第8章「1つには出来ない解答(こたえ)」
私は自分の能力を使って、八百代と木本の繋がりが深そうな、
赤い表紙の警備日誌に八百代を憑依させた。
八百代は最初こそ驚き、戸惑いはしながらも、無事に警備日誌に憑依して、
無事に1階に来ることが出来た。
そんな八百代からは歓喜の声さえ聞こえてくる。
「久しぶりだなぁ・・・屋上からでしか、この建物を観察出来なかったが、
1階はこんな感じだったなぁ。1階は警備室もあるから、思い入れがあります。
有難う。貴女のおかげで、やっと屋上から移動して、木本に会えるかもしれないのだから。」
「お礼なんて、不要ですよ。これは私にも実は関係があることなんです。
詳しくは私の事情は言えないのですが・・・」
「そうなのですか?ですが、私は無理には聞かないことにします。
貴女が私を助けてくれているのは間違いないのですから。」
八百代はそう言って、穏やかな顔で私を気遣ってくれた。
この八百代と言う男が、あの四堂に気に入られたのが、私はなんとなくわかる気がした。
きっと、八百代と言う男は、私達本喰人にとっては、心地良く感じる人間なのだろう。
読書好き、とにかく本が好きな人間には本喰人は、好感を抱きやすいと聞いたことがある。
八百代もその類の人間なのだろうと、私は実感した。
「では、次は地下室を目指しましょう。」
「そうですね。例の影の存在に早く会いたいです。」
私達が会話しながら、地下室の方に顔を向けると、聞き覚えのある声と姿が、
信じられないことに、少しだけ離れた場所の目の前に現れた。
「う、嘘?!まさか地下から上がって来た?」
「え?あ、あれが例の影の存在なのですか?」
「はい。あれがそうです。」
私は驚きながらも、八百代に答えた。八百代も私の答えを聞いて、緊張した面持ちになる。
私達と影の存在との間に張りつめた空気が生まれる。
しかし、私達は向こうの存在に気付いたが、例の影の存在はまだ私達に気付いている様子はなかった。
ただ、警備室だと思われる部屋の前に立ち止まり、何やら呻き声を出しているような感じだった。
「ぐぐぐ・・・や゛おじろ・・・」
「?!」
そう影の存在が言葉を発した時に、八百代は素早く反応した。
そしてつい大声を出してしまう。影の存在に向かって。
「木本!!お前は木本なのか!!!」
「がぁ?!」
私がこれはマズいと思った時には遅かった。
影の存在は八百代の言葉に気付き、私達を認識してしまった。
禍々しいオーラが一気に発生られ、敵は私達を威嚇しながら、鋭く睨んできた。
「なんて姿になってしまったんだ、木本・・・まるで面影がない・・・酷い有様だ。
何がお前をそこまで変えてしまったんだ・・・木本・・・」
八百代は影の存在、いや怨霊化してしまった木本を見て、深い悲しみに沈む。
元同僚であり、親友でもあった木本に八百代は哀れんだ。
木本から強い憎しみのようなものを向けられても、八百代はたじろぎもしない。
ただあんな姿になった親友を心配していた。
2人の今の関係に、私は心を痛めていた。しかし、このまま警戒を解くわけにもいかない。
相手はこちらを敵としてしか見ていないのだ。
赤い表紙の警備日誌に八百代を憑依させた。
八百代は最初こそ驚き、戸惑いはしながらも、無事に警備日誌に憑依して、
無事に1階に来ることが出来た。
そんな八百代からは歓喜の声さえ聞こえてくる。
「久しぶりだなぁ・・・屋上からでしか、この建物を観察出来なかったが、
1階はこんな感じだったなぁ。1階は警備室もあるから、思い入れがあります。
有難う。貴女のおかげで、やっと屋上から移動して、木本に会えるかもしれないのだから。」
「お礼なんて、不要ですよ。これは私にも実は関係があることなんです。
詳しくは私の事情は言えないのですが・・・」
「そうなのですか?ですが、私は無理には聞かないことにします。
貴女が私を助けてくれているのは間違いないのですから。」
八百代はそう言って、穏やかな顔で私を気遣ってくれた。
この八百代と言う男が、あの四堂に気に入られたのが、私はなんとなくわかる気がした。
きっと、八百代と言う男は、私達本喰人にとっては、心地良く感じる人間なのだろう。
読書好き、とにかく本が好きな人間には本喰人は、好感を抱きやすいと聞いたことがある。
八百代もその類の人間なのだろうと、私は実感した。
「では、次は地下室を目指しましょう。」
「そうですね。例の影の存在に早く会いたいです。」
私達が会話しながら、地下室の方に顔を向けると、聞き覚えのある声と姿が、
信じられないことに、少しだけ離れた場所の目の前に現れた。
「う、嘘?!まさか地下から上がって来た?」
「え?あ、あれが例の影の存在なのですか?」
「はい。あれがそうです。」
私は驚きながらも、八百代に答えた。八百代も私の答えを聞いて、緊張した面持ちになる。
私達と影の存在との間に張りつめた空気が生まれる。
しかし、私達は向こうの存在に気付いたが、例の影の存在はまだ私達に気付いている様子はなかった。
ただ、警備室だと思われる部屋の前に立ち止まり、何やら呻き声を出しているような感じだった。
「ぐぐぐ・・・や゛おじろ・・・」
「?!」
そう影の存在が言葉を発した時に、八百代は素早く反応した。
そしてつい大声を出してしまう。影の存在に向かって。
「木本!!お前は木本なのか!!!」
「がぁ?!」
私がこれはマズいと思った時には遅かった。
影の存在は八百代の言葉に気付き、私達を認識してしまった。
禍々しいオーラが一気に発生られ、敵は私達を威嚇しながら、鋭く睨んできた。
「なんて姿になってしまったんだ、木本・・・まるで面影がない・・・酷い有様だ。
何がお前をそこまで変えてしまったんだ・・・木本・・・」
八百代は影の存在、いや怨霊化してしまった木本を見て、深い悲しみに沈む。
元同僚であり、親友でもあった木本に八百代は哀れんだ。
木本から強い憎しみのようなものを向けられても、八百代はたじろぎもしない。
ただあんな姿になった親友を心配していた。
2人の今の関係に、私は心を痛めていた。しかし、このまま警戒を解くわけにもいかない。
相手はこちらを敵としてしか見ていないのだ。