第8章「1つには出来ない解答(こたえ)」
屋上に続く階段には、地下室に居た敵の様な存在が待ち構えてることなどなく、
すんなりと屋上に出ることは出来た。
四堂に言われて来ることになった、この建物に入ってから、
そんなに時間が経っているわけではないが、それでも外の空気を
吸えて、気持ちが大分落ち着く。
屋上からは、綺麗な月明かりも見えて、暗くじめっとした陰鬱な建物内から出れたことで、
少しの開放感を感じた。
外の冷たい風は、いつもの冷静さも取り戻させてくれる。
出来る事なら、このまま屋上から、上手い具合にこの建物から脱出が、
出来ればなぁーと考えもするが、屋上に出て、建物の周りに結界が、
張れているのを感じて、やっぱり無理そうだと実感した。
能力を使い屋上から脱出するのは、四堂の中ではズル扱いみたい。
私は、気分を入れ替えて、あのラジオから聞こえてきた声の主を
探すことにした。
「あの声の主は、男性そうでしたが・・・屋上のどこにいるのかしら?」
私は屋上を隅々まで見渡して見た。すると、赤いカバーの本のような物が目に入って来た。
その赤い本のような物は、屋上の床に無造作に置かれている。
私はゆっくりと近づき、周りを気にしながらも、それを手に取った。
「これは、本じゃなくて・・・日誌?」
赤い本のような物は、見た目中身は黄ばんで古びてはいたが、
ボロボロで読めないと言う感じではなかった。
じっくりと表紙を見ると、この建物の警備日誌のようだ。
「長い間、外にあった物にしては、形状は悪くないですね。
これは、あのラジオを聞くと、これが屋上に出現するように
細工した感じかしら?」
私は冷静になって、この赤い表紙の警備日誌と今の状況を分析してみた。
屋上に長年屋根もないとこで、雨ざらしにされていた物なら、こんな綺麗な状態で、
この警備日誌があるわけがない。もし、仮に残っていても、
それこそボロボロで手に取る前に崩れて無くなるだろう。
古びた物ではあるが、この警備日誌から、普通ではないオーラみたいなものさえ感じた。
「それは、私とある男が書き綴った物だ・・・」
「?!」
私は背後から声が聞こえて、咄嗟に後ろを振り返った。
そこには、悲しい顔をした男性が立っており、私を虚ろな、生気のない目で見ていた。
「あのラジオから聞こえてきた声に、そっくりと言う事は・・・」
まさに、背後に立っていた、この幽霊の男性こそが自分が探していた人物そうであった。
男性の姿は、一瞬だけ軍服のような印象も受けるが、
警備員と言われれば、それはそれでおかしくない感じの服装だった。
ただ、現代よりはかなり古い時代の服装だ。
見た目の歳は、30代前後そうで、警備の仕事をしている為か、
体つきはしっかりしていそうだった。
相手は幽霊だから、もし敵になって戦う事になっても、肉弾戦とかにはならなそうで良かった。
私は、目の前に現れた幽霊の男性を見て、そんな事をちょっとだけ考えてしまった。
こういう考えって、まるで六の師匠さんや、十二みたい。
私も、なんだかんだで、あの2冊達の影響を受けてたのかな?
昔だったら、きっとそんなことは無かっただろうなと思った。
すんなりと屋上に出ることは出来た。
四堂に言われて来ることになった、この建物に入ってから、
そんなに時間が経っているわけではないが、それでも外の空気を
吸えて、気持ちが大分落ち着く。
屋上からは、綺麗な月明かりも見えて、暗くじめっとした陰鬱な建物内から出れたことで、
少しの開放感を感じた。
外の冷たい風は、いつもの冷静さも取り戻させてくれる。
出来る事なら、このまま屋上から、上手い具合にこの建物から脱出が、
出来ればなぁーと考えもするが、屋上に出て、建物の周りに結界が、
張れているのを感じて、やっぱり無理そうだと実感した。
能力を使い屋上から脱出するのは、四堂の中ではズル扱いみたい。
私は、気分を入れ替えて、あのラジオから聞こえてきた声の主を
探すことにした。
「あの声の主は、男性そうでしたが・・・屋上のどこにいるのかしら?」
私は屋上を隅々まで見渡して見た。すると、赤いカバーの本のような物が目に入って来た。
その赤い本のような物は、屋上の床に無造作に置かれている。
私はゆっくりと近づき、周りを気にしながらも、それを手に取った。
「これは、本じゃなくて・・・日誌?」
赤い本のような物は、見た目中身は黄ばんで古びてはいたが、
ボロボロで読めないと言う感じではなかった。
じっくりと表紙を見ると、この建物の警備日誌のようだ。
「長い間、外にあった物にしては、形状は悪くないですね。
これは、あのラジオを聞くと、これが屋上に出現するように
細工した感じかしら?」
私は冷静になって、この赤い表紙の警備日誌と今の状況を分析してみた。
屋上に長年屋根もないとこで、雨ざらしにされていた物なら、こんな綺麗な状態で、
この警備日誌があるわけがない。もし、仮に残っていても、
それこそボロボロで手に取る前に崩れて無くなるだろう。
古びた物ではあるが、この警備日誌から、普通ではないオーラみたいなものさえ感じた。
「それは、私とある男が書き綴った物だ・・・」
「?!」
私は背後から声が聞こえて、咄嗟に後ろを振り返った。
そこには、悲しい顔をした男性が立っており、私を虚ろな、生気のない目で見ていた。
「あのラジオから聞こえてきた声に、そっくりと言う事は・・・」
まさに、背後に立っていた、この幽霊の男性こそが自分が探していた人物そうであった。
男性の姿は、一瞬だけ軍服のような印象も受けるが、
警備員と言われれば、それはそれでおかしくない感じの服装だった。
ただ、現代よりはかなり古い時代の服装だ。
見た目の歳は、30代前後そうで、警備の仕事をしている為か、
体つきはしっかりしていそうだった。
相手は幽霊だから、もし敵になって戦う事になっても、肉弾戦とかにはならなそうで良かった。
私は、目の前に現れた幽霊の男性を見て、そんな事をちょっとだけ考えてしまった。
こういう考えって、まるで六の師匠さんや、十二みたい。
私も、なんだかんだで、あの2冊達の影響を受けてたのかな?
昔だったら、きっとそんなことは無かっただろうなと思った。