本がどうしても読みたくて、
必死に持ち帰ったのに、その日に死ぬなんて有り得ない。」
「と言うか、どうして、そこまであの本にこだわったんだ?」
「実は・・・八百代、お前にも話してなかったけど、俺の先祖は日本人じゃないらしいだ。
どこかヨーロッパ圏にある国で、特殊な力と言うのかな?
魔女狩りみたいな迫害から逃れる為に、日本に亡命した者達らしいんだ。」
「ほう。お前の先祖はそういう人達だったのか?」
「うん。それで俺は小さい頃に祖母から、その話をされてな。
それから、つい最近では亡くなった母からも、その話をされたんだ。
けど、決して他人には言うなと・・・
特に本喰人と名乗る存在には、と言われたんだ。」
「え?」
私は木本の話に言葉を失った。ここでまさか、本喰人の話が出るなんて、
私は全く想像していなかった。