第7章「思い出していくほどに・・・」

「なになに?にっちゃんと四四ちゃんは何の話してるの?」

私と二四が会話しているとこで、ゴートンはいつもの陽気な声で、
会話に交じってくる。
私はゴートンにトワちゃんからの電話の話と、4冊目の話を軽くしていたことを話した。

「四四ちゃんも海外に何度か行ったことがあるんだ。」
「あるのはあるんですけど、でも4冊目の用事に付き合ったくらいで、
私が何かしたとか個人的な話はないですよ?」
「用事って、4冊目の用事ってどんなのなの?」

ゴートンは、興味有り気な顔で私に質問してくる。
二四も気になるのか、ゴートンと同じような顔をして私を見ている。
私は、ちょっと溜息をつきながらも、質問に答えた。

「過去にも話したと思うんですが、4冊目は死に関する事とかが大好きな本喰人で、
いわくつきな場所を巡ったり、所有すると呪われると言われる物を買い取りしに行くとか、
後は、最新のホラー映画を見に、一番先に上映するのが海外だったら、
わざわざ、海外にまで行くような・・・そんな感じですかね?」
「本当に、四四の言うように変わった本喰人なんだね。」

私の答えを聞いて、二四は感心したように返事をする。
ゴートンは同情したような顔で私に言う。

「4冊目は自分の趣味に、とことん四四ちゃんを付き合わせていたんだねぇ・・・
自分だけで、そんな趣味は楽しめば、良かったのにね。」
「ゴートンの言う通りなんですけど、あの頃の自分は無力でしたし、
世間知らずなのもあって、4冊目の言う事を聞くしかなかったんですよね。」
「それはそうだよね。眷属が上巻クラスの本喰人に逆らえるわけないよ。」
「後・・・当時の私は、そこまで嫌だったってわけでもなくて・・・」
「あ、そうか・・・そんな世界しか教えて貰えずに
育てられたなら、変に思う事もなかった感じ?」
「はい。恥ずかしいんですけど・・・ある程度、育つまでは、
この生活が普通なのかなぁって・・・
今では変な生活だったとわかりますが・・・」
「それは、どうしようもないよ。
私も、もしひとみに4冊目と同じように育てられたら、
今だって素直に、それが当たり前だと受け入れていたかもしれない。」

二四は真面目な顔で私に、慰めのつもりなのか、そんな言葉をかけてくれる。
二四からすれば、13冊目は尊敬に値する本喰人だろうから、
変に疑ったりすることは無いのだろう。
当たり前の日常として受け入れると言う言葉も、
本気で言ってるんだろうなぁーと私は感じた。
私も、4冊目を尊敬し続けことが出来たのなら、
今頃は二四達と一緒に居る生活をしてなかったかもしれない。
眷属のままなら、どのみち嫌でも離れないままだっただろうし。
それにしても、4冊目はどうして私を44冊目にしたのだろう。
私が4冊目の眷属のままであったのなら、無理にでも縛り付けることは出来たはずなのに・・・
私のこの能力の大半は、4冊目は嬉しそうに、私へ教え込んだものもある。
結局、4冊目の真意は何も知らないままで、今の私はいるが、
いつかは4冊目と対峙して、4冊目がどんな考えで私を育てたのか知る日が来るだろう。
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