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第2章「共同戦線」

最近の新しい日課になりつつある、トワの悲鳴と怒声が始まる。

「ちょっと!本当にしつこいんだけど!
大体!気軽に2階に来ないでよ!」
「そんなートワちゃん!そんな事言わないでさ!
僕達も仲間に加えてよ!」
「12冊目が、私達の師匠になってくれるまで、毎日挨拶に
伺うと、伝えてあるはずです。」

騒ぐトワに、いつものナンパ口調の50冊目と、冷静で的確な答えを返す24冊目。
そして、そこに登場する、いつもの俺。
トワも、50冊目も、24冊目も、若い分だけあって、騒がしいこと、この上ない。

「うるさい!!!毎度、毎度、いい加減にしろ!!!」
「お!おはようございます!師匠!」
「おはようございます。師匠。」
「はぁ・・・・・・」

で、最後はこのパターンである。こんな感じで悩むことになるのなら、
18を倒した後で、こいつらと、さっさと別れておけば、
良かったと俺は後悔した。時は、1か月ほど前に遡る。

「弟子にして下さい!!!」

俺と、2冊達は、俺の本拠地に帰ってくるなりに、24冊目が先に俺に土下座した。
そして、慌てて、50冊目も、24冊目と同じ真似をする。

「何の真似だ?」

俺は冷ややかな口調で言う。俺は、こんなことをされたくて、
2冊達を招き入れたわけじゃない。
今後の事を考えて、お互い情報交換だけは、すべきだと思っただけなのだ。
しかし、24冊目も、50冊目も、この後、1時間は土下座して、
頭を下げたまま、押し問答が続く。

「弟子にして下さい!お願いします!12冊目!!」
「だから・・・何度言えばいいんだ。俺は弟子とか、
そういうのに興味はない。」
「でも、僕達には12冊目みたいな存在が、必要なんです!」
「ねぇ?十二・・・ちょっとは考えてあげたら?」

最後には、流石にトワまでが、同情する有様だ。
俺は仕方がなく、このままでは、埒が明かないと思い、
考えさせてくれと嘘をついて、2冊達を納得させることにした。
今、思えば、それがいけなかったわけだが。

「24冊目、今日はお前は身体が、まだ本調子じゃないはずだ。
だから、今日は、もうこのまま帰れ。」
「ですが・・・まだ話が・・・」
「うるさい!!文句言うなら、師匠の話は無しにするぞ!!」
「わ、わかったよ!今日は、大人しく帰ろうよ?にっちゃん?ね?」
「そうだね・・・ごーちゃん。」

2冊の可愛らしいやり取りに、あのトワも、驚いた顔で見守っていた。
俺も、あやうく、甘やかしそうになったが、気を引き締めた。

「とりあえずは、先に明日は、今後について話す。情報交換とか、
出来る限りのことはしたいからな。だから、安心して、
今日はしっかり休め。俺も、体力の限界だからな。」

俺は、あれだけの能力を今日で一気に使ってしまい、本当は、
いつぶっ倒れてもおかしくなかった。
だが、トワの手前もあったので、そんな情けない姿を見せる
わけには、いかなかったのだ。
だから、早く話し合いをしたかったと言うのに。予定が狂ってしまった。

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