六ちゃんが私との今後の関係をお母様に報告してくれた後で、
私達がこれからどう活動していくのかも、お母様と話し合いする。

「キュアート殿の眷属達とも、さっき話はしたのだが、
キュアート殿の身の回りの警備などについて、
拙者からも助言出来そうなことがあればさせて貰うつもりだ。」
「あら♪それは助かるわ♪この子達の警備だけでも、私は心配はしてないけれど、
でもこの子達にとって、六の考え方とかは勉強になるでしょうから、
じゃんじゃん遠慮なく指導してあげて欲しいわ♪」
「キュアート殿から、そう承諾が得られたのであれば、拙者も出来る限りの事はしよう。
だから、更に安全が確保出来たと思うまでは、イギリスを中心に活動しようかと考えている。」
「有難う！六！凄く助かるわ♪」
「いや、拙者こそイギリスでの生活の面倒をキュアート殿に頼んでしまっているし、
お互い様にして欲しい。」
「うふふ♪別にそんなに気負いしなくてもいいのに♪
娘セアの将来の旦那様になっても貰う予定だし♪
家族になるかもしれないなら、当然の対応よ♪」
「う・・・む。」
「もう！お母様ったら！六ちゃんを困らせないで！！」

私はお母様にちょっとだけ怒った。ノウェムの言う通り、
お母様が嬉しくて仕方がないのはわかるけど、色々と先走りすぎな気もするわ。
まだ私と六ちゃんは婚約とかもしてないのだから・・・

「まぁまぁ♪セアったらそんなに怒らないの♪とにかく、イギリスに居る間は、
私が出来ることは協力するわ♪
六も六の出来ることで、私を助けてくれるってことで、それでいいかしら？」
「うむ。簡単に言えば、それで良いと思っている。」
「じゃあ、後でノウェムが六達の家を用意してあるから、そこに案内させるわね♪」
「助かる。キュアート殿。」
「いえいえ♪」

六ちゃんとお母様は、この後も会話を続け、イギリスを中心に
ヨーロッパを巡る予定である事を六ちゃんは話した。
お母様は笑顔で、六ちゃんの話を興味深そうに、うんうん♪と
聞いていた。

「あ、そうだったわ！十二も、近々３冊目に会いにギリシャに来るようね♪」
「おお。やっと十二も、ギリシャに来るか。大阪に居る時に、
近いうちに３冊目と会いたいと話してはいたが。」
「３冊目との再会は喜ばしいんだけどね・・・
けど十二には、それと一緒に辛い過去もあるでしょうから。
十二の気持ちを考えるとねぇ・・・」
「例の３６冊目のことか？」
「ええ。十二の大事な存在だった本。そして十二がこの先、
暴走しないようにする為の布石でもあった本よ。」
「うむ。その口ぶりだと、キュアート殿も、十二本人が知らない事を知っているようだな？」
「ふふ。少しだけだけどね。」
「それは３冊目から聞いた話なのか？」
「そう。３冊目が、私が十二の面倒を見るとなった時に、
少し話してくれたの。」
「うぬ・・・十二にとって、３６冊目の存在が大事なのはわかる。
だが、３６冊目自体もそれだけ特別な本だったと言うのか？」

六ちゃんはお母様の話を聞いて悩む。
十二から３６冊目の事は確かに聞いたけど、３６冊目が
どういう「本」なのかって話は誰も知らないわね。