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第8章「1つには出来ない解答(こたえ)」

私は扉を開ける為に、まずは扉の周りを調べ直した。
この扉を開ける為の鍵を探し出すヒントが、必ずあるはずだと思ったからだ。
でなければ、四堂が私に試練と言ったのが不公平になる。

「ん?このメモ紙は・・・」

私は最初建物に入った時には気付かなかった、扉の側に落ちていた
葉書サイズくらいのメモ紙を見つけた。
そこには、過去にこの建物の警備をしていた者が、
同僚の警備員に向けて書いたであろう内容が書かれていた。

「えっと・・・この建物の所有者の指示で、表扉の予備の鍵は警備室に
ある金庫にしまっておくようにとのこと・・・
これが、この扉の鍵のヒントみたいですね。」

私はメモの内容を確認し、そのメモを自分のカバンに一旦しまい、
メモに書かれていた、警備室を探すことにした。

「警備室は、1階かな?どこかに建物全体の地図とかあればいいんですが・・・」

とりあえず、1階に警備室があるか探しながらも、
私は建物全体の地図もないかと一緒に探してみた。
地下の敵のように、1階にも敵が存在するのではないかと、慎重に行動しながらも、
私は今度は無事に警備室を見つけることが出来た。

「資料室の時と同じように、まずは最初に部屋の中を調べた方が良さそうですね。」

言葉の通りに、私は式神を呼び出し、警備室の中も丹念に調べてから入室した。
警備室は地下の資料室とは違い、窓があるので外からの月明りなどで、真っ暗ではなかった。
けれども、四堂の仕組んだ罠の所為なのか、不気味さは相変わらずだけど。

「えっと・・・予備の鍵は金庫の中と、メモにありましたよね。」

私はメモに書かれていた金庫を探してみる。その金庫は部屋に奥に、
どっしりとした重圧感で置いてあった。
年代物の黒色のボックス型で私の腰くらいの高さがある、立派な金庫だった。
室内にあったのもあってか、埃は被っていても、酷く錆びれた感じではないので、
開けることは難しくなさそうだった。

「金庫は、ダイヤル式ですか・・・これは鍵を取る前に、
今度は金庫の暗証番号が必要ですね。」

警備室内をもう一度確認してみるが、金庫はこの目の前の金庫しかなさそうだった。
私は、今度は金庫を開ける為の暗証番号を探すことになった。
警備室にある机や引き出しの中などを調べていくうちに、
私はある物を見つけて、捜索の手が止まる。

「これって・・・まさか!?」

手に取ったある1枚の写真に、私の目は釘付けになった。
その写真には3人の人物が写っていて、1人は四堂だとすぐにわかる。
後の2人は、じっくりと観察したが、私には全く面識がなかった。

「もしかして、どちらかが2冊目?」

私は何となくそう思った。古びた写真ではあるが、それでも明確に顔はわかる。
この写真も貴重そうだと思った私は、大事にカバンの中に、この写真をしまった。
無事に建物から脱出が出来たら、この写真も二四とゴートンに
見せられたらいいな。
出来るなら、十二にも確認出来たら良かったのだけれど、どうしても急ぐなら、
携帯でこの写真を撮って、トワちゃんにメールで添付する方法でもいいかもしれない。
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