第7章「思い出していくほどに・・・」

イギリスの空港に着き、私はノウェムの指定された場所に行くと、
そこにはノウェムとイーリスが居て、私達を迎えに来てくれていた。
ノウェムは失礼が無いように、六ちゃんに頭を下げて、挨拶をしてくれた。
イーリスもノウェムに従い、同じようにする。

「六様。この度は、我が妹の我が儘にお付き合いして下さり、有難うございます。
我らが母も、六様にはぜひ会って、直接お礼が言いたいと申しております。
これから、母の元にご案内させて頂きたく思いますが、宜しいでしょうか?」
「うむ。構わぬ。お主が、ノウェムか?」
「はい。キュアート様の眷属(こ)の長兄に当たります。
ノウェムと申します。以後お見知りおきを。
それから、こちらはセアの妹で、キュアート様の3女になります。
イーリス、ご挨拶を。」
「はい。六様。ようこそイギリスへ。私がイーリスです。
母、兄共々で、出来る限りのおもてなしをさせて頂きますので、
どうぞ私の事もお見知りおきを。」

ノウェムとイーリスは、そう言って、また頭を下げて六ちゃんにご挨拶をする。
ここまで丁寧な挨拶をしてくれるとは思わず、私は内心ではノウェム達に感心していた。
そんな私の眷属達を見て、六ちゃんは嬉しそうだった。

「ノウェム殿、イーリス殿。丁寧な挨拶、心から感謝する。
だが、これから世話になるのは拙者の方だ。
今後はそこまで改まった対応はしないでくれ。
それに、セア殿には拙者もいつも世話になっている。
セア殿の家族のノウェム殿達に感謝させて欲しい。」
「いえ、六様。我が妹が毎度ご迷惑をかけていないか、心配していたので、そんな感謝だなんて。」
「そうです!セア姉さんは強引なとこがありますから!
六様にご迷惑をかけていたら、遠慮なく言ってやって下さい!」

まぁ!ノウェムにイーリスまで!私に対して、何て酷い事を六ちゃんに言うのよ!もう!
見なさいよ!六ちゃんが苦笑いしてるじゃない!貴方達の所為で!

「はは。セア殿のご兄妹達は、セア殿の事がやっぱり良く分かってますな。」
「むぅ・・・六ちゃんまで、そんな事言って・・・」

私はちょっと不貞腐れて、六ちゃんの服を掴む。
六ちゃんは、少し意地悪な笑顔で私を見る。
だけど、六ちゃんは急に私の手を軽く握ってくれた。
う、嘘?!六ちゃん・・・こんなとこで・・・そんな・・・

「ですが、拙者がまた新しい文化に関り、良き成長の機会を与えてくれたのもセア殿です。
だから、感謝しています。キュアート殿が今危険なかもしれない時期に
セア殿を借りていることは謝罪させて下さい。」
「そんな。六様。お止め下さい。セアが六様への同行を
許されているのは母が許可しているからです。
なので、お礼や謝罪は、どうか母にお願い致します。」

ノウェムは六ちゃんの言動に驚きつつも、戸惑った顔でそう伝えた。
イーリスは、私を見て、ちょっと羨ましそうにしている。
イーリスも、ノウェムの事が好きだから、私と六ちゃんみたいな感じに
なりたいと内心は思っているんだろうなぁ・・・
でも、ノウェムも六ちゃん並みに頑固な男の本だから。
落とすのは、かなり大変だと思うけど、イーリス、ファイトよ!
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