第7章「思い出していくほどに・・・」
私が4冊目の言葉に悩み、何も言えないでいると、4冊目は私の返事など気にせずに、
更に淡々と会話を続ける。
「私の言葉に四四は困惑しているだろうね。でも、2冊目は四四の事は、
12冊目側の仲間としてよりも、私側の存在として見てるはずだよ。」
「そ、そうなんでしょうか?」
「間違いない。お前を人質に取れれば、2冊目は私が自分の言う事を聞くと確信している。」
「け、けど実際は、そんなことありませんよね?」
私は4冊目の言葉に疑いを持ちながらもそう聞いた。
あの4冊目が、いくら私を育てたからとは言っても、
2冊目の人質に取られたくらいで、素直に2冊目の言う事を聞くわけがない。
そんな性格なわけがないはずだ・・・あの4冊目が・・・
「四四。今の私はお前を失うわけにはいかない。
だから、今一度言うよ?帰って来るんだ。私の元に。」
「で、でも、私には私のやりたい事が・・・」
「それは横浜に行って、本喰人を創り出した人間達を探す事かい?」
「どうしてそれを?まさか・・・」
「ふっ。そのまさかさ。四四にまた嫌われたくないから、極力はしたくは無かったけどね。
でも今回はしょうがない。それ程までに、事態が良くない方向に急に進んでいるからね。
こんなのは、かなり久しぶりのことだよ。
2冊目側の状況がこんなにも変わりそうなのはね。」
4冊目は真面目なままの声で、私にそう告げる。
式神を使い、最近の私の行動を監視していたわけね。
けど、あの他人に流されない、マイペースな4冊目が、ここまで言うからには、
相当、事態が深刻に動いたのだと私は知った。
そして、私は確認せずにはいられなかったことを、4冊目に尋ねる。
「こんな事態になったのは、12冊目がはっきりと2冊目に敵対する意思を見せたからですか?」
「四四・・・お前・・・そこまで知っていたのかい?」
「12冊目本人から聞きましたから・・・」
「うーん・・・となると、ますます不都合だねぇ・・・私としても。」
私の質問に、4冊目は冗談抜きで困ったような声を出す。
私がしてしまった質問は、私自身にも良くない質問だったようだ。
「12冊目側の事情にも詳しいのなら、ますます四四の身が危ない。
お前の人質としての価値を2冊目が明確に知ったのなら、
容赦なくお前を襲うだろう。
そうなる前に、やっぱり四四は私の元に帰って来るべきだ。
私なら確実に守ってやれる。だが24冊目や50冊目では、無理だ。
最近、6冊目に修行して貰ったとは言ってもね?」
「でも、24冊目や50冊目も私には大切な仲間で友達です!」
「そうです。四四は、私達の大事な仲間であり友ですよ?4冊目。」
「二四?!」
私は自分の背後に近づいていた二四に気付けずに一瞬だけ驚いた。
そして、それは電話の向こうの4冊目も同じようだった。
「私の四四に、ちょっかい出してる下巻の24冊目か。生意気な挨拶をする男だね。」
4冊目は二四に対して、私と仲良くしている所為で、あからさまに嫉妬して嫌悪感を滲ませた声を出す。
2冊はこの場に居ないはずなのに、まるでお互いが火花を散らしているかのような雰囲気を、
私は何故だか感じてしまった。
居心地の悪い時間が数分続き、私は少しだけ胃が痛くなりそうだった。
更に淡々と会話を続ける。
「私の言葉に四四は困惑しているだろうね。でも、2冊目は四四の事は、
12冊目側の仲間としてよりも、私側の存在として見てるはずだよ。」
「そ、そうなんでしょうか?」
「間違いない。お前を人質に取れれば、2冊目は私が自分の言う事を聞くと確信している。」
「け、けど実際は、そんなことありませんよね?」
私は4冊目の言葉に疑いを持ちながらもそう聞いた。
あの4冊目が、いくら私を育てたからとは言っても、
2冊目の人質に取られたくらいで、素直に2冊目の言う事を聞くわけがない。
そんな性格なわけがないはずだ・・・あの4冊目が・・・
「四四。今の私はお前を失うわけにはいかない。
だから、今一度言うよ?帰って来るんだ。私の元に。」
「で、でも、私には私のやりたい事が・・・」
「それは横浜に行って、本喰人を創り出した人間達を探す事かい?」
「どうしてそれを?まさか・・・」
「ふっ。そのまさかさ。四四にまた嫌われたくないから、極力はしたくは無かったけどね。
でも今回はしょうがない。それ程までに、事態が良くない方向に急に進んでいるからね。
こんなのは、かなり久しぶりのことだよ。
2冊目側の状況がこんなにも変わりそうなのはね。」
4冊目は真面目なままの声で、私にそう告げる。
式神を使い、最近の私の行動を監視していたわけね。
けど、あの他人に流されない、マイペースな4冊目が、ここまで言うからには、
相当、事態が深刻に動いたのだと私は知った。
そして、私は確認せずにはいられなかったことを、4冊目に尋ねる。
「こんな事態になったのは、12冊目がはっきりと2冊目に敵対する意思を見せたからですか?」
「四四・・・お前・・・そこまで知っていたのかい?」
「12冊目本人から聞きましたから・・・」
「うーん・・・となると、ますます不都合だねぇ・・・私としても。」
私の質問に、4冊目は冗談抜きで困ったような声を出す。
私がしてしまった質問は、私自身にも良くない質問だったようだ。
「12冊目側の事情にも詳しいのなら、ますます四四の身が危ない。
お前の人質としての価値を2冊目が明確に知ったのなら、
容赦なくお前を襲うだろう。
そうなる前に、やっぱり四四は私の元に帰って来るべきだ。
私なら確実に守ってやれる。だが24冊目や50冊目では、無理だ。
最近、6冊目に修行して貰ったとは言ってもね?」
「でも、24冊目や50冊目も私には大切な仲間で友達です!」
「そうです。四四は、私達の大事な仲間であり友ですよ?4冊目。」
「二四?!」
私は自分の背後に近づいていた二四に気付けずに一瞬だけ驚いた。
そして、それは電話の向こうの4冊目も同じようだった。
「私の四四に、ちょっかい出してる下巻の24冊目か。生意気な挨拶をする男だね。」
4冊目は二四に対して、私と仲良くしている所為で、あからさまに嫉妬して嫌悪感を滲ませた声を出す。
2冊はこの場に居ないはずなのに、まるでお互いが火花を散らしているかのような雰囲気を、
私は何故だか感じてしまった。
居心地の悪い時間が数分続き、私は少しだけ胃が痛くなりそうだった。