私達は新幹線で、もろもろの移動込みで３時間半ちょいで横浜に
無事に着いた。
二四は実に手際良く、乗車券などを買ってくれたので、
私やゴートンは何も気兼ねすることなく、新幹線に乗り込んだ。
私は新幹線の中で、気になっていた小説があったので、
読んでいたのだが、途中でいつの間にか寝てしまったみたい。
横浜に着く、ちょっと前に二四に起こして貰う事になってしまった。

「さて、ごーちゃん。ごーちゃんの言っていた目的地に、早速行こうか？
まだ４時前だから、お店とかなら開いてるでしょ？」
「そうだね。僕の調べたところによると、伊勢佐木町から、
ちょいと離れた場所で古美術商をやってるお店があって、
その店主が、例の噂に詳しい人らしいんだ。」
「古美術のお店ですか、横浜にあるお店なら、お洒落で高級そうなお店そうですね。」

私はゴートンの言葉に、自分なりのイメージを思い浮かべる。
ゴートンも、ワクワクと楽しそうに私に答える。

「横浜のしかも伊勢佐木町の近くなら、お洒落そうだよね♪
僕も楽しみにしてるんだ。色々な意味でさ！」
「ごーちゃん。楽しみなのはわかるけど、２冊目の不穏な動きにも
ちゃんと注意してよ？」
「わかってるって！にっちゃん！」
「本当かなぁ・・・？」

二四は軽く半目になって、浮かれ気味のゴートンを怪しむ。
二四とゴートンは、本当に仲がいいので、私はいつも２冊達の
やりとりに、クスっと笑ってしまう。

「まぁまぁーそう言わずにさ！目的のお店も今携帯で調べたし！
早速移動しようよ！」
「そうだね。行ってみよう。」
「そうですね♪」

私達は、周りを少しは警戒しながらも、ゴートンの言ったお店を探して移動を開始した。
そして、数分もしないで見つけられたのは良かったのだけれど・・・

「まさか、閉店しちゃってるなんて・・・」
「これは、予想外だったね・・・ごーちゃん。」
「そんな事って・・・」

私達は、ゴートンが目的としていたお店が、閉店していて、気が抜けてしまっていた。

「そんな・・・だって、僕にチャットで教えてくれた人は、
お店は、まだやってるみたいな言い方してたのに・・・
にっちゃんも、チャット一緒に見た時に、そう思ったよね？」
「うん。私もごーちゃんと同じ気持ちで、チャット見ていたよ。
これは、教えてくれた相手も閉店してるなんて、思ってなかったのかもな・・・」
「クソ・・・せっかく、横浜まで来たのに、
これじゃ、僕はカッコ悪すぎて、二四と四四ちゃんにあわせる顔がないよ・・・」

ゴートンは、心底悔しそうな顔で、閉店と無情に書かれた張り紙がしてある、
お店のシャッターを睨んでいた。
私もゴートンと同じ立場だったら、かなり悔しいと思う。

「お店は閉店してしまってるみたいだけど、ちょっとお店の周りも調べてみようよ。ごーちゃん。
もしかしたら、このお店の店主の事を知ってる、ご近所さんとかいるかもしれないよ？」
「そうですよね！二四の言う通りです！ゴートン！調べてみましょうよ！
せっかく横浜に来たのに、何もしないままなんて、癪じゃないですか！
やれることをしてみましょう！」
「にっちゃん、四四ちゃん・・・そうだよね！有難う！励ましてくれて♪」

ゴートンは嬉しそうな笑顔で、私と二四を見て、元気を取り戻す。
そうして、私達は目的地としていた、お店の周りの民家や、
別のお店などに聞き込みをすることにした。