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第7章「思い出していくほどに・・・」

「あらあら♪お久しぶりね!六!それから、セアも少しはいい女になれたかしら?うふふ♪」

お母様のいる屋敷に着いて、私と六ちゃんはすぐにお母様に再会した。
お母様の今の旦那様であるオスカー様は仕事に行っていて、この屋敷には
いないので本喰人同士の会話をするには良いタイミングだった。
まぁ、ノウェムがそういう風にスケジュールを組んだのでしょうけども。

「キュアート殿も息災そうで何よりだ。娘のセア殿にも世話になっている。」
「うふふ。良かったわ。セアが六の邪魔になっていなくて♪
もし、迷惑をかけているようなら、今回できっちりと私が引き取ろうと思っていたから。」
「そ、そんな・・・」

私はお母様にチラっと見られて恐縮してしまう。顔は優しいけど、
声の中には厳しさがあった。
お母様がここまで言うのなら、本当にそうされるだろう。
私は不安そうに六ちゃんの顔を見ると、六ちゃんは察したような顔になって、私に頷き、
お母様を真っ直ぐ見て答える。

「キュアート殿。貴女の娘は、何も拙者に迷惑など掛けてはいない。
寧ろ今では、拙者にとって大事な・・・パートナーだ。」
「あら?!それは本当なの?!六?!!」
「拙者は嘘など言わん。だから、キュアート殿。いずれかの話になるが、
時が来たら、貴女の娘のセア殿を貰い受けたい。
拙者の伴侶として・・・」
「いやぁあああーーーーん♥もちろんよ♥♥♥
良かったわね!セア♥見事に六の心射止めたのね♥」
「お、お母様ったら!声が大きいわ!!恥ずかしいから!!」

私はお母様のド直球な言い方に恥ずかしくなった。
本当だったら、感動して六ちゃんに泣きながら抱きつくつもりだったのに。
お母様のあの喜びようの所為で、それが出来なくなってしまった。
まるで自分の恋愛が成就したかのような感じなんだもの。
喜んで貰える事をしたのだから、嬉しいはずではあるんだけども、
お母様の過激な喜び方に、ノウェムもイーリスも、ポカーンとした顔になってるし、
何より六ちゃんが気まずそうに冷や汗を掻いてるしで、
私の心の中は複雑だわ。

「いずれはセアが六と結婚するわけね♪いやー楽しみだわ♪
自分が結婚式するのも好きだけど、いずれは娘の結婚式を
見れるかもしれないなんて、もっと最高だわ♪」
「母上。気が早すぎるのでは?確かに6冊目様は、セアを引き取って下さるとは
言いましたが・・・」
「何よ!ノウェムったら!妹の門出を応援してあげれないのかしら?」
「あ、いや。そういうわけではなくですねぇ・・・」

ノウェムは変にお母様に口出しをしてしまう。
それでお母様から反感を買っている。
余計な事言わなきゃいいのに。ノウェムは真面目すぎなのよ。

「そうすると、恐れ多いことですが、私からしたら、6冊目様は
義理の兄と言う事になるのでしょうか?」
「そうね♪人間の時は、そういうことになるわね♪」
「ひぃぇぇ・・・恐れ多いですね・・・」

イーリスはお母様にこんなこと聞いて、1冊で恐れ戦いている。
六ちゃんは優しいんだから、変に怖がることないのに。
イーリスったら、逆に六ちゃんに失礼よ!後で注意してやらなきゃ!
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