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第7章「思い出していくほどに・・・」

レトニアとの通話が終わり、メールの返信が来る。
オレはメールを確認して、メールの返信をしてきた、ペネロペにすぐに電話をした。

「ペネロペ、今日お前のとこに行って大丈夫か?」
「はい。ノウェムの話したい事は理解出来てますので、大丈夫です。
それから、ファウヌスも私のとこにいるので、一緒に話し合いが可能ですよ。」
「そうか。それは助かる。1時間もかからずに、お前の屋敷に行けると思うから、待っていてくれ。」
「了解しました。では、ファウヌスとお待ちしております。」
「うん。頼んだ。」

素っ気なく感じるペネロペと通話が終わり、オレはペネロペの屋敷に向かう。
別にペネロペは、悪意があってあんな風にしゃべるのではない。
あれがぺネロべの性格なのだ。無駄を嫌う性格の為に、会話も極力必要なことしか言わない。
それはオレであろうが、キュアート様に対してもそうだ。
ペネロペはキュアート様の4冊目の眷属で、俺達兄妹の順序から言うと、次女に当たる。
セアとは正反対な性格の女の本で、知的でクールだ。それに派手な恰好を嫌い、
質素であるながらも、上品な感じがする恰好が好きだ。
そんなペネロペは、キュアート様個人の財産管理を主にしており、
株取引などを仕事にもしている。
いざと言う時の為に、キュアート様の財産を増やそうと日夜勤めているのだ。
ペネロペは、時にキュアート様の姉として、キュアート様にも会う。
だから余計に、日々クールでいようとしているのだ。
変に人間に疑われないようにする為に。

「ぺネロべ、ファウヌス。久しぶりだな。こうして実際に会うのは。」
「ノウェムも久しぶりです。」
「ノウェム兄ちゃん、久しぶり~♪」

オレはペネロペに伝えた通りの時間にペネロペの屋敷に着き、
ペネロペ達が居るであろう部屋にメイドに案内されて、久しぶりの再会を果たした。
メイドが消えたのをしっかく確認してから、お互いに本当の挨拶を交わす。

「ファウヌスも元気そうだな。」
「おかげ様でね。でも、ノウェム兄ちゃんが、僕らに会いたがるように、
あちらの事情は、あんまりよろしくないようだよ。」
「だろうな。あの母上からも、忠告があったくらいだからな。
2冊目に特に気をつけろとな。」
「そうだったのですね。あの母上から言うのなら、尚更ですね。」

ファウヌスとオレの会話を聞き、ペネロペもすぐにその場で、ある程度理解はしたようだ。
本喰人同士で、またいざこざが始まりそうになっている状況に。

「それにしても、何故、今頃なのでしょうか?
特に日本に居る12冊目に、ちょっかい出してるんですよね?
2冊目は?」
「そのようだ。オレも詳しい状況はよく知らん。
ファウヌスは、その辺の事情は探れているのか?」
「実は・・・」

オレがファウヌスに話題を振ると、ファウヌスは説明するのに、
困った顔になる。
いつも陽気なこいつが、そんな顔をする時は、良くない報告だ。
オレは不安な気持ちを隠しつつも、ファウヌスの報告を静かに待った。
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