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第7章「思い出していくほどに・・・」

私達は、ノウェム達が用意してくれたリムジンに乗り、
ここ最近でお母様の周りで起きた出来事の報告を聞いていた。
六ちゃんは、真剣な顔でノウェムの話を聞いては、自分が気づいたことをすぐに質問する。

「では、すぐに戦闘になりそうな気配は今のとこはないか?」
「はい。2冊目が送り込んで来た者は、普通の人間ですので、
本喰人同士の激しい戦いには、いきなりはならないかと見ています。」
「確かに普通の人間なら、拙者達のような戦いは無理だからな。
だとすると、2冊目は監視するのが、今回の目的か。
いつでも、こちら側に何か出来るぞ、と警告を込めてな。」
「私もそうじゃないかと考えます。向こうが監視するだけなら、
変に騒がない方がいいかと。」
「であるな。監視には監視で対抗しつつ、こちらは守りを強化した方が良いな。
キュアート殿は、お主ら眷属達のおかげで防衛は大丈夫そうではあるが、
迷惑でなければ、拙者も確認させて貰おう。」
「迷惑だなんて、こちらからお願いしたかった程です。
どうか、お時間がある際に、屋敷などをご確認頂けると有難いです。」
「うむ。では、キュアート殿と面会が終わったら、確認しようか?」
「はい。そうして下さるのなら、すぐにそのように手配しておきます。」

六ちゃんとノウェムは、お母様の警備の事などで会話が盛り上がる。
その雰囲気は、十二と一緒にいた感じに似ている。
そーいえば、十二がお母様の所に居候していた時に、
よくノウェムと戦略ゲームしては仲良く遊んでいたわね。
私には難しいゲームだったから、一緒に遊べなかったけど。

「セア姉さんは、どうして6冊目様が好きになったんですか?」
「え?何よ?急にイーリスは。」

男の本同士で、話し合いが進む中で、私は急にイーリスに耳元で、こんな質問された。
イーリスは更に私に、こんなことまで言ってくる。

「だ、だって。外見的には、セア姉さんの好みじゃないですよね?
性格も凄く厳しそうだし・・・
あのセア姉さんが、将来の伴侶に選ぶような御本に思えなくて。」
「まぁ!イーリスったら!まだまだ子供ね!」
「え?」

私はイーリスに、そう返事をしてやった。確かに過去の私であったら、
六ちゃんはタイプでなかっただろう。
余りにも男らしいを通り越して、野性的だし、粗暴だったし、言葉遣いも変だし、
初対面なんか、髪の毛も髭もぼさぼさで、野生の熊かと思ったほどだ。
だけど・・・

「イーリスの言いたい事もわかるわ。でもね?大事なのは外見とか、
見え透いた優しさじゃないのよ?
六ちゃんのは本当の優しさなの。最初は分かりにくいものだったけど。
それは私が子供な考え方しか出来なかったから。
相手に嫌われてもいいから、悪い事は悪いと、ちゃんと叱ってくれたりする
大人の優しさなどが六ちゃんにはあったのよ♪」
「へぇ・・・」
「もちろん、他にも素敵なとこは沢山あるけど、私が六ちゃんに
惚れたのは、やっぱり六ちゃんの内面よね。
最近は、もっと優しくなってくれたし♪」
「あー、はいはい。そういう惚気はいいです。」

イーリスは、私の答えに呆れたような顔をする。
何よ、自分で聞いてきた質問なのに、嫌な態度をするわ。この子ったら。
私と六ちゃんの関係に嫉妬したのかしら?
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