第7章「思い出していくほどに・・・」
「キュアート様の容体はどうだ?イーリス。」
「はい。今、こうして横になられてます。」
「ん・・・ノウェム・・・?来てくれたの?」
「はい。キュアート様。大丈夫ですか?」
イーリスとの会話の途中で、意識を戻されたキュアート様に、
オレはイーリスと一緒になって、心配した顔で見る。
キュアート様はそんなオレ達を見て、弱々しく笑う。
「うふふ。やだわ、2人ったら。まるで、私が死んだみたいな顔して。
そんな深刻そうな顔して、心配しなくてもいいのに。」
「それは・・・心配するに決まってるではありませんか。
キュアート様からは、つい最近、例の忠告も受けたのですから・・・」
「それも・・・そうよね。ごめんなさい。」
「いえ。謝罪をされることなどありません。それにしても、キュアート様。
一体、何があったのですか?」
オレはキュアート様から、倒れる前に何があったのか聞いた。
キュアート様は、珍しく少し苦い顔をして俺に言う。
「あの会社の社長のゲルマンって男は、2冊目の手先の人間だわ。」
「なんと?!それはまことですか?!」
「ええ。彼には聞こえないで済んだけど・・・
あの男は、私の耳元で言ったのよ。ドイツ語で・・・
「本喰人の貴女の社会的行動に、2冊目も感心してますよ」って。」
「それは・・・また・・・」
オレはキュアート様の言葉を聞いて、自分も顔が真っ青になりそうだった。
イーリスは、口元を抑えて、ショックが隠し切れないようだ。
2冊目は自分の眷属を使うのでなく、人間を使ってキュアート様の様子を窺いに来たのだ。
通りでオレがパーティー会場の出入り口で警戒してても、
何も違和感を感じることがないわけだ。
2冊目側の味方とは言え、ただの人間なら、その場で余程の悪意を
感じない限りは警戒しようがない。
「他には、その男はキュアート様に言いませんでしたか?」
「それ以外は何も言って来なかったわ。私も気にしないで、
パーティーが終わるまでは、と思っていたんだけど・・・」
「無理もありません。まさかパーティーの主催者が敵だったなど、気分が良いわけありませんよ。」
「ふふ、有難うノウェム。そう言ってくれて。
イーリスもごめんね。心配しちゃったわよね?」
「そんな!はh、いえ、キュアート様がこうして無事だったのなら・・・」
イーリスは少し涙ぐみながら、キュアート様の側に行き、
キュアート様の手を握る。
キュアート様は優しくイーリスの手を、握り返し微笑む。
オレはキュアート様とイーリスを見て、とりあえずは安心する。
とにかく、その場でキュアート様が危機に晒されなくて良かった。
これで、もしキュアート様を失う事になったら、オレは地の果てでも、
2冊目を追いかけ、何があっても、復讐をしようとするだろう。
他の本喰人や人間を利用し、同じ眷属達を犠牲にしてでもだ。
今はオレがキュアート様の眷属の中で1冊目の存在なのだから。
「はい。今、こうして横になられてます。」
「ん・・・ノウェム・・・?来てくれたの?」
「はい。キュアート様。大丈夫ですか?」
イーリスとの会話の途中で、意識を戻されたキュアート様に、
オレはイーリスと一緒になって、心配した顔で見る。
キュアート様はそんなオレ達を見て、弱々しく笑う。
「うふふ。やだわ、2人ったら。まるで、私が死んだみたいな顔して。
そんな深刻そうな顔して、心配しなくてもいいのに。」
「それは・・・心配するに決まってるではありませんか。
キュアート様からは、つい最近、例の忠告も受けたのですから・・・」
「それも・・・そうよね。ごめんなさい。」
「いえ。謝罪をされることなどありません。それにしても、キュアート様。
一体、何があったのですか?」
オレはキュアート様から、倒れる前に何があったのか聞いた。
キュアート様は、珍しく少し苦い顔をして俺に言う。
「あの会社の社長のゲルマンって男は、2冊目の手先の人間だわ。」
「なんと?!それはまことですか?!」
「ええ。彼には聞こえないで済んだけど・・・
あの男は、私の耳元で言ったのよ。ドイツ語で・・・
「本喰人の貴女の社会的行動に、2冊目も感心してますよ」って。」
「それは・・・また・・・」
オレはキュアート様の言葉を聞いて、自分も顔が真っ青になりそうだった。
イーリスは、口元を抑えて、ショックが隠し切れないようだ。
2冊目は自分の眷属を使うのでなく、人間を使ってキュアート様の様子を窺いに来たのだ。
通りでオレがパーティー会場の出入り口で警戒してても、
何も違和感を感じることがないわけだ。
2冊目側の味方とは言え、ただの人間なら、その場で余程の悪意を
感じない限りは警戒しようがない。
「他には、その男はキュアート様に言いませんでしたか?」
「それ以外は何も言って来なかったわ。私も気にしないで、
パーティーが終わるまでは、と思っていたんだけど・・・」
「無理もありません。まさかパーティーの主催者が敵だったなど、気分が良いわけありませんよ。」
「ふふ、有難うノウェム。そう言ってくれて。
イーリスもごめんね。心配しちゃったわよね?」
「そんな!はh、いえ、キュアート様がこうして無事だったのなら・・・」
イーリスは少し涙ぐみながら、キュアート様の側に行き、
キュアート様の手を握る。
キュアート様は優しくイーリスの手を、握り返し微笑む。
オレはキュアート様とイーリスを見て、とりあえずは安心する。
とにかく、その場でキュアート様が危機に晒されなくて良かった。
これで、もしキュアート様を失う事になったら、オレは地の果てでも、
2冊目を追いかけ、何があっても、復讐をしようとするだろう。
他の本喰人や人間を利用し、同じ眷属達を犠牲にしてでもだ。
今はオレがキュアート様の眷属の中で1冊目の存在なのだから。