第7章「思い出していくほどに・・・」

「あ、そうだ。十に聞きたいんだが。」
「何だい?」
「11冊目が、どうしているか知ってるか?俺は、11冊目の存在を全く知らないんだ。
どんな本喰人か、噂も聞いたことがない。まさか、今はいないとかあるか?」
「11冊目か・・・」

俺の質問に、十は少し悩む。
この様子だと、もしかして十も知らない感じか?
俺は少し不安になりながらも、十の答えを待った。

「自分も11冊目の情報はあんまり持ってないな。
ただ、11冊目は5冊目の元にいるのではないか?と言う噂はあるけどね。」
「マジか!あの5冊目の元に?」
「あくまでも、噂レベルだけどね。けど、5冊目はあの慎重さだからねぇ・・・
いきなり当人が直接、他の本喰人に会うことはないと思うんだ。
だから、11冊目を通じてから、会う形にしてても、おかしくもないとは自分も考えてるよ。」
「なるほど・・・それはありそうだな・・・」

俺は十の考えを聞いて納得した。1冊目と3冊目だって、十を通して会う様な感じだし、
5冊目も中巻クラスを部下のようにしててもおかしくない。
なら、11冊目は存在してそうだな。
誰かに殺されたりしたのなら、それこそ情報が出るだろうから。

「十二が11冊目を気にするのは、隣接する番号の本喰人だからかい?」
「ああ。その通りだ。過去の夢で、2の奴が言ってたんだが、隣接する番号同士は、
極端な仲にしかなれないって言ってたからな。」
「そうらしいね。自分も3冊目から聞いたことあるよ。」
「俺的には、2の奴以外に敵が増えるとしたら、隣接する番号の11冊目が可能性が高いと思うんだ。」
「なるほど。十二の言う可能性もあるね。」

俺の言葉に、十も同意してくれる。これは俺だけの問題でなく、
十にも関わりのあることだ。
俺と十の間に存在する、本喰人なのだから。

「十二の言う通り、自分も11冊目について、また調べてみるよ。何かわかったら報告する。」
「頼む。俺も11冊目が接触してきたら、十にすぐ話すよ。
とにかく、敵対してくれなければ、いいんだけどな。」
「だね。2冊目だけでも厄介なのに、11冊目が敵対してくる事態になったら、
5冊目側も敵になる可能性があるからね。」
「だよな・・・俺は、5冊目だけは敵に回したくないんだ・・・
36冊目の回復を頼みたい存在だから・・・」
「そうだったね。十二からしたら、今一番会いたい本喰人だよね。
5冊目は。」

俺の言葉に、十は俺に同情した表情をしている。
十の情報通りなら、尚更11冊目を敵に回したくないな。
11冊目と友好的に出会えれば、5冊目にグッと近づける
チャンスかもしれないのだ。
俺は十に11冊目の事を聞いておいて良かったと感じた。
向こうが俺に敵意を出してこないことを願うしかないな・・・今は。
俺はこの後も、十と会話を続けていく。
お互いが言いたい事を言い終えた頃には、深夜も明けて、
外が明るくなり始めた頃だった。
今回の事で、今後とも十とは良い連携が取れそうだと、俺は満足していた。
十も同じ気持ちであってくれたら・・・有難いな。
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