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第7章「思い出していくほどに・・・」

※セアの視点に変更

「お母様!私もいつか、お母様みたいに素敵な王子様出来るかな?」
「ええ。セアにだって、いつか素敵な王子様が現れるわ♥
だから、それまでにいい女にならなくちゃ駄目よ!セア♥」
「うん!セア頑張る!♥」

私は小さい頃の夢を見て、そして目を覚ました。
大好きなキュアートお母様に甘えていた頃の夢だった。
お母様は、いつも優しくて、私やノウェムに他の眷属達を大事にしてくれていた。
そんなお母様が、今また2冊目側に狙われていそうだと、ノウェムから報告を受けて、
私は六ちゃんとの旅が素直に楽しめなくなってしまった。
いいえ。元から旅行を楽しんでいる場合ではなかったのよね。
六ちゃんにだって、六ちゃんのすべきことがあって、海外を回っているのだから。
私はお母様が用意してくれた、自家用ジェットで、六ちゃんと一緒に日本から、
お母様のいるイギリスに向かっている途中だった。
お母様のこともあるから、私は六ちゃんと一旦は別れないと駄目かと思ったんだけど、
六ちゃんは逆に心配してくれて、私と一緒にイギリスに来てくれると言ってくれた。
私は、そんな六ちゃんの優しさに素直に泣いてしまった。
え?何で泣くのかって?
六ちゃんが、やっと私の気持ちに答えてくれるようになったと、
思えるようになったからよ♥
それに、イギリスに向かう前に日本にいる時にね。
六ちゃんは私に初めて恋人らしいプレゼントをくれたの。
素敵な夜景が見える、京都の御宿でね♪

「セア殿。そ、そのだな・・・これを受け取って欲しい。」

六ちゃんは、いつに増しても顔を真っ赤にして、しどろもどろになりながらも、
夜景が綺麗に見える二人きりの場所で、私に小さな箱を渡してくれる。
私は笑顔で六ちゃんから、その箱を貰い、六ちゃんから許しを得て、その場で箱を開けると、
そこにはイヤリングがあった。
ちょっと子供っぽいとも思えなくないデザインだったけど、
私は六ちゃんから、初めて貰ったプレゼントと言うのもあって、
飛び上がって喜んじゃったの。
六ちゃんは、そんな私に「こら!」って少し怒ったけど、
それでも私は喜びが抑えきれなかった。
だって、あの六ちゃんがイヤリングをくれるなんて、思いもしなかったんだもの。

「六ちゃん・・・私、すっごく嬉しい・・・」

私は感情が、もう抑えきれずに・・・六ちゃんに・・・
と、これ以上は野暮ってものよね♪
六ちゃんも、いつもなら逃げたり、上手に拒否をするのだけれど、
その時は、私を受け入れてくれたの。
私は戦う事は苦手な眷属だけど、六ちゃんって心強い恋人が出来たから、
これからは何にだって戦えそうな気がするわ♪
お母様が愛する人が出来たら、自分も色々な意味で強くなるのよ♪って言っていたけど、
その意味がやっと私も、その時に身に染みて分かったわ。
私は、現在、ジェットの中の六ちゃんをチラっと見る。
六ちゃんは私から少し離れて、瞑想をしていた。
いつもよりも、もっと六ちゃんの事がカッコよく見えちゃうわ。
私が完全に惹かれてるから・・・よね。
そしたら、六ちゃんは私の視線に気づいたのか、目を開けて、私の方を見て、
穏やかな顔で「?」みたいな顔をしてくる。
きゃああああああああ?!!!もう!!六ちゃんったら!!!
その顔は卑怯よ!!!
私はそんな六ちゃんに顔を真っ赤にさせられてしまった。
これからは、こんなギャップのある六ちゃんと・・・
私、心臓が持つかしら?
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